kota hara

デザイナー。週の半分を神奈川に住み、半分は静岡県沼津市戸田で暮らす。オフィスの企画設計…

kota hara

デザイナー。週の半分を神奈川に住み、半分は静岡県沼津市戸田で暮らす。オフィスの企画設計や食品ブランドのブランディングデザイン、静岡では街の案内誌や周辺店舗・物販のデザイン、企画などを行う。二拠点生活の実体験をもとに都市―地方との繋がり、コミュニケーションデザインに情熱をもつ。

最近の記事

戸田暮らしから感じる「団欒」という食時間の可能性

自分は現在、活動拠点の一部を静岡沼津市戸田という海のそばに置いてます。 「何もない」、地元の人が口を揃えていう言葉であるが、その言葉の裏側には何もないからこそ、見落としがちな日常にある幸せを見つけることができる、という想いがあるように感じます。私もここでの暮らしを通して、何が幸せなのか、何に時間を使うのか、という意識が強くなったし、ここで育った子どもたちは、自分で築けるチカラが強いように感じます。 私がこの街で暮らす中で、向き合うことになった一つが「食」を通じた場 それまで

    • 「戸田塩」から読み解く歴史と現在。

      西伊豆戸田。ここには「戸田塩」という有名なお塩があります。 甘く、コクがあり、単体でも味わいたくなるような美味しさ。今では多くの人が戸田を訪れた際、お土産として持ち帰っています。 地元の熱き女性たちの想いから0→1で立ち上げた「戸田塩の会」 この「戸田塩」、実は地元の女性たちが立ち上げた「戸田塩の会」によって作られている。古くは港町としてはもちろん、観光の街としても栄えていた戸田。しかし、都市化による人口減少、近隣の開発などの影響をうけ、街の産業衰退が進み、地域の活気が失

      • 臼半径◯mから広がる「繋がり」のデザイン

        2024年を迎え、毎年恒例の餅つき大会&書き初め @ Tagore Harbor Hostelが開催された。(今年のイベントバナーは下記のような感じで制作もしてみました♪) そもそも餅つきの歴史を調べてみると… 日本には古くから稲作信仰というものがあり、稲は「稲魂」や「穀霊」が宿った神聖なものだと考えられてきたという。なので、稲から採れる米は人々の生命力を高める神聖な食べ物であり、ハレの日に食べるべき縁起の良いものとされてきた背景があるという。 昔から同じように餅をついて人

        • 人と人、人と自然、それぞれの接点を生むグループランの可能性

          先月、毎年12月に行われる IZU TRAIL JOURNEY を主催され、修善寺にて、ITJ BASEというホステルを経営される千葉さんをお呼びし、Tagore Harbor Hostelにて自然豊かな西伊豆戸田の土地を走りながら体感する「グループランin HEDA」を開催した。 グループランとはそもそも何か。 参加費もアポイントも不要で、ただ決められた時間に仲間たちと一緒に走ることをいう。マラソンとは違って、競争を主眼とせず、初心者も気軽に参加できるペースで走りながら、

        戸田暮らしから感じる「団欒」という食時間の可能性

          美と課題の海、海辺のゴミ問題と未来への道

          戸田の海、沖縄と匹敵するほど、透明度を誇るその美しさもまた、当たり前でないことを生活していると感じます。 そう感じるようになったのが「海辺のゴミ問題」。海岸線に見つかるゴミは、環境への重大な脅威であり、今ある景色が将来当たり前でなくなってしまうかもしれないのかと、、、少し悲しさと恐さと、どうにかしないとという思いに書き立てられます。なぜ自分が街の環境に対して自分ごと化する意識が芽生えたのかはこの前のnoteを参考に。 海辺のゴミ問題は、人間活動によって引き起こされる環境問

          美と課題の海、海辺のゴミ問題と未来への道

          SUPがもたらす環境へのインスピレーション

          戸田に暮らす中で、はじめた「Stand Up Paddleboarding(SUP)」。 SUPは自分にとって、身体的に自然と繋がる絶好の機会を提供してくれる。 海への一歩を踏み出す瞬間、SUPのボードに立ち上がる瞬間、自然と直接的に接触することができる。身体はボードの上で揺れ、風と波に身を任せることで、まるで自然の一部となったかのような感覚に包み込まれる。 SUPは、バランス感覚、筋力、柔軟性を鍛える「エクササイズ」としてのイメージも強いが、自然界との対話を可能にする

          SUPがもたらす環境へのインスピレーション

          夜の冒険、ナイトトレイルランに起こる感覚の変化とは

          夜の闇に包まれた山や森林を駆け抜けるナイトトレイルラン。 修善寺でIZU TRAIL JOURNEYを主催する千葉氏が毎月行っているグループラン、そこで自分は初めてナイトトレイルを体験した。 ランナーやアウトドア愛好者にとって、まさに夜の冒険の扉でもあり、暗闇の中でのランニングがもたらす独自の体験や感覚に魅了され、はじめる人が増えているとか。 自分が体験したことで感じたナイトトレイルランが提供する特別な要素に焦点を中心に、その魅力について伝えたい。 最初に、ナイトトレイル

          夜の冒険、ナイトトレイルランに起こる感覚の変化とは

          地域愛、目的思考、創造力、社会での生きる力を育むための鍵

          以前、戸田小中一貫学校の中学1年生向けに、授業&ワークショップを行った。 1学年が数人という状況もあり、都市に比べ子供たちの数が少ない戸田。 だからこそ、子供たちに街のことをもっと知ってもらい、もっと好きになってもらい、一緒になって、この街のこと取り組んでいけたらな、そんな機会が街の中で届けていけたらなと思っていた。 それが街の未来の大きな可能性にも繋がるはずだから。。。 上記のような想いをもっていた矢先、中学一年生が戸田中報道部という「戸田の魅力や日常を届けること」を

          地域愛、目的思考、創造力、社会での生きる力を育むための鍵

          風景としてだけでなく、体感することで、その場所が自分事化される

          人は生まれてからずっと、自然と深い結びつきを持ってきた生き物。 でも、現代社会で都市生活が進化したことで、知らずとテクノロジー中心の日常へと置き換わってしまっている気がする。その中で、自分も小さい頃、畑や田んぼで遊んだり、川に笹船を浮かべて遊んでいた感覚を忘れ、大人になるに連れ、自然を「景色」として眺めることが多くなっていたように感じる。 自分は今、週の半分は東京、週の半分は西伊豆戸田という地域で暮らしている。 戸田に出会ってもう3年以上が経つ。この街に出会い、朝ランニン

          風景としてだけでなく、体感することで、その場所が自分事化される