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「無理ゲー社会」でも「ヌルゲー社会」でもない理想の社会とはマッドマックス2の世界?

昨年購入したまま寝かせてあった本書「無理ゲー社会(橘玲著)」を3連休を利用して集中読破。

読後感は「違和感」と「恐怖感」

それは、認めたくない・触れたくないと思っていたことを明示された「違和感」とそれによって生じる「恐怖感」に他ならない。100%共感や同調はできないものの、データや学説、事例に基づいた解説は説得力がある。論点の是非はともかく、このような視点で日本政府の「成長と分配」「こども家庭庁」某国の「共同富裕」政策を注視していくことが重要と感じた次第である。
そして「無理ゲー社会」であることを受け入れた上で、著者に答えを求めるのではなく、我々大人が「どのような社会にしていくべきか」をしっかり考えていくべきと理解した。
軽そうな著書タイトルに比して重い内容であったが、新年早々気合?を入れ直す良いきっかけになった。

  • わかっていたけど触れたくない事実
    メリット(知能+努力)により分断される社会「上級国民/下級国民」
    女性が自立することによる「モテ男/非モテ男」格差
    母子家庭の貧困
    遺伝ガチャの事実
    高齢化社会の現実 等々

  • そんな社会の中で「夢を持て」「自分らしく生きろ」と強要される風潮に押しつぶされる若者。

<以下、要旨>
背景)「苦しまず自殺する権利」を求める若者が急増(ある政治家のSNSの呼びかけに対する回答より)
🔹自分らしく生きる、という呪い
・世界を救うよりより自分らしく(天気の子)/若者が共感
・リベラル化の潮流ーマズロー「欲求の5段階説」→自分らしく生きられない人は?
・ドリームハラスメント(夢に押しつぶされる若者)
・自分らしく生きる→社会との繋がり弱く「ばらばら/孤独」に家族以外につき合う傾向減少
・誰もが自分らしく生きられる社会においては、成功も失敗も自己責任(メリトクラシー)
・愛情空間と貨幣空間が拡大、友情空間が縮小
・自分探しという新たな世界宗教
🔹知能格差社会
・メリトクラシーのディストピア
・メリット(知能+努力)で評価される社会→メリットを持たない人たちを絶望させる。分断へ「上級国民/下級国民」
・遺伝ガチャで人生が決まるのか?
 →努力できるかどうか、の半分は遺伝で決まる(遺伝率;やる気57%、集中力44%)
・ほんとうに支援が必要なのは「がんばれない人」
・進化論的リベラル
 不都合な事実(半分遺伝、半分環境)を受入れ、よりよい社会を構想
🔹経済格差と性愛格差
・ジョーカー(映画)
 米連邦議会議事堂占拠を予言
 白人至上主義者ー自分たちをマイノリティと思い闘っている
・社会を分断するのは人種でなく知能(白人の絶望死増)
 日本社会ー大卒/非大卒で分断(メリットによって労働者選別)
意識(理性)は地動説でも無意識は天動説のまま
 ヒトの脳は陰謀論的に思考するよう設計されている(OS=呪術的)
・公正な世界を取り戻すため、認知を変える(現実は変えられない)
・神となった非モテのテロリスト
 秋葉原無差別殺傷事件
・男が競争し女が選択する→モテ/非モテ問題
事件の主体者ー「自分らしく生きられない」男
 秋葉原連続殺傷、相模原やまゆり園、登戸通り魔、京アニ放火
🔹ユートピアを探して
・資本主義は夢を実現するシステム="超高性能タイムマシン” (レバレッジ効果) 夢をあきらめない=もっとゆたかになりたい/自分や家族を幸福にしたい/自分らしく生きたい、から「資本主義」である必然
・平和→不平等が拡大
 平等な世界を生む4要素①戦争②革命③統治崩壊④疫病
・希望の4騎士
 ①テクノロジー進歩②資本主義③反応する政府④市民の自覚
🔹よりよい世界をつくる方法
・UBIー誰に支給するのか?(移民は?)→排他主義国家(優生学)の誕生へ
・MMTー①米ドル前提②通貨主権の強弱③マクロ経済≠科学
 最後の雇い手(ELR)ー雇用保証プログラム(仕事が人間の尊厳)⇔UBI
 政府が提供する仕事→民間でも公務員でもない仕事(ヒエラルキー)
・超富裕税が左派ポピュリズムの主流
日本ー結婚に失敗すると最底辺に突き落とされる社会 (母子家庭の貧困率が異様に高い)、シングルマザー向けの適切な生活・就労支援が必要
・COSTー保有する価値→使用する価値(所有→レンタル)
 自由な社会を維持した「共産主義」
公正な分配→評判は分配できない(評判格差社会)
・脳をクラウドへーテクノロジーの終着点「メタ知能」→全人類がひとつになる究極のユートピア/悲しみも苦しみもない平等な社会、喜びもない

SNS、noteでの読書メモ等のアウトプットで少しでも自分自身の行動に変えられるよう今年も発信を続けていきます。読んでいただき感謝申し上げます。

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