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コンサルは「虚業」!?有名外資系コンサルと共闘した元フリーターが語る実態!Part1

私は25歳まで深夜のコンビニでアルバイトをしていましたが、28歳で初めて大手広告代理店に入社。その後、中小企業→大企業へと2回転職し、落ち着かない会社員生活を送っています。最初に入社した会社では経営管理に携わっていた関係で、大手コンサル企業や大手システム会社との付き合いも多くありました。今回はその経験から、コンサル業界について書きたいと思います。

① コンサルは虚業か

インターネット上で「コンサル=虚業」という言説を目にします。
これはどこまで正しいのでしょうか?

虚業と言われる主な理由は、彼らサービスに「形」がないからでしょう。
自動車メーカーには「車」が、コーヒーショップには「コーヒー」があります。富士通や日立製作所でもICTサービスやデータのようなバーチャル空間での「形」あるサービスを提供しています。

しかし、コンサルタント業は一見してそれがありません。
「無形の力」を商売にしているわけです。

虚業にしては彼らの業界はますます勢いついています。アクセンチュアはどんどん採用を増やしていると報道されますし、DeNAの南波智子氏のように、コンサル出身で有名な起業家も輩出しています。

私はコンサルと一緒に仕事をした立場として
(というか現在の私はコンサルっぽい仕事をしているのですが・・・)

コンサルは虚業ではないと考えています。

ただし、彼らのビジネスが持つ特徴を誤認すると、
「お金の払い損」になってしまう可能性が高まるでしょう。
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② 一緒に仕事をしたきっかけ

私は最初に入社した広告代理店で予算管理業務に携わっていました。予算管理業務というのは、年度末に翌年の予算編成を行うのみならず、期中にはセグメント別/製品別の予実管理を行います。まあ、言い換えれば”経営サポート”みたいな仕事なわけです。

詳細は言えないことも多いですが、ある時、会社全体で大きな改革を余儀なくされる事態が起こりました。それを機に、それまで着手してこなかったタスクが社内に多数発生したのです。

その内の一つが”経営コンサル”に依頼して”ムダな予算を削る”というものでした。

予算は大別すると売上予算と販管費予算に分かれます。ここで削減する予算はもちろん、販管費予算。国の予算でも事業仕分けとか、公共投資の削減とか、いろいろな”ムダ”や”ムダ削減”の話がでます。それの企業バージョンみたいなものです。

コンサルに依頼する、といってもユーザ企業が何もしないわけにはいきません。むしろ主体は事業会社にあるのですから、こちら側も責任者・担当者を決めます。
私は当時32歳の若手でしたが、若手だから見ていればよいという雰囲気でもなく、コンサルタントと一緒にいくつかの部門を担当するリーダーになりました。

③ 彼らの仕事は・・・

経営コンサルといっても、「やること」「やり方」は千差万別あると思います。なので、これはあくまでも”私個人から見た”という前提ですが、彼らの仕事の進め方はおおよそ以下のような流れでした。

⑴    まず、部門の担当者にヒアリングを行い、そこに存在する課題をファクトとして確認したり、どうすれば解消できるかという意見を聞き取ります。
⑵    次に事業会社側の経営層への説明のため、ヒアリングした内容に自分たちの視点や洞察を加えて、とりまとめを行います。どうも、事業開発っぽいコンサルをする場合には、オープンデータやマーケットレポートなど、外部の情報収集も積極的に行うようです。
⑶    そして、経営層へ提案内容をプレゼンします。当然、そこでは「やろう」「いや、それは危険だ」「〇〇という条件であればできる」など、様々な意見がでます。
⑷    そこで出た意見を持ち帰り、今度は現場への提案のために、準備を行います。業務改革っぽい内容であれば、作業フローを作成したり、トラブルになった場合の部門間の連携案とか、課題に適合し、現場に納得してもらえるような提案を行います。

私が一緒に仕事をしたときは、だいたいそんな感じでした。
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④ コンサルタントの特徴

彼らと一緒に働いて、良い点と悪い点、両方感じることがありましたので、ここではそれを紹介したいと思います。総論としては【良い点】コンサルタントとして働く「人」に対する意見、【悪い点】はコンサルタント業全体に対する意見になってます。

【良かった点】1. ハートが強い

経営コンサルタントといっても、偉い人は「プリンシパル」「マネジャー」、若手の人は「アナリスト」「アソシエイト」など、役職があります。特に上位の役職の人は、総じて「胆力」があると感じました。単純にその手の現場に慣れているということもあるのでしょうが、経営層にも堂々とプレゼンをしますし、ベンダーに対しても時として「断固として引かんぞ」という気の強さを見せてくれます。

私はひとつの仕事を一緒にやる、という立場で携わりましたから、彼らの強さは頼りになると感じました。

一方で、比較的若手の人(アソシエイトなど)は、そのハートの強さが空転していると感じる場面もありました。事業会社のベテラン社員に対しても、遠慮しない物言いをするので、見ていて冷や冷やさせられました。業務改革でも予算削減でも、現場社員の快い合意がなければコトは進みません。「おいおい、コンサル同士で話をしているんじゃないぞ・・・」と思いました。それはおそらく”堂々とするべし”という先輩の教えを表層的に解釈していたのではないかと思います。
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【良かった点】2. しゃべりがうまい

ハートが強いと通じる部分ではありますが、コンサルタントは総じてしゃべりが上手でした。まず、何かを聞かれたときのレスポンスが早い。情報を受け取ってから、論理を構築し、アウトプットするという、発信の初速が早いのでしょう。加えて、しゃべりそのものもスピードがあります。話す速さというのは、その人の頭の回転が影響しているという説を聞いたことがあります。きっと、話しながら考えることも得意なんだと思います。

ただし、これも若手の人は空転している場面がありました。おそらく自信なさげに黙ったり、「わかりません」と言ったりしてはいけないと思っているんだと思います(萩本欽一の「黙っちゃダメ!」みたいな・・・)。聞かれた際に何かを返そうと早口で色々しゃべるのですが、それが的外れだったり、内容が浅かったりということが度々ありました。
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【良かった点】3.資料作成がうまい

これはコンサルタントの代表的な特徴と言えそうです。彼らが作成する資料というのは、色使いから構成から、「見た目」にこだわって作られています。特にプロジェクトが始まる前は、この資料を見て「うまくいきそうだぞ」と過度な期待につながりかねないほどです。

もしかすると、これが逆に「虚業」というイメージにつながっている可能性すらあります。当時、先輩社員が、彼らの資料を見て「これがコンサルの手口だからね」と懐疑的なまなざしで話していたのを覚えています。

私自身、資料の見た目にまあまあこだわるタイプなので、顧客に対する資料を一定程度キレイに作ることは意味(というより効果?)があると思っています。ただし、フィーの高い仕事になればなるほど、反動で懐疑的な見方をされる可能性もあるということでしょう。

彼らはファシリテーションをする最中、顧客の目の前で作業する場合があります。例えば、Excelで数値計算をしながら、サービス価格についてディスカッションするケースなどです。彼らは事業会社で働く人と比較すると、作業スキルが極めて高いのです。関数やショートカットを駆使して、パパっと作業をします。その理由を聞くと、曰く「社内研修で、うまくならないと研修が終わらなかった」とのこと。入社した段階で、”叩き込まれる”ということなのでしょう。

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