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creative notes #1

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2018年3月の記事一覧

「差別化」という言葉を聞いたら疑え

「差別化」という言葉を聞いたら疑え

 本の企画会議や打ち合わせで「類書は何ですか?」と聞かれることがある。

 類書。ようは「この企画に似ている本はあるのか?」「前例はあるのか?」ということだ。おそらく、企画の良し悪しやおもしろさが自分の感覚ではわからない人が「担保として」聞いているのだろう。似たような本が売れているなら安心だし、そうでないならリスクがある、ということなのだろうか。

 ぼくの知っているヒットメーカーの編集者は類書を

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写真展のお知らせと“自業自得”

写真展のお知らせと“自業自得”

“自業自得”

ガンになってから何度か投げつけられた言葉だ。
相手には明確な悪意があって言ってくる。
僕の場合、投げつけてくる人は2パターンだ。

1つは宗教の勧誘を断ったときに言われるパターン。
「うちの宗教に入ったら末期ガンの人も治って元気になるよ。」
ガンに苦しみ溺れて藁をも掴みたい人はこの言葉に魅了されます。

僕は即答でキッパリと断るのだけど、相手もここまではっきり断られるとは思っていな

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引っ越しの女の子。

引っ越しの女の子。

スタバで並んでいたら若い女性が僕の顔をチラチラと見ている。

なんだろう?野生の熊を初めて見たのだろうか? 僕は女性にモテるという経験がないので、こういうとき「あの女、俺に気があるのかな?」という救いようの無い勘違いしなくてすむ。

熊顔に生まれたことを感謝したい。

勇気を出して声をかけると1ヶ月前に引越しをしたときのスタッフさんだった。

高校を卒業したばかりだというので、彼女が買おうと

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「話していないこと」の方にこそ、意味がある。

「話していないこと」の方にこそ、意味がある。

私には、「聞かれても答えないこと」がたくさんある。

「聞かれるまで言わないこと」も、たくさんある。

大人になればなるほど、言ったことよりも言わなかったことの方に真実が隠れていることがある、と私は思う。

そう、それはまるで、素材を削ることによって彫刻作品が浮き出てくるように。

***

なぜ年を重ねるにつれて人は、言葉によって核心に迫ることを避けるようになるのだろう。

「私とあなた」の関係

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自分が履いている "下駄"を正しく認識する

自分が履いている "下駄"を正しく認識する

「大企業を辞めるとき、自分の価値は "名刺"によって底上げされていたのだと初めてわかる」

転職も珍しくなくなった今、こうした「下駄を外される体験」は大企業退職あるあるとしてあちこちで語られるようになりました。

世の中には知らず知らずのうちに自分の「ラベル」によって評価が上がっているというケースが多々あり、そのことに自覚的であるかどうかが、長く活躍できる人とそうでない人を分かつポイントなのではな

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「効率が良い」って、本当にそんなに良いことなのだろうか?

「効率が良い」って、本当にそんなに良いことなのだろうか?

効率よく学習して、短期間で英語を身につけたい。プログラミングを身につけたい、テニスが上手くなりたい。ギターが弾けるようになりたい。そんな思いは誰にでもあるだろう。僕自身もそのうちの一人だ。

しかし最近になって、「『効率が良い』というのは、本当にそんなに大事なことだろうか?」と考えるようになった。効率を追求することが悪いわけではないが、弊害も随分大きいと思うようになったのだ。

効率を追求すると、

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