驚きの結果に! インドの香り米「バスマティライス」に初挑戦。
先日、誕生日に妻が、ずっと欲しかったバスマティライスを贈ってくれた。スパイスカレー屋さんを巡ったり、あるいはスパイスカレーのイベントに足を運んだりするたびに「バスマティライスほしいなー、うちでも炊いてみたいなー」と繰り言のように口にしていた甲斐があった。素直に嬉しい。
だってあの独特の食感と香りの長粒米はカレーとのからみが抜群によくて、こと本格スパイスカレーにおいてはこっちの方が断然おいしいのだもの。いついかなるときも日本の白ごはんを愛してやまぬ私でさえ、その点においてはバスマティライスに軍配が上がる。ずっと自分でも調理して食べてみたいと思っていたのだ。
しかも妻曰く「よくわからんから直感的に選んだ」のは、WEBでもカレー通からの評価が高い「Lal Qilla(ラルキラ=赤い城)」ブランドのやつ。やったー。
ちなみに「バスマティ」「バースマティー」とは、ヒンディー語で「香りの女王」を意味するらしいです。
もらってからというもの、一日も早く試したかったのだが、あいにく食い扶持としての仕事がパンパカパンに詰まっていて着手できず、ひと月も経とうという頃になってようやく口にすることができた。この頁はバスマティライス初心者が見よう見まねで調理するとどういうことになるかという記録です。誰かの参考になれば幸いです。ではレッツゲットクッキーンナ。
まずは優しくすすいで30分吸水。
もらったのは1kgのパック。妻とふたりカレーを食べるにはとりあえず足りるだろうと二合をボウルに開ける(実はこの判断が後ほど、とんでもない結果を招くことに)。うん、美しいとんがり具合。いつも目にしている日本晴のちん丸いシェイプとは全く異なる。エキゾチックだー。
WEB上のノウハウを読み漁った結果、バスマティライスは日本のお米よりも割れたり折れたりしやすいらしいので、優しく流水で3回ほど濯ぎ、30分ほど吸水させる。その間に手早くカレーを作っていくぜ。
印度カリー子さんに心酔、のカレー。
カレーに関しては、我々夫婦の間で最近起きた革命的な進化がある。ご存じ印度カリー子さん提唱の「タクコ」で作るスパイスカレーの導入である。この単純明快、かつ誰でも簡単にできる本格スパイスカレーのレシピ解明は、はっきり言ってノーベル・カレー賞ものだと思う。知る前と知った後では、このカレーという沼、あるいは迷宮、誰もが好きだけどその深奥部は杳として知れない世界に対する見え方が、もうすっかり変わってしまった。こんなに単純でよかったのかという感動。
印度カリー子さんのレシピに出会ってからというもの、妻は暇を見つけてはカレーのベースとなる「グレービー」の素を炒め、小分けにパックして冷凍してくれている。感謝。玉ねぎを飴色になるまで炒める(ニンニク・生姜・トマトを加える)、という最も時間のかかる工程を予め行なってくれているので、わずか30分の吸水時間の間にカレーを作ることなどお茶の子さいさいなのだ。うわはははは。
同じく冷凍の鶏もも肉を炒めたうえに冷凍のグレービーを人数分どーん。
ここに加えるのが、「タクコ」すなわち、ターメリック・クミン・コリアンダーである。分量はそれぞれ小さじ1。実にわかりやすい。
水100ml、塩小さじ1、ヨーグルト大さじ1も加えて煮込む。うわははは、どうだ、備えあれば憂いなし。あっという間に本格チキンカレーの爆誕だ。このレシピには唐辛子などの辛味要素がないので、今回ちょこっとレッドチリパウダーを加えてピリッとさせた。
合間にきゅうりのライタも作る。
スパイスカレーの醍醐味といえばライタ(ヨーグルトサラダ)やアチャール(インドのお漬物)といった副菜を添えて、混ぜまぜして食べる、いわゆる口内調味にある。時間がまだあったので手早くきゅうりのライタも作っちゃおう。
これもいたって簡単で、きゅうりを粗みじんに刻んで塩、クミンパウダー、レッドチリ、ヨーグルト、レモン汁あたりをさっと和えただけ。これがまたいいアクセントになるのだ。
さあ、満を持してバスマティライスを「湯どり」するぞー。
カレーと副菜の準備が整ったところで、ついに今回の山場がやってきた。バスマティライスを「湯どり」するのだ。日本のコメと違って「炊く」のではなく、たっぷりのお湯でゆでてお湯を捨てるのがバスマティライスの主な調理法であるらしい。
ふだんパスタを茹でるのに使っている寸胴鍋にたっぷりの湯を沸かし、そこに吸水の済んだバスマティライスを投入。吹きこぼれないように火加減に注意しながら、茹でることおよそ10分。ときどきつまみ食いして食感を確認。ちょっと芯が残るぐらいのタイミングでいったんざるに開け、お湯を切って鍋に戻す。そのままとろ火で2〜3分蒸らせばできあがり……らしい。
諸々の情報によるとゆでるときにバター、塩、クローブやカルダモンなどのホールスパイスを加えるのが通っぽいのだが、今回は「ラルキラ」のベーシックな味を知りたかったので塩ひとつまみを加えるにとどめた。
ふー。思ったより難しくなく、初めてにしてはちゃんとできた気がする。
なのだが。ここで皆さんに、バスマティライス初心者の私がしでかした最大のミスについてお伝えしておきたい。
めっちゃ増えた。
写真ではうまく伝わらないけど、日本の白ごはんの要領で二合用意したら、ザルからあふれるぐらいに増えた。これははっきり言って計算外。たぶん理由はふたつあって、ひとつはこのコメが水分をよく吸って膨れやすいこと、もうひとつは長細いのでお互いの間に空白ができやすくその結果かさばる、ということだと思う。
ともあれ、味や食感は及第点だと思うので、食べまっしょい。
やっぱりカレーとの相性は抜群!
冷めないうちに盛りつけて、いただきまーす!
いやもう食べる前からわかってたわ。うんまー! これは文句なし! 優勝! こんなに簡単におうちでバスマティライス&スパイスカレーができるなんて。これはまさに、あのお店で食べる細長くてパサパサの香り米そのもの。ことカレーをまとうという点においては、やはりはるかにジャポニカ米を凌駕するポテンシャルがあることを再確認。ふんわり香る独特のフレーバーも、上品で嫌味がない。
しかも、初めはすんごく難しいのかなとか、敷居が高いように感じていた「湯どり」調理法も、いざ経験してみるとパスタをゆでるのとさほど差のないお手軽さであることが判明。これはリピート確定。今度はスパイスを加えたり、サフランで着色したりしてみようっと。
妻曰く、他にもチャーハンにしたらおいしいかも、とのこと。たしかに調べると、ナシゴレンやガパオといったアジアン混ぜごはんに向いているようだ。スパイスカレー以外にも、選択肢は無数にありそう。
ちなみに、先述したとおり二合炊いて、中年夫婦が腹いっぱいカレーを平らげて、なおかつお茶碗に軽く4杯分ぐらい残りました。
冷凍に回します。明日の朝は納豆バスマティライスかー。楽しみー。
初めて調理する人は、分量にはくれぐれも気をつけて。
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