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【くら詩note】ゆび

町の夜はとてつもなく
暗いと感じて
にんげんは
星の光だけでは
足りなくて
求めてしまうのです

行き先のわからない
明日からの身の上を案じ
何億もの星の下
とどかない高さをもとめて
生きてしまうのです


人工につくったあかりは
必要以上にあかるくて
時には見たくない孤独を
さらけ出してしまうけれど

それでもすぐそばに
なくてはならないものに
なってしまって

今宵もあちらこちらから
光りだすにんげんの夜を
空はながめているのでしょう


むかいのハウスの子供たちが
ポーチライトを見上げています
疲れて帰ってくるお父さんが
迷わないようにと
扉にあかりを灯したのです

あちらこちらから
こぼれてくるひかりは
すべて誰かのゆびで
灯されると知ったとき
この町の夜道も大空になるのです

ちっぽけな一室のひかりも
誰かの道しるべになると知ったとき

ひとりぼっちの誰かさんの
一本のゆびは
爪の先まであつくなって
どこまでも奥深く
ふるえてしまうのです


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