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社会課題へ向き合う2023年9月の読書9冊~ジェンダー、イクメン、高校野球...~

2023年9月の読書は9冊
奇しくも男性育児、ジェンダー、高校野球、高齢者問題など、重要な社会課題に向き合うような書籍が多かったように思う。
今回は9冊と多いので、それぞれ、できるだけ端的にコメントする。


①ポストイクメンの男性育児-妊娠初期から始まる育業のススメ(平野翔大)

アーニャに特に意味はない

男性の育休取得率が17%を超えたが、(会社に休めと言われて)「とにかく休んでいる」実態も見え隠れする。育休はゴールではなく、ライフプラン全体を見据えた準備期間でなければならない。
そして育休推進の裏ですすむ「男性の孤立化と産後うつリスク」。
制度はあっても支援が圧倒的に不足、産婦人科医および産業医として妊娠・出産・育児の現場を見てきた男性筆者が提言する。
「イクメン」などという男性育児を特別視する言葉が存在すること自体が、既にジェンダー差別なのだ。

②マーケット感覚を身に着けよう(ちきりん)

ジャンボチョコモナカは美味い

“社会派ブロガー”として人気の、ちきりんが説く「マーケット感覚」とは「手法」ではなく「市場」に目を向けて自分(商品)の価値を提供するセンスを磨き変化し続けること。
長年、市場ではなく組織に自分の価値を売ってきたのではないかと思うと耳が痛い。
変化は恐れるものではなく楽しむもの、安住するおじさんよりも変化するおじさんを次世代を担う若い人に見てもらうことが大切なのだ(と自分に言い聞かせる)。


③熟達論(為末大)

アサイーボウルとともに

現役時代「走る哲学者」と呼ばれた筆者が、様々なジャンルの達人と対話を重ね到達した境地が語られる。
「何言ってんだこの人?」と、思わなくもないこともないこともないが笑、世界の頂点で戦った人だからこそ凡人には及ばない世界が広がるのか。
そもそも「理解する」「習得する」とはどういうことなのか。
熟達は特別なものではなくすべての人に開かれているとのこと、「凡人なりの熟達」を目指し「空」の境地に到達したい

④戦場から女優へ(サヘル・ローズ)

スイカフラペチーノなう

イランの紛争地域で瀕死の淵から生還した少女は自分の名前すら知らなかった。そんな少女は「元気で前向きなサヘル」「過去につらい経験をしたネガティブなサヘル」の両面を持って生きてきた。
血のつながらない母からの献身の愛を受けて育った少女は、自分の「生きてきた(生かされた)理由」を悟り「ほんとうの自分」を見せることができるようになり夢に向かって突き進む
本物の「苦労(を乗り越えた物語)」がここにある。
「苦労」という言葉を安易に使ってきた自分が恥ずかしい。
全米....いや、おじさんは泣いた。


⑤LEAN IN 女性、仕事、リーダーへの意欲(シェリル・サンドバーグ/村井章子 訳)

本の紹介は不要の世界的ベストセラー本書が出版されて10年、ジェンダー・バイアスやパートナーシップの問題について、果たして何が変わったのかそんな視点で読むとき、提起される課題の重さが一層重くのしかかる。

🔹Lean Inの概念
・女性が自信を持って自分の価値を認識し、進んでリーダーシップの機会を 
 追求する ⇔ リーダーシップのポジションに関する女性の自信不足や社会
 的な圧力内部の障害
・女性が自分自身に対して感じる内部的な障害や自己制約=自己評価の低さ
 や成功への恐れが女性のキャリア進展を阻む要因となる可能性外部の障害
・女性が職場で直面する外部的な障害やバイアス 男性優越のステレオタイ
 プ、女性がリーダーシップのポジションに向いていないという偏見+ダブ
 ルスタンダード(女性も女性への偏見)
 パートナーシップと家庭・支援的なパートナーシップと適切な家庭環境、
 役割分担キャリアと家庭のバランスの難しさ
柔軟な労働環境や育児支援女性が自信を持ち、チャンスを追求し、ジェン
 ダー平等を促進するために自らの行動と意識を変える(内なる障壁の打破)

本書要旨まとめ


⑥真夏の甲子園はいらない 問題だらけの高校野球(玉木正之/小林信也)

それにしてもジャンボチョコモナカは美味い

酷暑の中で連戦・連投し、汗と涙にまみれ努力と根性で頑張る球児たちに感動してきた。
でもそれはグローバル視点では“クレイジー”でしかない世界観。
大人がエンタメとして楽しむのではなく、部活動としてのあるべき姿を議論したい。
35度を超える炎天下の中で野球をする(しかも連戦あり)なんて、誰もが「おかしい」と思っているはず、甲子園神話に負けず声を上げねばならない。
大人が。


⑦人生がときめく 片づけの魔法(近藤麻理恵)

こんまりが説く“片づけの魔法”は単に“モノ”を整理するだけではなく人生を劇的に変える道しるべなのである。
自分自身を整理し、人と付き合う時間を増やすことでワクワク人生を歩む“片付けパパ”こと大村信夫氏が語ることと本質は同じ

▼以前の投稿より(大村信夫氏について)

▼大村氏サイト

昨年、自分自身も過去と決別・整理し自分にとって大切なことを考え続けてきたつもりであるが、まだまだ“片づけ”が足りないようだ。

⑧ハヤブサ消防団(池井戸潤)

フィッシュバーガーなう

物語の舞台になっとるU県S郡では、のっけから著者の出身地、岐阜県(美濃地方)の方言がようけ話されとるで、でぇれえ懐かしかったわ。
出てきんさる登場人物は誰もが怪しいもんまるけ、田舎独特の地縁・血縁が重なり合っとって、おそがい。
ほんじゃあ連続放火事件の謎解きの旅へ、一緒にいこまい。
一気に読めたけど、474ページもあるもんで、さすがにえらいでかんわ
テレビドラマはちょっとも見とらん。
誰出とんさった?

はい、岐阜県(岐阜市)出身なもんで、あしからず。

社会課題と直接関係ないように感じるかもしれないが「地方の地縁」「新興宗教」といった問題がしっかり盛り込まれていることを付しておきたい。


⑨70歳からの人生相談(毒蝮三太夫)

スタバなう

科学特捜隊(ウルトラマン)のアラシ隊員も87歳、立派な?老人。
健康・お金や子どものこと、歳を重ねてからの悩みを、より良く生きる手段に変換し、同じ高齢者に元気とエールを送る。
今や10人に1人が80歳以上の日本、愛ある毒舌のマムシさんのような人が今こそ必要。
そう、お年寄りだって、悩んでいるのだ。でも、、、

ジジイもババアも悩んでる場合じゃないぞ、人生はこれからだ!
(毒蝮三太夫)


私の個人的な読書投稿を最後まで読んでいただき、感謝です。
今月は購入(電子書籍)が3冊、図書館で借りたものが5冊、友人から借りた本が1冊でした。
これで1~9月トータルで、「71冊」になりました。
数多ければいい、という話ではありませんが、多く読めば読むほど、新たな気づきや刺激をもらえることを実感します。
また、今は老犬介護で外出には制限があるため、読書を楽しむことはできるのが救いです。読書バンザイ\(^o^)/


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