Square world


四角い空の下

退屈な今を埋めるように

手の平の四角い世界を眺めている

青は空を満たしながら

満たされない人たちの頭上を過ぎる


投げ捨てた空き缶は

雨水で満たされてゆく

冷たさを感じないように

分厚い長靴を履いて人は通り過ぎる

哀しいと認識しなければ

涙も出てこないよね

満たされた水面は

渇いた人たちを映し出し溢れる


手の平の四角い世界で

あてもなく答えを捜す

ここには何かがあるような気がして

目の前にかかった虹に気づかないまま

何かをわかった気になって

日は暮れてゆく


共感は

束の間の安息の地

そんな不安定さで

懸命に生きている

本来の足元ではない場所に

足場を求めて


物に満たされた街で

心は空っぽのまま

情報で飽和状態の頭に

叶える気のない妄想を浮かべる


足りないものばかり数える癖は

いったい誰から教わったんだろう

本当はここにあるはずの希望を

今日もどこかに捜しに行く




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