『雨降りカンパニュラ』感想
綺麗なものには毒がある。
こんにちは。
退廃美やら禁断の匂いやら背徳感が好きな春谷です。
と同時に中世~近代にかけてのヨーロッパ文化も好きです。
学生時代は由貴香織里先生の漫画やMALICE MIZER(Gackt様がヴォーカルだった時代)にハマっていました。歳がバレる……
……とまぁ、そんな話はさておき(いつか耽美について語りたい)。
花と少年少女にまつわる短編集
『雨降りカンパニュラ』
著者:椿木るり様
文学フリマ大阪11(2023年開催)で購入した小説です。
会場で、きれいな表紙イラストにそそられてブースに近寄り、
手にとった『雨降りカンパニュラ』。
冒頭カラーページと裏表紙のあらすじ『花しか食べられない病……』を拝見し、(これ絶対、私めっちゃ好きなやつやん!)と即買いでした。
『雨降りカンパニュラ』感想
本の装丁から想像・期待した以上の素敵なお話でした!
私の嗜好ゾーンをドストライクで攻められるという感動。
ゴシックファンタジー的な雰囲気の美しさもさることながら、
登場人物達の心情がしっかりと共感高く描かれていて、
感情移入して読めたのが特に良かったです。
短編集なのですが、特に表題作の『雨降りカンパニュラ』のラストは、ほろりと切ない感情が涙となってあふれそうでした(しかし電車内なので耐えました笑)。
他の3編も良くて、人間と花が融合する一見残酷な、それでいて美しく優しい世界観に引き込まれました。
それぞれ独立した短編集でありながら、最後につながるという読み応えのある一冊。四編とも読み終えてからのラストページは圧巻です。
読後感も余韻に引きずられて泣きそうになりました。
完成された世界観といい、装丁の綺麗さといい、手元に置いておきたい本です。むしろ書店で流通してほしいレベル。
おまけで付けていただいた掌編も余韻が残る結末でした。
通販もされていらっしゃるようです。『水葬』も気になっています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?