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過去の自分からのプレゼント

最近、ぼくの周囲では、止まっていたものが動き出す、ということが、続いている。いや、この調子で続け、と思っているのだが、そうそう上手いことは続かない…と思いもしつつ、気を向け続けていると、流れが止まることはない。肝心なことは、自分自身が止めないことだ。

ぼくの場合は自分の執筆に集中するなんてことができるはずもなく、むしろ(日々の仕事に忙しい中)他人の原稿に取り組まなければならないことの方が多くて、いつ書くんだ? と自分で思うことも少なくないが、だいたい全く書かなくても問題はないのである。

いや、どうか?

書くことで、より読めるようになる、ということも少なくはないと思っている。だから自分で書くことを諦めたら、つくっているものも変わるだろう。

だからぼくは何に力を入れている時でも、自分の"書く"を大切にしよう。

しかし、あっちへホイホイこっちへホイホイという感じで仕事していると、とにかく何かひとつのことに集中するなどということには程遠い状態だ。

そんな状態で、毎日のように短い時間を捻出して執筆活動をするとなると、ぼくの場合、「何を書くのか?」がグチャグチャになる。なりがちだ。

あれもこれも、となってしまうわけ。でも実際には、書くのも読むのも、一気には無理だ。少しずつ、少しずつの積み重ねがモノを言うわけで。

そういうとき、これまでずっと書きためてきたことが、役に立つ。いや、書きためてきたことそのものが生きることだってある。

『アフリカ』の校正をお願いしている黒砂さんと会うと、よく「あれはどうなった?」と昔の原稿の話を蒸し返してくる。それはたいへんありがたいことで、どんどん蒸し返せばよい。

そういうことを、もう20年はやってきた。手をつけるだけつけて、そのままになっているものが山ほどあるので、いま再びこれをやろうという題材には事欠かない。『アフリカ』のような雑誌をやってきてよかったと思うのは、そういった"やりかけの仕事"が、ある程度整理された状態で残っていることだ。

過去の自分からのプレゼントなんだろう。大切に受け取ります。

(つづく)

日常を旅する雑誌『アフリカ』最新号、じわ〜っと発売中。

ご連絡いただければ郵送で直接、お届けすることもできますので、遠慮なくどうぞ。「どんな雑誌なの?」ということにかんしては…

をご覧ください。

「道草の家・ことのは山房」のトップ・ページに置いてある"日めくりカレンダー"は、1日めくって、8月10日。今日は、とにかくもう暑いので、かき氷の話。

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