ショートストーリー 青い薔薇をあなたに
「もう今日は帰れ。あとは何とかしとくから。」
普段は厳しい先輩も私の肩を優しく叩いた。
仕事で失敗した。やってはいけない失敗をやらかした。それなりにキャリアも積み、後輩にも指導出来るようになった。好きな事を仕事に出来て幸せだった。難しい事もあったけどこんなに派手に失敗した事はなかった。
何かが失くなって心はどこかに行ってしまった状態で自分が今どこに存在しているのか分からないまま帰り道を歩いていた。天気予報より早い時間に雨が振りだすとアスファルトはあっと言う間に水玉模様になって