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【詩】ガラス玉

飴玉は熱に負けて
ゆったりと溶けていく

黒い皿の上で声を上げて
体を捻りひねり
飴玉は消えていく

あなたへの戯言は
一切がチェックメイトへの序章


始めは皮膚を鳥の羽で
柔らかく撫でて

指は徐々に皮膚の奥に入り
音も出さずに肉を揺るがし
高揚した心は細胞に
解き放てと命令する

忘れていたものをさらけ出し
溶けてしまえば


ガラス玉
体温では溶けない
七の色で光を放つ

近づいて
背中を見せて
困惑させる


胸に刺さる棘は
あなたにじわじわと
眠らぬ毒を体に送る

一から百まで数えて
百から千まで数えて
体とともに目も回る

終わりを知らないように
七の色を放つガラス玉


助けることが出来るのは
ガラス玉だけ


蛇を首に巻いて
あなたが迷わないように
隣にいてあげる


誰の声も聞こえず
ガラス玉しか見えなくなった時
チェックメイトと囁く


あなたを溶かす
わたしはガラス玉



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