Haruka

大学院を卒業後、ライターとして活動中。エッセイ、小説、思想についてなど日々についての記…

Haruka

大学院を卒業後、ライターとして活動中。エッセイ、小説、思想についてなど日々についての記録。

最近の記事

時間泥棒

時間泥棒 わたしとあなたの時間と命を共有した お腹が痛くなるほど笑った 笑った内容は覚えていないけれど 楽しかった気持ちはまだ覚えている 忘れよう どうでもいいと自分に言い聞かせても 頭の片隅にまだいる このなんとも言えない気持ちの処理方法が知りたい 考えないように 思い出さないように わたしは幸せになる 後ろはもう振り返らない 辛い時期はもう去った ただ前を向いて歩くだけ 音信不通にするなんて もうわたしには必要ないよ 時間泥棒 産まれた

    • 「死にたいと思いますか。」新シリーズ『23歳の春、わたしはうつ病と診断された』

      「死にたいと思いますか。」医師がわたしに尋ねた。 「大切なひとたちが悲しむので死のうとは思いません。」わたしは答えたが、質問の答えになっていない。 「なにか具体的に手段を考えたことはありますか。」と医師は続けた。 「死にたいけれど…」言葉が詰まった。本音が出てしまったと自分の本心に気づいた瞬間だった。「死にたいけれど…、大切なひとたちが悲しむので死のうとは思いません…。」 「それでは消えたいですね。」と医師は言った。 「いつ死んでもいい。と言うと、友人にそういうこと

      • あの日から

        あの日からわたしの心はとまってしまったようだ 月日が流れてもきみを想う気持ちは消えなくて 「時が解決する」 なんてどこかで聞いた言葉は役に立たない きみは前に進んでいるのに ぼくだけトキがとまってしまったようだ あの日の景色 風の音 きみの空気感がぼくを離さない 夕日を見て1日が終わるのを感じる 薄暗くなる部屋の中で 今日もなにもできなかった虚無感に襲われる 美しいもの 美味しいの 心になにも震えなくなった 泣いてもなにも解決しないのに 連絡を

        • わたしはひとりぼっちだ

          ひとりぼっちだと感じるひとたちへ だれかといたいのは ひとりでいるのが怖いからなのかもしれない よく考えてみると わたしがひとりぼっちだったことはなかった 困ったとき 悲しいとき 辛いとき いつも支えてくれる仲間がいた 寄り添ってくれるひとがいた ひとりだと感じるときはあった その感情が何日間も続くことがあった 何年も続くこともあった それでもわたしたちは だれかに支えられている なにか起こるたびに 救ってくれるひとがいる ひとりぼっちに感じ

        時間泥棒

          キャンドルの灯り

          手の平の上にキャンドルがあるのを想像してみてほしい 風が吹いたら灯りは揺れる その風があまりにも強いと火は消えそうになる すると風をさえぎるものを持ったひとが現れる 急に雨が降ってくることもある とまらぬ涙でその火が消えそうになるときもある そんなとき 覆いを持ったものが現れる キャンドルが濡れないように 弱々しい光が消えてしまわないように ときには強い光を放ちすぎて 持っていることに恐怖を覚えることがある そんなとき 一緒に持ってくれるものが現れる

          キャンドルの灯り

          今日も夕日はこんなにも綺麗なのに

          泣いていた 毎日夕日が沈むのを眺めながら泣いていた 夕日の美しさと反して 私の心は光とは遠い存在のように感じた なぜ泣いているのか分からなかった 焦る気持ちと絶望感 言葉では上手く表現できない感情を 日々抱えて生きていた 毎日なにかと葛藤しただ生きていた 生かされているのか生きているのか そんなことはもはや分からなかった ただ泣いていた なぜ泣いているのかなんて分からなかった 涙が頬を伝う 美しい夕日を今日も私は見つめる 滲んだ夕日を今日も

          今日も夕日はこんなにも綺麗なのに

          あの子の中のダークサイド

          会った時はいつも笑っている 仕事は可も不可もなくなようだ 週末の夜はお酒を飲んで談笑する 休日は予定を入れているようで あまり家にはいない たわいもない話と束の間の真顔 何も言わずに遠くを見つめる目 その後何もなかったかのように ぼくたちにまた笑顔を向ける 一見何の問題もないように見える しかし話す内容は食べ物や仕事の話ばかり 政治や夢、人生についてなどの 議論を招くような話題は一切口にしない 当たり障りのない会話をしているだけで 流れていく多くの時間と月日 この日々は

          あの子の中のダークサイド

          『朝、起き上がれなかった。それがすべての始まりだった』 小説

           朝、起き上がれなかった。  ぼくは天井を見つめたまま、ベッドから起き上がることができなかった。  2021年大学院2年生の4月、春の訪れを存分に感じさせる暖かい日差しが降り注ぐ部屋の中で、ぼくの身体は言うことをきかなくなった。天井を見つめたまま2時間が経った。いつもなら家を出て学校に向かう時間だ。ぼくの身体は動かなかった。  頭だけが焦っていた。脳からの信号が、身体にうまく伝わらない。どうなっているんだ。動けないまま、天井を見つめるぼくの中で、もうひとりのぼくが言う。「動か

