早瀬野卑

詩、俳句、短歌、エッセイに挑戦したい。小説はその先。書きたい小説のタイトルは"…

早瀬野卑

詩、俳句、短歌、エッセイに挑戦したい。小説はその先。書きたい小説のタイトルは"原初の夏へ還る旅"と決まっているのだが…

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  • 暁に還る

    全地表を覆う核爆発による現代文明崩壊後の一記録。

  • レット・イット・ビー讃歌

    人生でこれ程ビートルズを聴き続けた日々は無かった。

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長い長い待ち時間が人生だった

私たちは輸送機から強襲降下したエアボーンのようにあらかじめ地図上で決めていた作戦ポイントに入ったに過ぎないこんなに荒涼とした空が落ちてくるような大量死と無自覚殺…

早瀬野卑
2年前
97

族長の時代 5. 〜族長としての村上春樹〜

世界50カ国以上で翻訳されて、読者の青春の頃から老年に至るまで、魅了し続ける作品〜文芸とはいったい何なのだろうか。かく言う私もまた『風の歌を聴け』以来、秘匿未読し…

早瀬野卑
8時間前
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何しよか生きながらえて空きボトル ■KeithJarrett、“DannyBoy”を聞きながら。

早瀬野卑
20時間前
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族長の時代 4. 〜元大統領ヘの敬礼〜

前回に続き、恵比寿ガーデンプレイスタワーの対テロ警備の時の忘れ得ぬ出来事。約100名の臨時警備隊の面々は、自衛官OBあり、施設警備ベテランあり、私のようなアルバイト…

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1日前
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ロウソクを吹き消すごとく灯り消す ■KeithJarrett、ViennaConcertを聞きながら。

早瀬野卑
1日前
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族長の時代 3. 〜俳句と言霊〜

あれば2002年から2003年のこととはっきり記憶している。なぜなら2001年の9.11ニューヨーク同時多発テロのあとだったからだ。1995年から、単なる営業マン人生から離れて独自…

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2日前
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夜の海よ連れてってくれ白い朝へ ■KeithJarrett、“DannyBoy”を聞きながら。

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2日前
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春侯爵詩片

打ち寄せる 5月の大風が 山々に白波を 巻き起こし 葉音を どよめかせる時 我ら 墓地掃除から 顔をあげて 何ものかの 歓喜を知る 言葉なき 心 直接 胸に 伝わりて 天使の…

早瀬野卑
3日前
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族長の時代 2. 〜星神としての“昴”〜

岡山県立図書館に集まる知的群衆の中でしばらくnoteしたあと、表町商店街の猫のいる喫茶店に場所を移してまたnoteを始める。時代霊、民族霊が地霊にも会って来いとでも言っ…

早瀬野卑
3日前
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闇い夜 言葉の灯りを 照らし合う ■画像はヤフー、黒画像より。 ■闇い(くらい)。暗い、昏い、冥い、いろんな暗いがあるみたい。

早瀬野卑
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族長の時代 1. 〜群衆の中の神々〜

何百万人という群衆を動員し、共鳴させ、時代霊や世代の象徴を生理的に群衆の深層心理に立ち上がらせる音楽とそのミュージシャンは、もはや魔術的な神霊力を与えられた族長…

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照らしても 何も見えない そのさきを ■画像はヤフー、黒画像より。 ■KeithJarrett、Part Ⅺを聞きながら。

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アンモナイトの耳 5.

かのEnigmaの“Return To Innocence”はこの四半世紀、おりにふれて聴いている曲の一つだ。私はアンモナイト工作員なので詳細なことはわからない。解説はウイキペディアに…

早瀬野卑
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ただ一人 その山の前に 立っている 幼い頃に 足を踏み入れて 仲間たちと 峰に登り 谷に降り 何かを 無言のうちに 語りかけられた ただ一人 その川べりに 立っている 幼…

早瀬野卑
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火球降る夜に 迷路を爆破する ■画像はヤフー、黒画像より。 ■KeithJarrett、“Part Ⅺ”を聞きながら。

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アンモナイトの耳 4.

エディット・ピアフの『愛の賛歌』を聞いている。あのバイオリンの弦の震えのような歌唱法は、まさに時空を越えて、民族魂をも凌駕してすべての人間に愛を喚起している。 …

早瀬野卑
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長い長い待ち時間が人生だった

長い長い待ち時間が人生だった

私たちは輸送機から強襲降下したエアボーンのようにあらかじめ地図上で決めていた作戦ポイントに入ったに過ぎないこんなに荒涼とした空が落ちてくるような大量死と無自覚殺人の時代に生き合わせるなんてでも自分たちで選んだ運命なんだでもあちらの空母で仲間たちとそういう場所で戦うと、つらい日々になると話し合った想定内の事長い長い待ち時間が人生だったこれから展開していく状勢はすでにむこうの基地で仲間たちと何度も何度

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族長の時代 5. 〜族長としての村上春樹〜

族長の時代 5. 〜族長としての村上春樹〜

世界50カ国以上で翻訳されて、読者の青春の頃から老年に至るまで、魅了し続ける作品〜文芸とはいったい何なのだろうか。かく言う私もまた『風の歌を聴け』以来、秘匿未読している『街とその不確かな壁』までその不確かな魅惑は色褪せることがない。私の族長の定義からすれば、村上春樹こそは京都伏見が生んだ日本民族の世界的版図を誇る空前絶後の偉大なる族長である。
彼の2009年、イスラエル賞受賞時のかの“壁と卵”のス

