霜月の小春のごとき日の暮れて月照る空を蝙蝠の舞ふ (蝙蝠は写せませんでした)
上州に雲の早さよ麦の秋 麦秋の風や消印無き手紙 加那屋こあ 2024.4.11
夏めくや白い土星の柄のシャツ ゆるっと男子はつなつの山手線 加那屋こあ 2024.4.20
夏めくやサックスの音まっすぐに 前髪に銀のピン留め夏来る 加那屋こあ 2024.4.18
夏の季語穴子の旨き冬はじめ 1並びたるチンアナゴの日
#202403自選十句 #俳句 #現代語俳句 #季語
海に弾丸 夏蝶を眠らせよ 死期いまだ知らさずにいて朝桜 加那屋こあ 2024.4.2
夏の季語負ひたる面で秋の壁攀ぢ登りをり蠅捕蜘蛛が 面〔つら〕 攀ぢ〔よぢ〕=よじ 蠅捕蜘蛛〔ハエトリグモ〕
校歌まだ上手く歌えず聖五月 鳥風やビッグエッグの上に人 加那屋こあ 2024.3.30
山茶花をサザン花と脳が変換す サザンは夏の季語なりと聞き
燃えている雲梯は夏てのひらは 燕来て空の青さの測り方 加那屋こあ 2024.4.19
自画像は未だ描きかけ麦の秋 麦秋の素描に柔らかき陰影 加那屋こあ 2024.4.12
死語となる暑さ寒さも彼岸まで 熱帯夜にて彼岸に入りぬ 寝苦しいので深夜コンビニへ飲み物買いに出たら、夏の季語・蜘蛛が玄関脇で構えていました。「わが家を守ってね」と心で声をかけました。
海白く暮れて夏蝶までの距離 先割スプーン光らせて聖五月 加那屋こあ 2024.3.29
春北風や富士壺白く干からびて 噛み砕く飴に磁力かはこべぐさ 加那屋こあ 2024.3.28
麦秋の朝ネクタイの結び方 夏めくや手押し井戸より水噴いて 加那屋こあ 2024.3.26