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歌詞をなぞって初めて、歌を聴いていたことに気付いた。はっとして見渡す。高いところから、鎮魂歌が聞こえる。誰に?周りには誰もいない。ここにいるのは、私だけだ。 すぐさま駆け出す。歌に寄せられる魂を引きずった。早く、外へ。 歌が止んだ。足が止まる。白が波打つ黒い翼が、私の目を覆った。

8年前

「そなたの望みは一体何だ?」 彼の羽ばたきに音はない。聴こえるのはその声だけ。 紅月に溶け込んだ、マゼンダの瞳が笑った。 約束は果たされた。約束は果たされた。王を殺せ。王を殺せ。 弱き者よ、そなたに王を殺す勇気はあるか?ないなら私が誘おう。さぁ踊れ、さぁ唄え、鳥の王を殺せ。

8年前

森の奥から今夜戻ったのは俺だけか? 霧が深く、方角もわからず、もう歩けないと思ったその時だ。青く輝く瞳をしたトリビトが現れ、懐かしい故郷の歌をうたうのが聴こえた。いつの間にか、侵すべからざる領域に踏み込んでいたんだ。…ライト落とした。

紫の怪しげな月が木々の隙間から顔を出す。 ばさりという音と同時に 一枚の羽が目の前にふわりと降ってきた。 ショウジョウトキか。 ふと後ろを向くと 紫の妖光の瞳がこちらを見ていた。 「あなたの存在を識る人は何人いるの?」 そう歌を聞くと ふとその瞳とそこにあった道が消えていった。

月明かりの下で 一人の少年が歩いている 「あなたの声を聞かせてよ」 少年は驚きこけてしまう 「認識というものがあってこそ、人は人たり得るのだよ。だから声を聞かせてよ」 少年は怯え声が出ない 「認識がないのなら、あなたはなにも存在しない」 逃げ出した少年には帰るべき道はなかった

夜の森がこんなに怖いなんて知らなかった。怖くて怖くて声を殺して泣いた。「迷子か?」木の上で琥珀色の瞳が輝いた。「だあれ?」「森の賢者」「けんじゃ?」「子供は嫌いじゃ」「きらいじゃ?」「…早く出て行け」優しい歌声。草藪が道になり、お母さんの声が聞こえた。

8年前

夜の猛禽は森に踏み入る者を確実に仕留める。それゆえ彼は人をよく視た。人も忘れた歌を歌い、時にはそれで森を守った。その彼の瞳から妖しげな紫光が消えかかっている。門番の死はすぐ喧伝され、森中が騒然となるだろう。死を告げる鳥は、自らの死に寄り添って静かに息絶えた。穏やかな表情を残して。

影に染まった木々が星を握り潰そうと頭上に手を伸ばしている。深い闇と獣の気配に声を殺して泣いた。「迷子か?」木の上で琥珀色の瞳が輝く。「だあれ?」「森の賢者」「けんじゃ?」「だから子供は嫌いじゃ」「きらいじゃ?」「…早く出て行け」優しい歌声。草藪が道になり、お母さんの声が聞こえた。

8年前

約束は果たされた。約束は果たされた。王を殺せ。王を殺せ。 弱き者よ、汝に王を殺す勇気があるか?ないなら私が誘おう。さぁ踊れ、さぁ唄え、鳥の王を殺せ。 …そう、約束は果たされた。今度は私が果たす番。しかし…。本当の弱き者は私。 マゼンダの瞳が歪に笑い、彼女は音もなく飛び去った。

8年前

【れとろ】 マゼンタの妖光を纏う瞳を持つ、コノハズクの翼のトリビト。「果たされた約束の歌」を歌い、人を狂気に誘う。鳥の王を狙う者のそばに寄ってくることがある。 https://shindanmaker.com/603912

8年前

【鹿水】 紫の妖光を纏う瞳を持つ、ショウジョウトキの翼のトリビト。「忘れられた人間の歌」を歌い、帰り道をわからなくさせてしまう。月夜の晩に姿を見せることが多い。 https://shindanmaker.com/603912

【みそら】 琥珀色に輝く瞳を持つ、コノハズクの翼のトリビト。「待ち人の歌」を歌い、帰り道を示す。森に入ってしまった子供に近寄ってくることがある。 https://shindanmaker.com/603912

8年前

【しるてっく】 青く輝く瞳を持つ、コクチョウの翼のトリビト。「なつかしい故郷の歌」を歌い、森へ入ったものに警告をする。霧がでた際に姿を見せることが多い。 https://shindanmaker.com/603912

【あきら】 青く輝く瞳を持つ、ベニマシコの翼のトリビト。「誰かへの鎮魂の歌」を歌い、人を道に迷わせる。森から出ようとしている者のそばに寄ってくることがある。 https://shindanmaker.com/603912

8年前

【くさなぎ】 紫の妖光を纏う瞳を持つ、ワシミミズクの翼のトリビト。「忘れられた人間の歌」を歌い、帰り道をわからなくさせてしまう。死が迫っている者のそばに寄ってくることがある。 https://shindanmaker.com/603912