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【詩】ここに

坂道から見える港
変わらない絵画のような
日々の何気ない一瞬


観光客は夕方になり少なくなる


どこへ行くにも
坂を降りて坂を登る


ここを出て
戻ることのない
友だちたち


年を経て変わる街


相変わらず不便
それでも夜になると光る
どこまでも広がる星屑
ここだから見える


午後4時に港から出る客船
消える港の光
群青色の空


見慣れた海の機嫌を見て
生活が始まる


知った人ばかりの
小さい町


落ち着くと落ち着かないが
いつも交差する


盆と正月に帰ってくる友だち
置いていかれたような気になる


勝ち負けはないのに
負い目を感じる
自分で選んだ道
間違いはない
どれも正解


どこから来て
どこに行く
自分で決めて
ここにいる


刺激を求めてはいない
穏やかな日々で
それがいい


美味しい空気を
肺いっぱいに入れ
生きてる
笑いながら
アニメみたいなことを言う


今日も始まる


坂の上
海はキラキラと輝いている






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