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七十二候の【雷乃発声】に入ります。

「かみなりこえをいだす」と読みます。二十四節気「春分」の末候で、七十二侯の12番目です。4月4日まで。

雷は一年中鳴りますが、このころから夏にかけて増えてきます。春の雷を「春雷(しゅんらい)」、その年初めて鳴る雷を「初雷(はつらい)」と呼びます。春雷は夏の雷とちがい、ひとつかふたつで鳴りやむことが多く夏ほど激しくありません。

春の雷
 遠く霞て
  消えにけり

漢字では「雷」と書きます。大和言葉では主に「かみなり」「いなづま」
などといいます。古語や方言では「いかづち」「かんなり」「ごろつき」「らいさま」などさまざまに呼んでいました。

このころ虫も動きだすので「虫出しの雷」ともいいます。

Kaminari sunawachi koe o hassu 雷乃発声 “Distant thunder”
〔disutant;遠い〕 March 31-April 4

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楽しみは
 桜の名所ここに決め
けふを限りと
 花を見るとき

孫の児童合唱団の定期演奏会に、和歌山へ行ってきました。終わったあと桜が満開の紀三井寺へ。本堂へは、231段の急な結縁坂(けちえんざか)を登らなくてはなりません。先に行っていた小学二年生で八歳の孫の女の子が、頂上のところで手を差し伸べてくれました。おじいちゃんを引き上げようと思ったのでしょう。力をこめた小さな手を握って、胸が熱くなりました。

〔結縁坂のいわれ:若い紀伊国屋文左衛門が、母を背負ってこの坂を登っていたときに草履の鼻緒が切れました。それをすげ替えてくれたのが紀三井寺の真向かいにある玉津島神社の宮司の娘でした。それが縁で恋が芽生え、二人は結ばれました。後に、文左衛門は宮司の出資金によって船を仕立て、蜜柑と材木を江戸へ送って大もうけをしたのでした。それから坂は「結縁坂」と呼ばれるようになりました〕

琵琶湖のほとりの草庵にて
時を生きる旅人
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