クラーナハ500年後の誘惑

クラーナハの<ヴィーナス>

クラーナハの描く女性像、ヴィーナスは、他のどの画家が描くものとも似ていない。

 ボッティチェリのほのかな恥じらいを含んだヴィーナス。

 ティツィアーノの吐息や体温すら感じ取れそうなヴィーナス。

 それらのイメージを覆すのが、クラーナハのヴィーナスだ。

  薄いヴェールを手に、緩やかなS字型を描いて立つ姿は、仏像に近侍する菩薩にも似ているかもしれない。

 上の二人、イタリア人によって描かれ

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【アートのミカタ20】クラーナハLucas Cranach der Ältere

【概要】ルネサンス期、生粋のドイツ画風

北方ルネサンスを代表するドイツ画家ルーカス・クラーナハ(クラナッハ/クラナハ)。1472-1553年

イタリア・ローマを中心としたルネサンス期(14~16世紀)に、ローマより北側の国や地域を「北方ルネサンス」と総称しています。
これは北方ルネサンスが、本場ローマのルネサンスに対抗して独自の道を歩まんと奮闘する地なのですが。

そんな場所で、クラーナハはど

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ローマ教会が思想統制で禁書目録を作成

ローマ教会が思想統制で禁書目録を作成

 今年は宗教改革の開幕を告げるルターの「95カ条の提題」が公開されてからちょうど500年。その「提題」はわずか14日ほどでドイツ全土に行き渡り、その1517年から1530年の間に、「提題」を含むルターの著作は30万部以上広まったという。

 これほど急速な普及を可能にしたのには、その70年前に始まったグーテンベルクの印刷術が大きくあずかっている。そこで黙って

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ピカソやデュシャンにも影響を与えたドイツ・ルネサンス画家〜『クラーナハ展 五〇〇年後の誘惑』

大阪・国立国際美術館で開催中の『クラーナハ展 五〇〇年後の誘惑』。
ルカス・クラーナハはドイツ・ルネサンスを代表する画家の一人です。大規模な工房をつくって絵画を速く且つ大量生産したことで知られます。さらにマルティン・ルターがドイツ語に翻訳した聖書の版画を製作するなど宗教改革にも関与しました。宗教改革は1517年に開始されましたので、今年で500年を数えることになります。

3年がかりの修復を経て来

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