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ショートストーリー 坂道

僕は坂道を歩く。
長く遥か遠い坂道を歩く。
登り坂はずっとずっと先に続く。
永遠に終わりが無い様な気持ちになる。
途方もない不安と焦りそれと後悔が頭を過る。
僕は坂道の途中足を止めると少しの休憩をとる。
誰に言われた理由わけでもなくまた坂を登る。雨が降っても風が吹いても坂を登ったり下ったりを繰り返す。暫く歩くとふと歩いてきた道を振り返った。登り始めた道は遥か遠く見えないほどになっていた。僕はふうと息を吐くと見え始めた頂上を目指した。
やっとの想いで頂上に着くともう体はクタクタで心もボロボロだ。僕は頂上の頂に旗を立てた。
ここから見渡した景色は清々しい。
今までの苦労なんて忘れ去られる様だ。
僕は深呼吸をして目の前を見上げた。
「おや?あれは?」
そう、また長い坂道が僕の前に現れた。
僕はふうと息を吐くと坂道をまた一歩一歩登り始めた。

ショートストーリー 坂道をお読み頂き有り難うございます。
お時間よろしければまたお願いいたします。




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