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レット・イット・ビー讃歌

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人生でこれ程ビートルズを聴き続けた日々は無かった。
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レット・イット・ビー讃歌1.              〈ふいにもどって来た青春〉

レット・イット・ビー讃歌1.              〈ふいにもどって来た青春〉

朝日の中で山の木々がざわめいていたあの風に吹かれたかああ、俺も少しは吹かれたよあの川は良かったな ああ、いつもあそこから始まったなちょうどいいくらいの春だったなああ、悲しくもなく嬉しくもなく晴れだけでなく曇りだけでなくあの道をもう一度ゆくかそうだな皆んな集まってるもう一度あの道をゆこう毎日毎朝風の道が立ち騒ぐ

レット・イット・ビー讃歌2.              〈でも一日は過ぎ去ったんだね〉

レット・イット・ビー讃歌2.              〈でも一日は過ぎ去ったんだね〉

一日が過ぎ去り黒い雲と山々の間を茜色が染めても何もおこらなかった誰も来なかったどこにも行かなかったでも一日は過ぎ去ったんだねあなたの中でも私の中でもそう出会えなかっただけなんだきっとそれでも僕らはどこかに向かってる風の中 夜を徹してそれをお互いに感じていようよいつか夢で出会えるさ

レット・イット・ビー讃歌3.              〈立ち上がれ歩き始めよ〉

レット・イット・ビー讃歌3.              〈立ち上がれ歩き始めよ〉

聞こえるか一人一人の人々の多くの無数の人々が歩き出す音が立ち上がれ歩き始めよ聞こえるか一人一人の人々の多くの無数の人々のため息 吐息 嘆き 笑い 歌声がさあ笑おう さあ話そう さあ歌おう立ち上がれ歩き始めよ風のように歩み雲のように考え太陽のように照らそうこの道 この仲間 この時間 この運命

レット・イット・ビー讃歌4.              〈私達はスプーンだった〉

レット・イット・ビー讃歌4.              〈私達はスプーンだった〉

私達は何をなしたのだろうかではなく私達は何をなさなかったのだろうか私達は何を知っていたのだろうかではなく私達は何を知らなかったのだろうか私達はスプーンだった私達は眼鏡だった私達は味わうこともなく見ることもなかった私達は行為ではなく心しなければならなかった私達は経験ではなく味あわなければならなかったもう夜が来た眠りが来るもう遅すぎるもう終わりだでもまた朝が来るでもまた目が覚める

レット・イット・ビー讃歌5.               〈いきなりエンジンふかすように〉

レット・イット・ビー讃歌5.               〈いきなりエンジンふかすように〉

てっぺんから音楽が降ってくる頭の先から滝のように身体つらぬくどこへ向かうのかこの船はこの道はそんなのはどうでもいいんだお前がそこで夢想するだけでいいいきなりエンジンふかすように血流が増し心臓が震える頭のてっぺんからしびれてゆく街へゆこう交差点で見渡そう誰かが誰かを見つけるさたとえ今 石ころみたいな時間でもお前がサイコロ振ればいい夢想しサイコロ振ればいい

レット・イット・ビー讃歌6.              〈私達は隊列〉

レット・イット・ビー讃歌6.              〈私達は隊列〉

お疲れ様打たれ続ける日々をただなすすべもなく歩き立ちつくすお疲れ様心を潰される日々をただ耐えながら生き生き続ける後ろを見ろ振り返れ私達は隊列私達は進んでゆく誰の為に仲間の為に家族の為に子孫の為に前進せよ助け起こし助け起こされよ道だけがあるあり続ける夜を徹してミッドナイトラン

