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2023大学選手権準々決勝:京都産業対早稲田を簡単な数字で見てみた

みなさんこんにちは
衝撃的な一日でしたね

今回は12/23に行われた大学選手権準々決勝、京都産業大学対早稲田大学の試合についてレビューをしていこうと思います

まずはメンバー表から

次にスタッツです

それでは順番に見ていきましょう


京都産業のアタック・ディフェンス

京都産業のアタックシステム

京産のアタックはそこまで凝ったものではなく、中央エリアのコンタクトシーンで圧倒して主戦場とし、一つ一つのコンタクトで前に出ることでラインブレイクを繰り返さなくても結果としてトライを産むことができるアタック傾向を見せていたように思います

主なシステムとしては9シェイプに3人置き10シェイプにも3人置くといったかなりシンプルな形で、時折9シェイプに立たせる人数を変えることでラック周辺に選択肢を用意しているといった雰囲気でした
9シェイプの部分で4人立たせているシーンも散見され、一番外に立つFWの選手が臨機応変に10シェイプのポッドに下がるといった形で人数調整をしていたように思います

システム的な部分での複雑さはそこまでなかったのですが、京産の良さとしては強みと狙いがキッチリと決められていて強みを全面に押し出しているところがありますね
そんな京産の強みと言えるのは「コンタクトシチュエーションの強さ」と「セットピースで前に出られる」部分にあったと思います

詳しくはキャリーの項目で述べようかと思いますが、京産のキャリーはどの選手も強烈でしたね
あえて言及されることが多いのはいわゆる「留学生選手」の強さかと思いますが、個人的には全体的に安定したキャリーを見せていたように思います
FWの選手もBKの選手も安定感がありまし

コンタクトシチュエーションでしっかり前に出ることができているために早稲田のディフェンスを少しずつ下げることができ、かつどのエリアにもキャリーの強い選手が揃っているために早稲田の選手にディフェンス面での迷いがあるように見えました
ディフェンスに入っている早稲田の選手の視線が散って必要な部分にフォーカスできていない印象を受けましたね

セットピースに言及すると、いくつかのエラーや反則を挟みながらも早稲田のFWを圧倒していました
特にスクラムの部分に関しては圧巻の一言だったように思います
もちろん3番のタモエフォラウ選手の強さもあるとは思いますが、パック一体となって早稲田のスクラムに対して強く圧力をかけており、早稲田の一工夫によって相手ボールを奪うところまでは至っていませんでしたが、自分たちのボールに関してはほぼ毎回前に押し切ってプレッシャーをかけていましたね

ラインアウトのモールに関しても強みになっており、直接トライにつながるシーンこそ少なかったですがこちらも強烈に前に出ることができていました
こういったセットピースの安定があってからこそジェネラルなアタックの部分に安定したボールを供給することができたのだと思います

キック戦略の部分でも複雑なムーブはなく、必要に応じてその時々に応じた長さのキックを蹴り込んでいました
中でも9番の土永選手が蹴る様々なキックが悉くハマっていましたね
Boxに関していうと50−22を狙ったりキャッチした早稲田の選手の着地を狙ったりと様々な戦略性を持ったキックを見せており、早稲田の選手としてもプレッシャーを感じていたと思います

もう一つ挙げておきたいポイントとしては「ラックからのパスアウトのテンポ」ですね
ラックにかける人数を見ると、早稲田に比べて確実に少ない人数で完結していたわけではなく、どちらかというと全体的にはゆったりしたテンポでアタックしていたように思います

個人的な見解になるのですが、おそらく京産側がイメージしていたのは「緩急をつけたアタック」ではないかと思います
どのフェイズにおいてもひたすらテンポを重視するのではなく、アタックスピードを変えることによって早稲田の感覚をずらしているようにも感じました
そういったテンポを実現しているのもキャリーの安定とどのエリアでも勝負できる選手の存在だと思うので、その点についていうとこだわりと強みが一致している感じもありますね

京都産業のキャリー

京産のキャリーは一貫して安定していましたね
外国出身選手の強さも際立っていましたが、個人的に気になったのはコンタクト姿勢の作り方の部分というか、「コンタクトで前に出ることに特化した体の使い方」の部分です
外国出身選手は走るだけでどうにかできる部分もあるんですけどね

