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【詩】金色に輝く

氷の中であなたに
手を向けて固まるわたし


目は瑠璃色
開いたまま
あなたを追う


灯りひとつない森の奥深く
誰にも気づかれることもないまま
凍る

ねじれた線がほどけずに
玉になったまま


慈愛を見つけることが出来ず
情愛に溺れ
恋愛は小舟に乗ったまま
静かに沈む


欲しいものが何なのか
わからないまま
わたしは凍る


あなたの後ろ姿が見えるのに
追いかけることも出来ず
声を出すことも出来ず
揺れ動く気持ちを
見せることも出来ない


わたしは何かと引き換えに
凍っているのでしょうか


あなたはどんどんと遠くに行き
小さくなっていく


さよならも言えぬまま
涙も出ない


愛がほしかった
ただそれだけなのに
絶望に手をかけて
逃げられずここにいる


墨色の愛を求めていたと言うのなら
わたしが求めるのは何色


わたしは金色に輝く愛を
あなたに求めるべきだった



そう



背中に感じる氷が優しく溶け
あなたの手の温度を感じる


あなたはわかっていた
ずっと前から





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