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【詩】Potter

勝手に流れる涙
なぜ流れるのか
理由もわからないまま


きっと大丈夫
なんてことない


歌が流れる
その歌は
自分を歌っていた


歯を食いしばり
気が遠くなるのを
自分で引き戻し
何もかもが
無理だった


夜中に聞いた歌は
月も一緒に聞いていた


あなたのことだよ


月はわたしに言って
笑っていた


いま君に必要なのは
上手くやり過ごす
ことじゃない

上手くやり過ごすことを
止めることだ


月は涙が乾くまで
笑っていた


バラバラになったハートを
丁寧に拾って
パズルのように
一つずつ合わせていく


触れば壊れてしまいそうなハート


薄くて壊れやすくても
耐えながらこらえながら
鏡に映る顔を見て


そんなに疲れないで


自分の顔に言う


人の言葉に崩れそうに
なったとしても
人の態度に
泣きそうになったとしても


月を見ながら


粉々になったピースを
愛の糊でつけながら
きれいな陶器の水差しをつくる


その水差しはきっと
心に優しさと強さをもった
水を流し続けるから







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