姿勢作りの部分でいうといわゆる「懐」にはいられないコンタクトをしている選手が多かったように思います
他の大学でも前に出る力がある選手は一定数いるのですが、そういった選手は比較的ランニングフォームのままコンタクトに映る選手が多く、勢いを使って弾くことができれば前に出られるのですが、懐が広く空いているために姿勢的には相手を上回ることができないこともあります

一方京産の選手のコンタクトの多くが「相手のコンタクトゾーン(肩)に対して自分の最も強い部分を当てる」というところが徹底されているように見え、いわゆる「刺さるタックル」を受けるシーンはほとんどなかったのではないかと思います
特に姿勢が綺麗だったのはキャプテンの三木選手のコンタクトで、走り込む勢いを足の踏み込みから始まる相手とのコンタクトに生かし切ることができているため、煽られるようなタックルを受けることはほぼなかったように見えました

その一方で強烈だったのは外国出身選手のコンタクトですね
「外国出身選手がいるから強い」わけではないですが、少なくとも戦略面で幅を持つことができるのはこういった選手たちがコンタクトシチュエーションで相手を上回ることができているからだと思います

特に強烈だったのは5番のフナキ選手と8番のポルテレ選手です
先述したコンタクト姿勢の正しさをものともせず前に出ることができる選手で、勢いの全くない状態でのコンタクトでも相手を弾いてさらに前に走ることができるのが強かったですね
両選手がいるからこそ9シェイプの部分で確実に前に出ることが担保されており、そこから勢いをさらにつけることができるのが圧倒的な強みだったように思います

回数からキャリーを見ていきましょう
全体のキャリーは前半53回で後半58回の合計111回のキャリーとなっています
トライ効率からいうと前半の方が若干攻めあぐねていたような気もしますね
実際前半の方がハンドリングエラーが多く記録されているので、安定したアタックを継続させることができていなかった印象です

シェイプを細かく見ていくと9シェイプが30回で10シェイプが3回となっていますね
傾向的には9シェイプを多く用いているということがはっきりと見てとることができるかと思います
京産は先述したように特にFWの選手に強烈な選手が多いので妥当な判断であるようには感じられます

シェイプ外のキャリーを見ると中央エリアで19回、エッジエリアで10回のキャリーが生まれています
傾向的には少し内側でアタックしている傾向があるということができるかもしれません
試合の印象でもWTBの選手はどちらかというと15mラインの間で勝負を仕掛ける回数が多いように見え、外側のエリアはそこまで意識的には使っていなかったような印象です
実際問題として京産は中央エリアで前に出ることができるので、パスミスを防ぐためにパス回数を減らしていたのかもしれません

ピック&ゴーも随所で効果的に用いられていましたね
ゴール前でピック&ゴーを繰り返してトライに至るシーンがありましたが、京産の選手は体の使い方がうまくラックから見て2人目の選手にコミットしてキャリーすることを狙っているため、早稲田のディフェンスが大きく移動する必要が出てくるのでディフェンスが安定しなくなってしまい、結果的にラックサイドに隙が生まれていました

京都産業のパス

京産のパスは目立って複雑なムーブをしていたようには見えませんでした
シンプルなパスワークの中で強い選手にパスを回し、中央エリアを中心にコンタクトエリアを使い分けながらアタックしていた感じですね

気になった部分で言うとオフロードパスの安定感が大きかったですね
懐にタックルが入られてボールを動かすことができないシーンというものがそこまで多くなく、ある程度ボールを自由にコントロールすることができるのでボールをうまく使っていました
また、体の開き方とパス方向に関しても一貫性があるのでパスを安定して放ることができていて、無理なく放っているので味方の選手も綺麗にボールを受けることができていました
サポート選手のコースやスピードもいいのでオフロードパスを受けた選手も勢いを殺すことなく前に出ることができていましたしね

パス回数を見ていきましょう
試合全体を通じて前半65回で後半49回の合計114回のパスが生まれています
キャリー・パス比は全体ではほぼ1:1となっており、後半にかけてキャリーの比率が増加しているのがわかるかと思います
後半はピック&ゴーのチョイスが多かったので、パスを介さずにキャリーをしていた回数が多かったですね