          『朝、起き上がれなかった。それがすべての始まりだった』 小説

          「恋は上書き保存 愛は専用フォルダ」恋のピリオド

          恋のピリオドはいつなのだろうか 恋人関係が終わったとき? それとも相手のことを考えなくなったとき? 音信不通で終わった恋はどこにいくのだろう 私の気持ちはどこにいったら良いのだろう 宙に浮かんだようなこの気持ちはどうすれば良いのだろう 解決策が見つからないまま月日は過ぎて 心の傷は癒されないまま溝は深まるばかり 自問自答していても何も変わらないことも 悩んでいても考えていても仕方のないことは分かっている 小学生から勉強はしているが恋については習わなかった

          「恋は上書き保存 愛は専用フォルダ」恋のピリオド

          小さなつぼみ

          つぼみの外側の花びらが傷ついていた どの花よりもつぼみは硬く閉じられていた 手に取ると小さいが鋭いトゲがぼくの指を刺した 「美しいものにはトゲがある」 この言葉が頭に浮かんだ 持ち帰り小さいつぼみを花瓶に生けた 翌朝そのつぼみは明るく照らされていた うとうととまた眠りについた もう一度起きるとぼくは目を見張った そこには力強く大きく開いたキミがいた 開くまでに数日有するかと思っていた 多くの花の中で1番小さかったつぼみ 外側の花びらは傷ついていたつぼみ

          小さなつぼみ

          普通という名の狂気

          だれも普通ではいたくないからさ 「普通じゃない」なんてキミたちは言うけど 僕の周りは普通じゃない 普通じゃない人たちが僕を安心させる 「普通」なんてだれが決めたんだ 「変わってるね」何気なくキミたちが放つ言葉 その無神経な一言に僕は耳を疑うよ 普通なんて多数決の世界 みんな揃って一緒がいいなんてだれが決めた 大多数の意見と同じじゃないと キミたちは安心できないんだろ 自分の意見に自信がない証拠さ キミたちの言う普通は一歩他の世界に入ると 普通ではなく

          普通という名の狂気

          人生は感情をぶち壊してきた人か その状況下でも支え続けてくれた人たちで成り立っている 両者に共通することは私の心を揺さぶったということ

          人生は感情をぶち壊してきた人か その状況下でも支え続けてくれた人たちで成り立っている 両者に共通することは私の心を揺さぶったということ

          「運命」は存在するか否か

          運命などとは初めからなくて、 人生は運命に定められているなんて だれが言えようか。 人との出会いも、物事も、時間も、 その出来事を“運命”とみなすかどうかは 貴方自身にかかっている。 「この人との出会いは運命だ!」 と思えばそれは運命の人になりえ、 この人とは何も思わずとも、 運命の人である可能性を 貴方がないものにしただけである。 ある人には運命を感じ、 ある人には運命の出会いなど 一度も感じなかった。 その感情は貴方が決めた決断であり、 貴方がそのひとに対して行っ

          「運命」は存在するか否か

          壊れた心と涙の理由

          心に何も響かない だから文字が浮かんでこないんだな と思っていたら 夢の中で I love you but you don’t have a heart. 本当にその通りだと思った 心が壊れて何も感じない なぜ泣いているかなんて分からないけど 言葉は出ないのに涙が止まらないんだ

          壊れた心と涙の理由

          『権力と反面教師』 1000字小説

           「うるさいなあ、もう」 独り言のように呟いたその言葉は、 ぼくが思ったよりも大きかったようだ。 その証拠に手元のノートから目を離し頭を上げると、 みんなの顔がぼくの方を見ていた。 担任の代理で自習時間に来ていた先生が 怒りに震えた声でこう言った。 「今言ったことを、もう一度言ってみなさい。」 教室中の視線がぼくに集中し、期待と緊張感に包まれる。 誰も自習中のノートのページをめくろうともせず、 ただぼくたちの行く末を見守っている。 「…うるさいなあ、もうです。」 ぼくは仕方な

          『権力と反面教師』 1000字小説

          人生を変えたキミとの出会い「きみ」歌詞

          生きている間に出会えるひとの数は いったいどれくらいなのだろうか その中できみに出会えたことは ぼくの中でとても大きくて きみと出会ったあの日 ぼくは変わった きみが話しかけてくれた瞬間(トキ)を ぼくは何度も思い出す きみの瞳は綺麗で きみの世界にすぐに引き込まれた きみの笑い方は無邪気で きみの魅力にすぐに引き込まれた どうしたらこの先ぼくはきみを守れるのだろう 可愛くて愛しいひと いつまでもぼくの隣で笑っていてほしいけど 時間と命は有限で

          人生を変えたキミとの出会い「きみ」歌詞