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#14The World Of Baseball Won Tonight

先日3/20,21日とフロリダ州にあるマイアミ、Loan Depot Parkで行われたWorld Baseball Classicの準決勝vsメキシコ戦、決勝vsアメリカ戦を見に行ってきました。間違いなく私の人生で見たスポーツイベントの中で一番最高の経験だったと思います。日本人としてこの場所に入れたことを誇りに思います。タイトルにある "The World Of Baseball Won Tonight"は準決勝で対戦したメキシコの監督 Benji Gilさんの言葉です。彼は会見で日本へのリスペクトを込めながら

日本が我々(メキシコ)に勝利したが、これは世界の野球の勝利でもある

World Baseball Classic

と述べています。それだけこの試合が多くの野球ファンに感動と勇気を与え、野球界にとって大きな出来事であることを意味しています。

World Baseball Classic


野球ってすげえな


侍ジャパンの指揮官、栗山監督の「野球ってすげえな」、本当に今回の大会は言葉に尽きます。私は予選リーグから全ての試合をテレビで観戦していましたが、特に準決勝、決勝の2試合は言葉では言い表せないものでした。フロリダ州マイアミに位置する会場はメキシコからも近く、メキシコ戦は完全アウェイの空気感でした。決勝のアメリカ戦は会場の9割がアメリカサイド、絶え間なく続くUSAコールが地響きのように会場に鳴り渡りました。それでも聞こえてくる「ニッポン」コール。互いがぶつかり合う空気感は熱く特別なものでした。名シーンをあげればキリがないと思います。二刀流、大谷翔平選手の存在、最年長ダルビッシュ選手のリーダーシップ、吉田選手の13打点、村上選手の復活、骨折しながらも守備の要となった源田選手。
(全て語ると長くなりすぎるので割愛)


World Baseball Classic

個人的に一番熱くなったのは

メキシコ戦7回の吉田正尚選手の同点スリーランホームランでした。7回まで完封されメキシコ空気の会場をバット一つで変える。カッコ良すぎました。あのホームランがなければ負けていたかもしれない、あの場面で打てる技術力とメンタルには脱帽です。侍ジャパンが世界一になったあの瞬間に、あの場所にいられたことは本当に光栄なことでした。

まさに「野球ってすげえな」を体感しました。



日本人として世界で戦う


侍ジャパンの日本人として世界で野球をする姿が影響を与えたのは勿論ですが海外に影響を与えたのはそれだけではありません。今回、日本人の国民性が世界のメディアに注目されました。グループステージチェコ戦で相手選手にデッドボールを当ててしまった佐々木選手が試合後、選手にロッテのお菓子を渡し謝罪していたことがアメリカのニュースで報道されました。また大谷選手がチェコ代表の帽子を被ってマイアミに向かったことで現地メディアは「シンプルな行動だが国を越えた敬意溢れるやりとりがこの大会を完璧に要約している」と絶賛していました。選手だけでなく日本のファンの行動も世界に大きな影響を与えています。大谷選手のホームランボールをシェアした行動は

「米国ではこの先、見ることのできない温かい光景だ」

Fox MLB

と言われていました。またピッチャーが投げる時は声を出すのをやめていたり、会場を来た時よりも綺麗にして帰る日本人の姿をメキシコの監督 Benji Gilさんは「日本のファンの質は世界一だ」と語っていました。私自身、現地メキシコ戦でそれを体感しました。村上選手の逆転サヨナラで勝った日本ですがその直後、日本人ファンとメキシコ人ファンが握手をしていたり、お互いの旗を交換している光景を目にしました。私は「スポーツの本来あるべき姿」を見た気がします。勝っても負けても国境を越えお互いを尊敬し合う、その一つになる瞬間というのがスポーツのあるべき姿の一つなのです。「スポーツはやはり最高なんだ」と思うと同時に品格と敬意のある日本人ファンの行動は誇らしく思います。日本を背負って戦うというのは、選手だけではないんだと実感しました。


野球vsBaseball


誰が予想したでしょうか。

メジャーMVP3回アメリカ史上最高のバッターにしてアメリカの主将マイクトラウトvsメジャー世界一と称される日本の英雄、大谷翔平が9回裏2アウトで対戦することを。間違いなく全世界が望んでいた対戦、野球の真髄を見た気がします。国と国を名誉をかけた最後の対決がエンジェルズの同僚にして代表のキャプテンとは出来すぎている、まさにハリウッド映画を見ているようでした。MLB公式サイトも「WBC史上最高の瞬間」としてこのシーンを挙げ、アメリカのどのメディアでも取り上げられていました。MLB Networkも

「試合序盤にスプリットに苦労しているマイクトラウトに対し、彼の好きな膝元コースへの160kmファストボールと大きく曲がるスライダーでの三振には脱帽」

MLB Network


と述べています。マイクトラウトの試合後のインタビューも印象的でした
「彼(大谷)はラウンド1を制した。彼がブルペンからで出てきた時点でSHO Timeだった。アメリカにとっては辛い敗戦だったが、日本チームには脱帽だし、僕らはまた戻ってくる」さすがはアメリカ代表のキャプテンと言った素晴らしいコメントでした。アメリカのMark DeRosa監督も「3人のMVPが打席に入るのに大谷は動揺していなかった。彼はこのスポーツにとってユニコーンのような存在で、今後も彼のレベルに達する選手は出てこないだろう」と語っていました。敵軍にここまで言わせる大谷翔平の技術力、精神力、そして人間性には脱帽です。このシーンを自分の目で見れたことを嬉しく思います。


アイスホッケーでも感動と勇気を



WBCが盛り上がる傍ら、少し悔しさを感じる自分がいたのも事実です。これだけ素晴らしいスポーツの試合を見て、「アイスホッケーはここに追いつくことが出来るのか」と不安になりました。今回WBCで感じた現実は日本のみならず、アイスホッケー界に足りないものばかりでした。オリンピックや世界選手権では多くのNHL選手が欠場し、世界選手権とは名ばかりの誰も気にしないような大会になっています。男子アイスホッケー日本代表はそこにも参加できないのが現状です。


いつかこのアイスホッケーという最高のスポーツが最高の舞台で最高の瞬間を作り出せる事を願っています。そしてそこで日本代表と自分自身が戦えるように常に準備をしていきたいです。

そしてその為に自分自身が常に高みを目指し続けることは勿論、少しでもアイスホッケーの魅力を伝えていければと思います。


改めて侍ジャパンの皆様、優勝おめでとうございます。
そして感動と勇気をありがとうございました。


最後まで読んでいただきありがとうございます。今回は寝るアーサー(幼少期版)と共にお別れです。

それでは! See you later #14


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