大黒屋光太夫
おすすめの一冊📕
日本史の授業で「江戸時代にロシアに漂流した大黒屋光太夫」というフレーズを聞いたことがある人が多いのではないだろうか。
タイトルの通り、その大黒屋光太夫のお話である。
先月、三谷かぶき 月光露針路日本 風雲児たち(つきあかりめざすふるさと ふううんじたち)を見て興味を持った、大黒屋光太夫の波乱万丈な漂流記を、著者である吉村昭さんが史実に忠実に基づいて小説化した作品。
得体の知れない国へ辿り着き、そこで待っていたのは10年にも及ぶ過酷な生活。
当時のロシアでの食生活や漂流民達の扱いについてとても詳しく、且つ読みやすく書いてあり、まるで大河ドラマを見ているかのように彼らの壮絶な人生が想像できる一冊。
今やインターネットでなんでも調べられる時代。外国語だってグーグル翻訳で一瞬で翻訳してもらえる。そして、それに慣れきっている私たち。
もし今の自分が彼らの船に乗っていたら、光太夫のように10年の時を経て無事に日本に帰国することはできたのだろうか。
コロナで出かけられない中、これを読んでロシアに漂流してみるのもいいかもしれない。きっと、想像を遥かに超える過酷な旅になるだろう。
壮絶な話でありながらも、大黒屋光太夫の真面目で、仲間思いで、一途な性格が描かれている、どこか心が暖かくなるお話。
歴史好きな人はぜひ。
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