ぽぽら

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【🏠詩と読みもの📬】何の変哲もないようにみえる暮らしの中の、人の胸のうちを綴りたい。 🍀お立ち寄りいただきありがとうございます🍀

最近の記事

【エッセイ】大人の泣きかた

「約束はきっちりと守りましょう」と、子供の頃から痛いほど言われてきたものです。「時間ドロボーにならないように約束の時間は守りましょう」だとか「借りたものはきっちり返しましょう」だとかは、相手の人が困らないために必須ですが、人には絶対守れない約束だってあります。 それは「大人は泣いてはいけない」という約束です。大人が泣くということに対して、別にいいよと言われる方も多いものの、実際は、結構厳しかったりします。 以前に勤務していた職場で、みんな帰った後の会社の窓際で、50代後半

    • 【くら詩note】鳥

      目覚めても 幾度目覚めても 鳥になることはない 翼なんて生えない 朝の光 シーツにうずくまって 覚めることのない夢を抱えていた カーテンの向こうの空を見ていた とべない空を見ていた 大空よ僕たちは 鳥になんてなれない その青さを手にするには どこから辿りつけばいい? 願いあって 祈りあっても 翼は生えない だけど僕たちはゆくよ ひしめき広がる平面の景色を 何があっても うつむかないってこと この瞳の中に映すこと この皮膚で呼吸すること 大空に響かせること 僕たちにでき

      • 【エッセイ】空のとびかた

        鳥は自由でいいなぁって、子供の頃、何度も思ったものです。 自由に空を飛ぶことができて……と。 けれど、大きくなってから、渡り鳥のV字になって飛ぶドキュメンタリーをみたり、湖の鳥が、水面下で必死になって足をバタバタさせながら泳いでいる様子をみつけてしまった時、初めて、鳥は鳥で大変なんだと実感しました。 ひとには翼なんてありません。空を飛ぶことなんてできません。だけどひとは、考えて考えて、飛行機をつくりました。船をつくりました。人として生まれつき備わっている、考えるという自由

        • 【よみもの】くるかあをちま~やさしいおまじない~

          あれは、小学一年生の頃。仲良くしていた友達と一緒にいたいという、軽いきっかけで通い始めたのは書道教室でした。 書道教室は、私の人生初の習い事でした。ですが、習い事に興味を持ったのは、書道が初めてではありませんでした。 会社を経営する裕福な家庭のクラスメイトが発した言葉「私、今日、レッスンがあるから遊べないの。」という一言。耳の穴が飛び出ました。 「レッスンとはなんぞや?」 三世代同居の大家族の家庭に育った私には、初耳の言葉でした。 🍀     🍀     🍀    

        【エッセイ】大人の泣きかた

          【くら詩note】ゆび

          町の夜はとてつもなく 暗いと感じて にんげんは 星の光だけでは 足りなくて 求めてしまうのです 行き先のわからない 明日からの身の上を案じ 何億もの星の下 とどかない高さをもとめて 生きてしまうのです 人工につくったあかりは 必要以上にあかるくて 時には見たくない孤独を さらけ出してしまうけれど それでもすぐそばに なくてはならないものに なってしまって 今宵もあちらこちらから 光りだすにんげんの夜を 空はながめているのでしょう むかいのハウスの子供たちが ポーチラ

          【くら詩note】ゆび

          【何の変哲もない生き事を想うエッセイ】やさしいひかりをもとめて

          当たり前に思うことですが、朝と昼には太陽のひかりがあります。 当たり前に思うことですが、夜には星と月のひかりがあります。 あの頃、天災で停電になった時、本当に不安でした。特に夜の時間帯は。 その時、屋根の下では、100均で買い置きしていた数本のライトに助けられました。信号機も曲がって壊れて光らない夜、街灯もつかない夜。どうしても外に行かなくてはならない時の月のひかりは、とてもありがたかったひかりです。 停電が復旧して、ある程度心も落ち着いた日に気づきました。 私たちの生活

          【何の変哲もない生き事を想うエッセイ】やさしいひかりをもとめて

          【くら詩note】幸福堂

          新規開店の扉の前に 何やら長い行列ができていた 何のお店かわからないまま 行列につられて 次から次へと人は続いてゆく 誰かがぽつりと言った このお店には評判の 幸福になれるグッズがあるの 誰かがぽつりと言った このお店には評判の 幸福になれるサービスがあるの 何もわからないまま 次々と人は並ぶ どこまでもどこまでもつられて やがて木製の小さな扉が開いた 人々は次々と 扉の向こうに吸い込まれてゆく 大きな歓声が次々とあがる 開かれた扉の向こうから 聞こえ

          【くら詩note】幸福堂

          【何の変哲もない生き事を想うエッセイ】~長い長い行列の向こうに~

          記憶に新しいのは、プロ野球優勝セールの記念グッズを求めて続く行列。開店の前日から準備を進めている人たちが、何人もいたといいます。 優勝セールに限らず、私たちの身の回りには、色々な行列があります。多くの人がスマホ片手に歩く今では、「待ち合わせ」という言葉もかすんできました。「待つ」ということ自体が、非効率とされてゆく今、何かを待って並ぶという、行列だけは健在です。むしろ、増えてきたのかもしれないと思うほど。それはどうしてなんでしょうね。  その先にあるいいことを求めて待つ。

          【何の変哲もない生き事を想うエッセイ】~長い長い行列の向こうに~

          自己紹介:思いきって初投稿してみた

          ふりかえれば、内向型があいまって、人間関係の悩みで、心は二転三転の日々。自己嫌悪は、更に生活の数々の場面に影響を及ぼしました。仲間外れなどが起因の体調不良からきた皮膚病は、見た目からくるキモイの言葉の攻撃を生みました。マイナス因子に囲われる日々は、後々、就活にも絡んできました。 色々あったな。色々あったけれど、一番辛い時、悲しい時、誰もわかってくれないと落ち込みまくっていた時、幸いにも私には、書くことという、没頭できる時間がありました。たくさん詩や文章を書くことで、自分と向

          自己紹介:思いきって初投稿してみた