北欧の国に幸せはない
「世界一幸せな国ってどんなだろう」
「行って住んでみれば何か変わるかもしれない」
フィンランドに留学に行く前、そう思っていたわたしは本当に幸せを「追い求めるもの」と認識して過ごしていたなと今はとても俯瞰して見ている。
ただ、行ってよかったと、本当に心の底からそう思う。
行ってわかったことがあるから、その後触れられた今の価値観が心の底から尊いものだと思えるなと今は感じている。
北欧の国へ行くときに「幸せ」をひとつのキーワードとする方がいらっしゃるかもしれない。
この世界の片隅に、昔のわたしが読みたかったかもしれない記事を置いておこう、と思いました。
フィンランドやスウェーデン、デンマークなど世界一幸せと言われている北欧の国々に行けば幸せのヒントが見つかるだろう、その答えは半分yesで半分noだ。
たしかに、
「未知の世界に行く」というワクワクさが自分を高揚させてくれる感覚に浸ることはできる。旅行好きな方が旅行前は誰しも感じるあの感覚だ。
だが、国にたどり着いてしまえば、その感覚も長くもって3ヶ月。
どこに行っても、「朝起きて、食べて、仕事へ行き、子どもを迎えに行き、家族で夕飯を食べて寝る。」人間の暮らしというのはそれ以上でもそれ以下でもない。
ただ、北欧の国へ行って「良かったな」「価値観が広がったな」と思うことが2つある。
1つめは
ワークライフバランス
だ。
一度北欧の国へ住んでしまうと、日本に帰ってくると日本の良さである誠実さ真面目さ故の休みのゆとりのなさに驚く。
参考までに、公務員時代の1年間の休暇をザッと振り返ってみることにした。
新年度が明けると、まずGWの連休(およそ1週間前後)を楽しみにする。それが終わると、お盆の連休(およそ1週間前後)を、その次は年末年始(およそ1週間前後)、...以上。あとはたまに来る3連休ないし4連休を楽しみに頑張るのみだ。
それに比べて、フィンランドでの休暇の多さに驚いた。
まず学校の夏休みは2ヶ月弱ある。ホストファミリーもお仕事は3週間ほど休めて、イタリアに丸々3週間行っていた。
バップという行事の休暇は5月に1週間弱、クリスマス休暇は2週間弱、そして4連休5連休の休日を1〜2ヶ月に1回とり別荘や島に遊びに行く。
もちろんわたしがお世話になったホストファミリーの場合の話だが、基本的な暦はおおよそ相違ないのではないだろうか。
同じ世界で生きている、
国が違うだけでワークライフバランスを日本に合わせる必要はない、
自分の心地よさに整えていこうと思うことができたこと、
人生の財産、だと感じる。
そして、北欧の国はシンプルだ。
自然が豊かで、いつも身近に自然を感じながら生きて、森に行くことが日常であるという人々も多いだろう。(少なくともわたしのホストファミリーと出会ったフィン人友達はそうだった。)
日々、自然を近くに感じて生活すること、の豊かさ、シンプルな心地よさで心をいっぱいにする豊かさを感じて生きていくことがたまらない、ともう一度思い直せたことも宝物だ。
2つ目は、
幸せって、内側にあるもの、
だからだ。
どこかに行ったら、北欧に行けば、とか、〇〇が達成できたら
めっちゃ誰かに嫌われたとしても、自分はこの自分でいて幸せ、心地よい、大好きで幸せで愛してるっていう感覚をもちながら生きていけるということ。
今、自分が最上で最高の幸せを選択できているという自信をもてること。
そこには、
月何万稼げたら とか
有名になれたら
フォロワーウン万いる とか
外部的事象は一切関係ない。
もちろん、何かが結果としてついてくることは嬉しいけどね。
自分が自分であることに幸せを感じて生きていけることに気づけたら、北欧にいようが、どこにいようが、その人は幸せ
故に、北欧の国には幸せについて今一度考え直す見つめ直すきっかけになる要素はたくさんあったが、北欧の国自体に幸せはない。
まとめ
世界一幸せな国と聞いて興味をもたない人は少ないだろう。
だが、そこに幸せに暮らすヒントはあっても、そこに行けば極楽天国が待っているわけではない。
いつもタネは、自分が持っている。
1人でも多くの方が、この日本で生きる常識だけに捉われることなく、自分だけの花を咲かせられますように。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?