ミダス王

兄と弟(テと手)

わたしの ては、
たくさんのことが できます。
なかでも、いちばん すてきなのは、
わたしの ては、ほかのひとの てを
にぎれる ということ。
ジーン・ホルゼンターラー「わたしのて」

かなしければ
抱きしめてもらおうとひらき、
うれしければ、
拍子うち、舞いおどり、
怒りは、そのいきおい、
そのとんがりのまま、とんできて、
楽しさはぜんぶ、
ちいさなその手につかんだものから
生まれてくる。
その

もっとみる

黄金に狂う

ミダス王 ―― 触れるものすべてを黄金に変える男。

ある朝起きると、ふれるものすべてが
黄金に変わることに気づきました。

王は狂喜し、城中のあらゆるものに触れては
黄金を増やしていく。
なにもかもまばゆくきらめく黄金の城。

ある日「お父さま」と走り寄ったかわいい王女を、
思わず抱きとめてしまう。

刹那、キンと乾いた音が響き、
黄金の少女像が立っていた。

黄金という欲望に狂った王と、
一瞬

もっとみる