ラックからのパスアウトとしては33回が9シェイプに、17回がバックスラインに供給されています
9シェイプへのパスはほぼ同数、バックスラインへの供給が後半にかけて減少しているので、傾向的には後半はより一層FWに重きを置いたアタックをしていたように見えましたね

バックスラインに供給されたボールは3回が10シェイプへ、20回がバックスライン上でのパスワークとなっています
傾向的には10シェイプはほとんど用いずに動かすならバックスラインの中で、といった感じでしょうか
ただエッジエリアでのキャリーがそこまでなかったことを鑑みると外まで大きく動かすシーンというのはなかったように思います

京都産業のディフェンス

京産の勝因には優れたアタックシステムというのもあったとは思いますが、それと同じくらい柱になっていたのがディフェンスでの安定感かと思います
早稲田に早稲田らしいアタックをさせなかったのはひとえに京産のディフェンスが良かったからでしょう

京産のディフェンスは最近の他のチームの動きと比べるとそこまでぐっと前に出てくることはなかったように見えます
ある程度は前に出ますが少し上がる高さが低く、横とのコネクションを保つことを優先している感じですね

ただ、要所要所の詰める判断はスピードも状況判断も的確で、早稲田のアタックに対してかなりプレッシャーをかけていたように思います
少し詰めすぎて外されることも多かったですが、その後の周囲の味方ディフェンスの集散が素早いために致命傷になることが少なく、少し前に出られてもサポートのディフェンスが余裕を持ってタックルを決めて相手を止めることができていましたね

早稲田のアタック・ディフェンス

早稲田のアタックシステム

早稲田のアタックは直近の流れでいうと10・12・15番がアタックをコントロールし、ポッドを様々な位置で作りながらグラウンドを大きく使ったアタックが特徴であるように思っています
しかし、今回の試合では京産のディフェンスによってアタックのコネクションを切られてしまい、終盤に代表される個人技の応酬によってなんとか前に出ることができていたといった感じでしたね

FWの立ち位置は基本的なものを踏襲した1−3−3−1で、先述したBKの3選手が動き回りながら間を埋めてFWを動かすといったアタックシステムを組んでいるように思います
その中で10番の久富選手がキックを含めたゲームのコントロールを司り、12番の野中選手がキャリーを含めたゲームコントロールを、15番の伊藤選手がバックフィールドを守りながら大きく自身でボールを動かすような形で担当エリアを動きながらアタックを組み立てていました

少し他に気になった点としては9シェイプの置き方が普段に比べると少し人数を多くかけていたようにも見えました
4人だったり5人だったりと、もちろん10シェイプとの連動性も含めて立っていることもあるかとは思いますが、普段はここまで固まることはないので、意識して変えていたのかなと想像しています

ただ、今回京産に苦戦した要因としては普段ならぐっと前に出られるシーンで前に出ることができなかったなどコンタクトシーンでの苦戦が結果に直結していたように思います
コンタクトエリアでの苦戦によって本来の早稲田のアタックの勢いが殺されてしまい、特にFWの選手がかなり困惑したような動きをしていたのが印象に残っています
チーム全体としても少し迷いがあるようなアタックを繰り返していたように見えました

特に苦戦していたのは2番の佐藤選手ではないでしょうか
普段の試合では9シェイプのキャリーを始めとして自身のキャリーで相手を弾きながら前に出ることができる印象が強い選手ですが、今回の試合では相手のサポートが早いこともあり思ったほどは前に出られなかったのではないかと見ています
普段は自身のキャリーで相手のディフェンスを崩すこともできるのですが、今回は京産のディフェンスが冷静に早稲田のアタックをある程度抑え切っていたので、リズムを出すまでには至っていなかった印象です

また、テンポに関しては普段の早稲田らしい速さがあったようには見ていますが、今回の試合展開に関連付けて見ると少し焦りもあったように思います
普段の試合であれば今回の試合で見せたようなテンポでアタックをすることができれば相手のポジショニングが間に合わずに自分たちが優位にアタックを進めることができるのですが、今回は京産のディフェンスの質が高いために大きく人数が余るというシーンがなく、むしろ位置が少しずつ下げられているために早稲田側のアタックのセットの方が遅れているように見えました