レット・イット・ビー讃歌7.              〈なぜって 永遠の曲だから〉

レット・イット・ビー讃歌7.              〈なぜって 永遠の曲だから〉

毎朝毎朝同じ曲を聞いてあつまろうじゃないかなぜって永遠の曲だから

毎夕毎夕同じ曲を聞いていっぱいやろうじゃないかなぜっていのちそのものの曲だから

さあ繰り出そう歌えステップ踏もう俺達のパントマイムなぜってずっと先まで聞こえ続ける曲だから

レット・イット・ビー讃歌9.              〈絆はレット・イット・ビー〉

レット・イット・ビー讃歌9.              〈絆はレット・イット・ビー〉

音立てて夕闇の中無人の列車が走りゆく運転手の心を思うどこまで行っても大きな街でも村の駅でも人々は乗ってこない更地で乳母車おす若い父親がいる小さな手を引く彼の心を思うこの先どうなる家立ててもこの子はやっていけるのか皿から料理がすべり落ちてゆくように多くの人々が人生の舞台からすべり落ちる今は想うしかない百年前を今は歌うしかない生ききるという決意今は見えない隊列を組むしかない絆はレット・イット・ビー

レット・イット・ビー讃歌9.5            〈この曲に託す〉

レット・イット・ビー讃歌9.5            〈この曲に託す〉

今また言おうこれから街に出てゆくこれから荒野に出てゆく君たちの肩には私達の希望もかかっていることを

今朝また言おうこれから関係性の海に漕ぎ出るこれからグローバルを駆使する君たちの指先には私達の情熱もかかっていることを

今は絶滅の時 集大成の日々君たちの後ろには私達がいることを知らせたくてこの曲に託すレット・イット・ビー

レット・イット・ビー讃歌8.              〈私達は振り子になる〉

レット・イット・ビー讃歌8. 〈私達は振り子になる〉

青春ははるかに飛び去ってしまったが私達は巻き戻されるあの頃のみずみずしさに生きることを一通り巡り繰り返し繰り返し巻き戻される リワインディング貨物列車がからの貨車を引き続け青ぞらに鳶が漂うように この歌の力で

思い出も朧に時が過ぎてゆく私達は振り子になる何もかもが酔っ払う自分のからくりが白日にさらされ意味も無く感情もすり減り呑み込まれてゆく リワインディング早送りの太陽が雲引き連れて飛び去り

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レット・イット・ビー讃歌9.6            〈負け続けの人生もこの曲の祝福に値する〉

レット・イット・ビー讃歌9.6            〈負け続けの人生もこの曲の祝福に値する〉

私達は世界飛行士これから心臓手術受ける少年が笑ってすべてをゆだねるように我が子に毒を飲ませてしまった両親が真っ逆さまの落下にすべてをゆだねるように私達には賭けることしかできない一か八かAll or Nothing怯むな立ち向かえ負け続けの人生もこの曲の祝福に値する勇気と挑戦こそが私達には託されているこの曲の霊感に値するジャンヌ・ダルクとコルベ神父に乾杯

レット・イット・ビー讃歌9.8            〈荒野をゆく力、荒海をゆく技術〉

レット・イット・ビー讃歌9.8 〈荒野をゆく力、荒海をゆく技術〉

風のない時は風を待とう運のない時は情熱を持とうこの曲を聴きながら

荒野をゆく力荒海をゆく技術潰された時力使い尽くした時四の五の言わずに充電しようこの曲を聴きながら

今が舞台の中央なのさ皆が見ている次の賭け風きってゆこうレット・イット・ビー

レット・イット・ビー讃歌9.9            〈ジャンパーを着た太陽のように〉

レット・イット・ビー讃歌9.9            〈ジャンパーを着た太陽のように〉

心を仰向けにして平べったくいこうどうでもいいことならどうでもいいのさ目を斜めにして気持ちを立て直そう誰にも見られずチェッといい振り返ってニッとしようジャンパーを着た太陽のように

レット・イット・ビー讃歌10.              〈運命の女神もつまずき逃げる〉

レット・イット・ビー讃歌10. 〈運命の女神もつまずき逃げる〉

大言壮語に山師のような夢それだけに青春を費やしたよ詐欺師にペテン師の仲間と大博打運命の女神もつまずき逃げる人生博打今 生まれた家で空を眺めてるでもまだなにか終わってないんだ続きそうだよあの世まで勇気も覚悟もいらない仲間だけでいいんだよバッターボックスでしゃにむに振り抜くことが大切なんだ人生時刻 正午すぎ