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俳句ライター

俳句ライター

何しよか生きながらえて空きボトル

■KeithJarrett、“DannyBoy”を聞きながら。

族長の時代 4.  〜元大統領ヘの敬礼〜

族長の時代 4. 〜元大統領ヘの敬礼〜

前回に続き、恵比寿ガーデンプレイスタワーの対テロ警備の時の忘れ得ぬ出来事。約100名の臨時警備隊の面々は、自衛官OBあり、施設警備ベテランあり、私のようなアルバイト感覚あり、在日の人ありだったが、時節がら応募された方々の士気は非常に高かった。とくに印象に残っているのは、立川あたりから来られたしっかり韓国名の在日の方だった。待機時間にも黙々と腕立て伏せを続け、寡黙だが暖かい笑みを絶やさない人格者の人

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ロウソクを吹き消すごとく灯り消す

■KeithJarrett、ViennaConcertを聞きながら。

族長の時代 3.  〜俳句と言霊〜

族長の時代 3. 〜俳句と言霊〜

あれば2002年から2003年のこととはっきり記憶している。なぜなら2001年の9.11ニューヨーク同時多発テロのあとだったからだ。1995年から、単なる営業マン人生から離れて独自の農業活動を開始、その活動費を捻出する為に様々なアルバイト生活を始めていた。演劇や芸術を追求する為に空いた時間をすべてアルバイトに費やすのと同じ感覚だった。当時から施設を警備する仕事の経験を重ねてそれなりに落ち着いた日々

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俳句ライター

俳句ライター

夜の海よ連れてってくれ白い朝へ

■KeithJarrett、“DannyBoy”を聞きながら。

春侯爵詩片

春侯爵詩片

打ち寄せる
5月の大風が
山々に白波を
巻き起こし
葉音を
どよめかせる時

我ら
墓地掃除から
顔をあげて
何ものかの
歓喜を知る

言葉なき

直接
胸に
伝わりて

天使のごとき
先祖らの
愛を
我ら
確かに
うけとめて

風になる覚悟
教えられけり

■KeithJarrett、“DannyBoy”を聞きながら。
■画像はヤフー、山の木漏れ日画像より。

族長の時代 2.  〜星神としての“昴”〜

族長の時代 2. 〜星神としての“昴”〜

岡山県立図書館に集まる知的群衆の中でしばらくnoteしたあと、表町商店街の猫のいる喫茶店に場所を移してまたnoteを始める。時代霊、民族霊が地霊にも会って来いとでも言ったか。
何百万人〜何億人という神々の廟である群衆の心臓に、宿命にあらがうことこそ、生きている波たる人間の本分だと、人種や恩讐を越えて焼印を押した曲の一つが間違いなく“昴”だと思う。昔、東京で雑誌広告の営業に人生を費やしていた頃、月に

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闇い夜

言葉の灯りを

照らし合う

■画像はヤフー、黒画像より。
■闇い(くらい)。暗い、昏い、冥い、いろんな暗いがあるみたい。

族長の時代 1.  〜群衆の中の神々〜

族長の時代 1. 〜群衆の中の神々〜

何百万人という群衆を動員し、共鳴させ、時代霊や世代の象徴を生理的に群衆の深層心理に立ち上がらせる音楽とそのミュージシャンは、もはや魔術的な神霊力を与えられた族長である。おそらくそのコンサートや野外フェスで同期した何十万人は、あとからSNSやネットで押し寄せる数百万人〜数億人と、民族魂と時代魂を融合させることができる。人類意識、ユングの言う普遍的無意識にぽっかり穴があき、吸い込まれるような青空が覗い

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俳句ライター

俳句ライター

照らしても

何も見えない

そのさきを

■画像はヤフー、黒画像より。
■KeithJarrett、Part Ⅺを聞きながら。

アンモナイトの耳 5.

アンモナイトの耳 5.

かのEnigmaの“Return To Innocence”はこの四半世紀、おりにふれて聴いている曲の一つだ。私はアンモナイト工作員なので詳細なことはわからない。解説はウイキペディアに任せるとして、私の感性の反響のみを言語化してみる。なんてやっていると、ウイキペディアの精霊が、お前それはないだろう、フォロワーの方々にお前の妄想だけを読ませるのか、と突き上げてきたので、ウイキすると、
エニグマは19

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春侯爵詩片

春侯爵詩片

ただ一人
その山の前に
立っている

幼い頃に
足を踏み入れて
仲間たちと
峰に登り
谷に降り

何かを
無言のうちに
語りかけられた

ただ一人
その川べりに
立っている

幼い頃に
足を踏み入れて
仲間たちと
魚を捕まえ
ザリガニを掴み

何かを
無言のうちに
与えられた

しかし
もう
誰も
いない

山に登る者も
川の流れに入る者も
絶え果てた

私の中に
何か
残っているのか

ただ一人

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俳句ライター

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火球降る夜に

迷路を爆破する

■画像はヤフー、黒画像より。
■KeithJarrett、“Part Ⅺ”を聞きながら。

アンモナイトの耳 4.

アンモナイトの耳 4.

エディット・ピアフの『愛の賛歌』を聞いている。あのバイオリンの弦の震えのような歌唱法は、まさに時空を越えて、民族魂をも凌駕してすべての人間に愛を喚起している。
私の文学始めはヘルマン・ヘッセの『郷愁』だった。F.G.ロルカ、リルケ、ハイネ、アルチュール・ランボーなど偏りはあるが、何故かヨーロッパは私の感性に暗く深い影を落としている。なぜだろうか。
1980年代には心霊ブームもあり、守護霊とか指導霊

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