「叱られ方研修」

低賃金、長時間労働、そしてパワハラ。
日本の労働を取り巻くこれらの問題で、一番意味がわからないのがパワハラだ。

最近では、叱られ方を研修を学ぶ大学があるという。

要するに上手に叱られようって研修らしいのだが、逆じゃねぇのか??
叱る側の研修をしっかりとしていけよ。

はっきり言わせてもらうが、現代日本では40代後半から上の世代でまともな叱り方ができる人はほとんどいない。
僕自身、いろんな職場で働いたが、まともに叱ってくれる人に会ったこともない。
だいたいの人が威圧的に叱責したり、何かしらを脅迫したりする。
「そういうやり方のほうが相手は仕事を覚える」と、いい歳したおっさんやおばさんが本気で思い込んでるから厄介だ。

パワハラが横行している職場からは、人が離れていく。
残念なことに辞めていく人は正直に辞める理由を言ったりしない。
本当はパワハラや低賃金、長時間労働が嫌になって辞めるんだが、親の介護だとか、病気の治療に専念するとか、そんな適当な理由をでっち上げて辞めていく。
そういう会社に残ってる人間というのは、人の微細な感情の変化などに鈍感で、退職する人が適当にでっち上げた理由を疑うことなく信じてしまう。なぜ人が定着しないか、会社に残っている人たちは自分で気づくことはない。
誰も教えてくれないから本当の原因もわからない。
原因がわからないから求人を延々と出し、新人が入り、すぐやめていく。。。このパターンをただひたすら繰り返すだけだ。

そもそもパワハラをして何か効果があるのだろうか?
デメリットしかないように感じるのは僕だけだろうか?
何も考えずに今までそうしてきたと言う理由だけで盲目的にパワハラをしているだけじゃないのか。
パワハラという方法を用いて指導したからと言って、指導を受けた人が飛躍的に仕事ができるようになった、なんて話は聞いたことがない。
むしろパワハラが怖くて萎縮してしまい、仕事を覚えるどころの話じゃなくなってしまう。
パワハラが原因で人が離れれば、自分たちの首を締めることになると気づいていないんだろうか。会社としても人手不足に陥り、利益を上げることができなくなる。
更にパワハラをする人は仕事ができない人が多い。言葉足らずできちんとした指示を出さず、それによって失敗した人に対して激しく叱責する。上の立場の人にはペコペコ頭を下げるが、下の立場の人には高圧的な態度を取る。明らかに自分が失敗した場合は笑ってごまかす。などなど。
こういう人が職場に一人でもいたら、たとえそこがいい職場だとしても空気が澱み、働きづらい職場に成り下がる。

そんなデメリットしかないパワハラ人間を、会社側は放置したり黙認したりするが、なにかそれなりの理由があるのか。
多大なデメリットを補って余りある程の理由があるから放置黙認しているんだろう。その理由というのを聞かせていただきたい。

パワハラなんて会社自体が撲滅するように働きかけない限り、新しい人はどんどんやめて定着しない。新人が入ってはやめていく会社では、経験を積んだ人が残らず、仕事のできないパワハラ人間しか残らない。
そんな人間を残していても会社がどんどん傾いていくと思うんだが。。。

残念なことに今の日本では社会全体がパワハラを容認している。職場でパワハラ人間が大声で叱責していても、他の人達はほぼ見て見ぬふりだ。
他人がひどく傷つけられていても誰も気にしない。まるで当たり前のことのように振る舞っている。
そんな光景を僕はとても気持ち悪く感じる。

働くということは生活と密接に関わりのあることで、生きるために必要なことだと思うのだが、どうも日本では働くことで生きるチカラを奪われたり壊されたりする事が多い。

今の日本で生きていくには、長時間労働に耐えうる強靭な肉体と、威圧的な攻撃にも耐えうる鈍感な精神と、低賃金でもやりくりしていく鋭敏な生活力が必要だ。
そしてその三種類の能力を持ち合わせていない人は、社会から排除されてしまう。

労働に関する問題を解決していくことで、日本における多くの問題がクリアになる気がするんだが、半世紀以上も放置されている。
おそらくこれからも解決することはないだろうし、どんどん悪化するだろう。

このまま労働を変えないのであれば、今の日本に未来はない。

もしサポートをいただけたら、ボクの記事はさらにおもしろくなり、おもしろい記事を書くために精進し、より一層脂肪を蓄え活動のエネルギーとし、仕事を辞め、病んだ心を癒やし、趣味を楽しみ、世界を旅し、港、港に妻を作り、グレートバリアリーフを望む丘に豪邸を建て、アナタに毎日感謝の祈(文字数