キックに関して見ても、普段追いかける展開をあまり経験していないからか戦略的なキックの攻防はほとんど見ることができず、少し消極的なキックが何度か起きたレベルにとどまっていたと思います
本来伊藤選手や久富選手が長短キックを蹴り分けてエリア獲得とボール獲得を果たそうとする形ですが、点差が開いた結果相手にポゼッションを渡すことになるキックを積極的に蹴ることができず、結果としてうまく崩すことのできないアタックを継続せざるを得ない状況に追い込まれていたようにも見えました

あとはスクラムでのペナルティを繰り返してしまったのも戦略的には大きな要因だったように思います
普段はどちらかというと圧倒する側のチームなので、ここまで毎スクラムでペナルティを取られることには慣れていなかったと思います
その結果としてゲーム全体の流れをうまく汲み取ることができず、立ち直ることができていなかったのかもしれません

早稲田のキャリー

先述したように早稲田は今回の試合ではコンタクトシーンで京産に圧倒されていたように思います
今回言及するのはアタックの観点からですが、攻守ともに京産の勢いに飲まれていたように見えました

大学の試合を何試合か見ている自分の観点からすると、今回のような強度は早稲田が秋シーズンで初めて経験するコンタクト強度だったように思います
対抗戦は外国出身選手がほとんどいないということもありますが、一つ一つの接点に欠けてくる熱量が関東のチームにはないものを持っていたと思うので、気持ちの面でも圧倒されたのではないでしょうか
ブレイクダウンにこそそこまでかけて来なかったですが、各タックルで受けるプレッシャーは相当なものであったことが想像できます

キャリアーとしてなんとか戦っていたのは14番の矢崎選手ですかね
1人で端から端まで持っていくようなキャリーは見られませんでしたが、ランニングのコース選択やタイミング、ボールをもらいにいくスピードには非凡なものがあり、2トライを取るにふさわしいスキルを見せつけていたように思います
体格を除けばすでに大学レベルにいるのが勿体無いくらいですね

全体的なキャリーを見ると先述したように相手に上回られており、ダブルタックルに入られる回数こそそこまで多くはなかったものの1対1のシチュエーションで優位な状況に持ち込むことができておらず、少しずつアタックラインを下げられているシーンも散見されました
オールの動かし方がシンプルになったシーンでは何度かつっかけてくるディフェンスに捕まって大きくゲインラインを下げられるシーンもありましたしね

キャリー回数を見ていくと、前半32回の後半53回という数値になっており、後半に関しては回数的に対等な土俵に立つことができていたということができるかと思います
比較的ラインブレイクも起こすことができていましたし、Defenders Beatenに関してもある程度は生み出すことができていました

ただ、相手のディフェンスを外した回数に極端に差がないのにどうしてこのような結果になったかというと、一度相手ディフェンスを上回っても相手のディフェンスのサポートの方が早く、早急なチャンスには繋げることができないシーンが多かったからだと考えています
京産のディフェンスは集散のクオリティが非常に高く、ラインメイクのミスも少ないためにどこかで前に出られても素早く立て直すことができるため、早稲田が普段通りのアタックをしているうちは十二分に対応し切ることができていたように見えました

回数を細かく見ていくと、シェイプを用いたキャリーは9シェイプが24回、10シェイプが11回と京産に比べるとバランスよく用いていたと思います
FWのポッドがボールを持ったエリアも様々な位置だったため、アタックを散らすという点ではうまくいっていたように見えます

しかし、今回の試合ではポッドを用いたアタックからチャンスメイクをするシーンが少なく、ポッドでのキャリーで前に出ることができずにモーメンタムが作り出せないというシーンが何度か見られていました
6番の安恒選手や8番の松沼選手など優れたキャリアーもいたのですが、どちらかというとフリーなポジションでもらった時の方が前に出ることができていたような印象で、システム的に有効なアタックをすることをすることができたかどうかというのは難しいところだと思います

シェイプ外のキャリー回数は中央エリアが14回、エッジエリアが13回となっています
こちらも回数的な傾向としては普段通りといったところでしょうか
エッジエリアの方が勝負できていた印象があるので、もう少し外がかりなアタックをしても面白かったかもしれませんね

