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もう続きが観られない 21.4.5

橋田先生の代表作と言えば数々あるが、『おしん』『渡る世間は鬼ばかり』、この二つは欠かせないだろう。

『おしん』は、僕が中二のころに放送されていて、学校があるのでもちろんリアルタイムでは観られなかったが、あまりの人気(特に少女篇)で、夏休みに集中再放送され、それで観たような気がする。また、この年に自宅でもビデオデッキが購入され、録画して観た記憶も。
通常の朝ドラは半年間の放送だが、このドラマでは久々に一年間通しての放送。後半になると、大人の話になっていくわけだが、背伸びしたい年頃で、最終回までしっかりと観た。

「おしんフィーバー」に沸いた世間と同様、僕もガイドブック・アニメ化鑑賞・シナリオ本購入とハマるだけハマらせていただいた。
また、意識して初めて見たシナリオだと思う。
ちなみに、劇伴(サントラ・BGM)にもハマらせていただき、現在のように、ドラマの音楽がすぐさまCD化される時代ではなく、放送を直接録画(からの録音)してカセットテープで繰り返し聴いていた。

一貫して、コメディシーンのない、暗く、悲壮な場面の多いドラマだったが、大衆に支持されるドラマティックな内容は、のちの飛田流に大きな影響を与えた。



『渡鬼』は1990年からの放送で、僕が大学生の時だった。これもまた、当時としては珍しい通年放送。出演者が豪華で、今でいうところの昼ドラ『やすらぎ』シリーズに近いものがある。

前から何度も書いているように、僕自身ホームドラマ・アニメが大好きで、放送初回からおととしの最新作に至るまで、毎回観ていた。(似たような展開もあるので、連ドラ後期は、毎週というわけにはいかなかったが)

現在のSPドラマに至るまで観続けた理由として、90代にして「尽きぬアイデア」が挙げられる。
おととしのSPの感想でも書いたが、五月がユーチューバーになる展開には、さすがに仰天した。ただ、そこに至るまでの展開が(ぎりぎり)不自然ではなく、「現代の流れに沿ったうえで、視聴者の見たいものを見せる」サービス精神にはただただ頭が下がる。

当時の感想のラストでも書いたが、不穏なムードのまま前回は終了し、去年は放送されなかった。
『渡鬼』はこのまま完全終了するのか、それとも誰かが書き継ぐのか……?


ふと思い出したのだが、僕、講演会で一度橋田先生ご本人と会っている。もちろん、観客の一人として。
話は、まぁ、「本音トーク」とでも言えばいいのか、好き嫌いのはっきりした方、という印象で、だからこそ、登場人物も互いにぶつかり合い、目の離せない展開を次々と書かれるのかもしれない。


飛田流にとって、「大衆に支持される作品」とは何かを教えてくれた人。


ありがとうございました。
どうぞ安らかに。


でも、『渡鬼』の続きが気になる……。







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