記事一覧
[連載小説]episode.2 Intimacy and Integrity
矛盾しているようだが、予感していたけれど予想外、というのが一番しっくりくる説明のような気がした。
川瀬さんと会った時、リコはいずれこうなるだろうと思っていた。この人なら、リコをわかってくれると思った。リコもまた、この人を理解できると思った。
考えとか意見とか、理屈じゃなくてもっとーすっと流れ込んでくるみたいに、もっと深いところで共鳴するみたいに、つながれる気がしたのだ。
そしてそれはきっと心
[連載小説] episode.1 Is there love in the air? はじめての夜
白熱球のあたたかな灯りと、大理石の床。リコはエレベーターのボタンを押し、ゆっくり深呼吸をした。
川瀬さんが指定したホテルは、地下のエレベーターから直接客室フロアに行けるようになっていて、今のリコにはちょうどよかった。こういう時に人の多いロビーを抜けて、フロントの前を通っていくのは余計に緊張するのだ。妙にかしこまった感じで出迎えられるのも落ちつかない。
エレベーターに乗り込むと、リコはもう一度深