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次回いつ来てくださいと言わない理由。

初めて整体指導を受けた方から

次はいつ来たら良いですか?という質問をいただくことがある。

その質問には、

今日受けていたただいて良い変化が感じられたのでしたら、

あなたのタイミングで次回声を掛けてくださいねとお答えしている。


初めて来室された方にはお名前と生年月日を紙に記入してもらう。

その紙は、ぼくが備忘録として指導内容をメモするのに使っている。

ごく稀に、続けて整体指導をさせていただきたいと感じる方がいて

次回、来室されたら観察すべき点と働きかける部位をメモすることがある。

次回こうしたいとメモを書いても

その次回が実際にあるかどうかは分からない。


3年前に一度だけ整体指導を受けられた方から再度整体指導の依頼の連絡をいただいた。

その方のメモには珍しく次回来室時のポイントが記されていた。

今は癌になって抗癌剤治療をしていて来週手術だという。


ふと3年前の自分が書いたメモを見ながら

続けて整体指導を受けるように指示を出した方がよかったのか?

自分の中で葛藤が芽生えた。


メモを見る限り、癌を疑っていたわけじゃないことは明白なんだけど

くたびれて気が通らなくて危機意識を持ってメモを書き残していた。

その葛藤はぼくの脳内でぐるぐる回り出した。

ただし葛藤の答えはすぐには出せなかった。


実際にその方の整体指導を終えた後に

別の方の整体指導を行っていた時に

ぐるぐるしていた葛藤は止んでしまった。


葛藤を止めてくれたのは次のような会話だった。

先生は次いつ来なさいっておっしゃらないですよね。

むかし行っていた整体院で指示通りに行けなかったら

1週間開いたからまた悪くなっていますよと声をかけてかけられたんだそう。

そのときをものすごく違和感を感じたらしい。


ぼく自身もあるゴッドハンドと言われている有名な先生が

毎月施術を受けてもらったら、あなたはもう一生健康です。

そう胸を張って述べておられるのを動画で観てのけぞるほど驚いたことがある。


だってその先生が言うところの健康には

その先生の施術が含まれちゃっているんだから。

いのちの本来の自力を信頼できず

自力を誘導できていないのが、その先生の技術だとも言えちゃうわけ。

毎月その先生の施術を受ける人ばかりだから

新規の予約をとるのは困難を極めるらしい。

いのちが自力を発動して自立するという卒業がない施術。


自分の健康に先生の施術がガッツリ入り込んでしまうと

自分の心身の健康を自分で保つという意識は無くなる。

自分の心身のことなのに、先生に丸投げという意識になってしまう。

すると自己対話が生まれなくなってしまう。

カラダの声、自分の本音と向き合って生きていくきっかけを消し去ってしまう。

心身の変動や故障はとっても大切ないのちからのメッセージなのに。


カラダの声を感じるという自己対話がない整体指導室では

共通して病院のような空気が流れている。

要は自分の心身の健康は先生にお任せですという空気。

自己対話が生まれないから押しなべて空気は淀んでいる。

自己対話が生まれてカラダの気づきが生じると

湯上りのような柔らかい空気になっていく。


この湯上がりのような気の感応を目の前の人と創造していくのが

ぼくにとっての整体指導の醍醐味。

ぼく自身が整体指導に興味を持ち続けていくための生命線でもある。

だから整体指導を受けに来られた方には

ぼくと対話して欲しいんじゃなくって

あくまでも自分のカラダと対話してほしい。

シンプルに自分のカラダを感じて味わってほしい。

次いつ来るかも

カラダの声を聴いて決めて欲しいわけ。

カラダの声に耳を澄ますようになってくると

今まで病人だった人が病人じゃなくなっていく。


だから今のままのやり方で整体指導と向き合っていきたい。

これは現時点でのぼくの自己対話の答えなり。



※好きだなあ~この空気
















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