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営業が苦手…は思い込みです

福祉・医療専門職から管理職になった人が、苦手とするのが「営業」です。
それもそのはず、これまでいつのまにか利用者さんや患者さんが目の前に現れて、自分たちは最善のケアをすることが使命だったのですから。いきなり営業をしてこいといわれても、うまくできるわけがありません。
そもそも、管理職になるまで、営業や集客なんて考えたことすらなかったという専門職も多いでしょう。

でも、その苦手意識は、ただの思い込みかもしれません。

子どもの頃は、好奇心にあふているので、未経験のことに対してもほとんど苦手意識をもちません。なんでもやってみたいと言います。
しかし、年齢を重ねるにつれ、自分の得意不得意がわかってきます。もうすこし解像度を上げていうなら、上手にできるようになったことを得意に分類し、それ以外を不得意・苦手に分類するようになります。

すこし話はそれますが、僕は5歳ぐらいからピアノをはじめ、高校卒業するまで先生について習っていました。
#そこそこ弾ける

大学に入学すると、ギターを始めました。
ずっと音楽をやってきたので、いくつかのコードを覚えたら、4コードぐらいでできる曲は、すぐになんとなく演奏ができるようになりました。
しかし、
その先が一向に上達しないのです。

ピアノとギターは同じ楽器でも演奏方法がまったく違います。
ピアノは鍵盤を押せば音がでます。
ドの鍵盤を押すと、ドの音がするというシンプルな仕組みです。
指一本でも曲になります。
一方ギターは、左手で弦を押さえて右手で弦をはじくことで音が鳴ります。
しかも弦は6本あり、弦を押さえずにはじくとそれぞれミ・ラ・レ・ソ・シ・ミの音がします。
ドレミファソラシドと規則正しく鍵盤が並んでいるピアノに慣れている僕は、頭が混乱しました。

結局、少し練習したものの、「禁じられたあそび」のメロディーすら弾けるようにならないまま、ギターはホコリをかぶってしまいました。

学校の音楽の授業しか受けていない同級生と比べたら、僕には音楽に対する下地がありました。
いくつかのコードで何となく曲を演奏できるようになるまでのスピードは、同じころに始めた人と比べても圧倒的に早かった。
でも、数か月たつと、音楽の授業のみで育った友人たちの方がうまくなっていました。

その理由は単純です。
友人は指にタコを作りながら、一生懸命練習していた。
僕は最初にできた範囲でコードをポロポロ弾くだけ。ほとんど練習はしませんでした。
なぜ友人のように練習しなかったのかと言えば、頭では次は何の音を出したらいいか、どのコードを引けばいいか分かっているのに、ピアノのように思い通り指が動かなかったから、面白くなかったからです。
もちろん、ピアノだって始めたころは思うように弾けたわけではありません。毎日練習してやっとソコソコ弾けるようになりました。
でも、そのことをすっかり忘れて、うまくできないのは向いてないんだと決めつけて、練習をしませんでした。練習もしていないのに。

「やればできる」
これは真理かと問われれば、かならずしもそうではないと思います。
しかし、「やらなければできない」は真理です。
はじめてやったのにうまくいった。練習もしてないのに上手にできた。これは偶然に過ぎません。
そして、偶然には再現性や継続性がないのが特徴です。

話を営業に戻します。
多職種から転職してきた人をのぞき、医療福祉職の人の多くは営業経験ゼロです。
やる前から「苦手だ」「自分にはできない」と決めつけていませんか。
この考えこそ、あなたの成長を止める最大の阻害因子です。

あるいは、はじめての営業で、1件もお客さまを紹介してもらえなかった。だから自分には営業は向いてないと考えている人もいるかもしれません。

僕のギターと一緒です。
勉強も経験もせず、成功するなんてことはあり得ません。

「向いてない」と決めつけてあきらめたら、あなたの事業所にはお客さまが来なくなります。
お客さまが来ないということは、どれだけ介護の技術を磨いても、どれだけ接遇を磨いても、それを提供する相手がいないということです。
さらにはお客さまがいなければ、売り上げが発生しません。
売上がなければ、社員に給与を支払うことができなくなり、施設や事業所の経営を続けることすらできなくなってしまいます。

あなたが一番やりたいことは営業ではないでしょう。
でも、営業して顧客を確保しなければ、本当にやりたい介護を提供する場がないのですから、営業は避けては通れない道となります。

まずは、あなたが抱えている苦手意識をいますぐに消してください
こう考えればいいのです。
「私は営業経験がないのだから、最初は成果が出なくても当たり前。だけど、私たちには素晴らしい社員と素晴らしい社員がいる。だから、私たちのサービスを知り、利用してくだされば、きっと満足してもらえる。大丈夫」と。
応援しています。


noteでは人や経営のマネジメントについての記事にくわえ、今後は介護事業所、高齢者施設の営業・マーケティングに関する記事も投稿していきます。
リンクフリーですので、介護現場の管理職やリーダーを目指す人たちに紹介していただけるとうれしいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

立崎直樹


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