早稲田のパス

パスに関して見ていくと良くも悪くも普段通りの早稲田のアタックだったように思います
複数のSO役の選手がFWの間に入りながら大きく選手を動かし、ボールを散らしながら前進を図る攻撃的なスタイルですね

パス回数は前半57回・後半85回と、回数だけを見ると京産に比べて大きくボールを動かしていることがわかります
キャリー・パス比も3:5と普段と比較的近い傾向を示しており、アタックのシステムは普段通りの傾向を示しているように見えますね

では普段の試合と何が違ったかというと、パス回数の観点に絞っていうと「バックドアへの下げるパスが普段よりも少ない」ということが挙げられるかと思います
早稲田は2番の佐藤選手を筆頭に器用にボールを動かすことができる選手も揃っているためにゲームを取りまとめるSO役の選手へのボール供給が多く、そこで相手のプレッシャーを和らげながら大きくボールを動かすといった形が多いチームであると捉えています

しかし、今回の試合では前後半合わせても下げるようなパスは5回にとどまっっており、普段と比べるとフロントラインとバックランの連動性は保たれていなかったことが予想できます
たまたま状況判断の繰り返しの中で回数が減ったのか、試合を通じた意思決定の中で回数を減らそうということになったのかはわかりませんが、この「表裏を活用したアタック」をうまく活用できなかったのは少し痛かったかもしれません

一応BKの選手とFWの選手が同時に絡むアタックのムーブはあったのですが、どちらかというとポッド間をBKの選手が繋ぐ形というよりかはBKの選手が主体となってその周囲をFWの選手が取り囲むようなアタックをすることが多く、普段のイメージとは少し異なる形となっていたようにも感じました

ラックからのボールは27回が9シェイプへ、30回がバックスラインへと供給されています
一般的なチームに比べるとバックスラインへの供給が多いですが、この辺りは普段通りと言って差し支えはないかと思います
そもそもSO役を果たすことのできる選手も多いので、一人一人のボールタッチは少なくても大きく動かすことのできるフェイズは多いですしね

バックスラインへ渡ったボールは11回が10シェイプへ、40回がバックスライン上でのパスワークとなっています
パス全体の回数と比すると少しバックスライン上でのパスワークが増えているでしょうか
後半にかけてのパスの増加に合わせてバックスライン上でのパスワークも増えているので、おそらくは意識的にさらにボールを散らそうとしていたのかと思います

早稲田のディフェンス

明治の時にもある種露呈していたということができるかと思いますが、早稲田の今シーズンの難点はディフェンス面で相手を抑え切ることができない点にあると思います
下位チーム相手には圧倒することのできるディフェンス力ですが、例えるなら筑波大学レベルの相手になると一気に失点が増え、得点力でなんとか上回って勝利を収めるという試合が今シーズンも何度か見られています

それに合わせて京産のコンタクトレベルは対抗戦では体験することのない勢いだったと思うので、京産の勢いと体の強さに押し切られた形になったのかと思います
重戦車で鳴らしている明治大学も似たようなコンタクトをしてくるようにも思いますが、例えるなら明治ははどちらかというと徐々にフェイズを重ねるごとに徐々にギアがかかってくるような「モーメンタム優位」のアタックで、京産は最初からフルスロットルの「コンタクト優位」のアタックをしているということができるように感じました

京産の選手はコンタクトの強さと体の使い方のうまさを兼ね備えているためにボールをどんどん繋げられ、さらにどのエリアにもグッと前に出ることができるランナーがいることからディフェンスの集中力も少しきれてしまっていたように見えました

もちろん京産が意図的にアタックのテンポを落としている時もあったのですが、そのフェイズでは楔のように外国出身選手が砕氷船のようにディフェンスラインを打ち砕いて前に進んでいたので、どのフェイズ・エリアでもディフェンスに強いプレッシャーがかかっていたのではないかと想像します

まとめ

京産としては昨年度準決勝で敗れた早稲田相手にこのスコアで勝利を収めることができたのは何にもまさる喜びではないかと思います
今年はあまり関西の試合を見ることができていなかったのですが、関西ラグビーのレベルが一段と上がっていること示した一戦だったのでは無いかと思います

今回は以上になります
それではまた!


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