東野篤子

ヨーロッパ国際政治を研究している東野篤子(ひがしのあつこ)と申します。 仕事のこと、ロ…

東野篤子

ヨーロッパ国際政治を研究している東野篤子(ひがしのあつこ)と申します。 仕事のこと、ロシアによるウクライナ侵略のこと、それを取り巻くヨーロッパ諸国のこと、仕事の合間に少しずつ書いていきます。お目に留まれば幸いです。

最近の記事

強制労働関連製品の流通・輸入制限に関する欧州議会決議(2024.4.23)

一つ前のnoteでも書いたとおり、ここ数日、EUと中国の関係で大きな出来事が続いています。 ここではまず「(新疆ウイグル自治区を念頭に置いた)強制労働によって生産された製品のEU域内での流通と域外輸出の禁止に関する決議案が欧州議会で採択」された経緯をまとめておきます。 2022年9月に欧州委員会が、強制労働製品のEU域内での流通を禁止する規制案を提案していました。今回欧州議会で採択された決議の大元の案にあたるものです。以下のJETROのまとめがとても分かりやすく、またJET

    • 出演のお知らせ ①2024.4.30 BS-TBS『報道1930』、②2024.5.3 BS日テレ『深層NEWS』(2時間)

      皆様、GWはゆっくり休めそうでしょうか? 私は週明けはほぼ通常モードで仕事をしておりまして、GW後半に少しお出かけ出来そうかな…という感じです。 GW中は2本の出演依頼をいただいております。 (なお本日久しぶりに髪を切ったところ、リクエストよりも大幅に短くなってしまいまして、部活中学生の髪型に初老女性の顔がついているという、かなり不気味なスタイルでお送りいたします) ① 2024.4.30 BS-TBS『報道1930』。 「久しぶりにヨーロッパ・中国関係を扱います!」とい

      • お手紙ありがとうございます

        「まだ水曜日か、今週はなんだか疲れるぞ…」と、学内の郵便ボックスをのぞいてみましたら、匿名の方からのお手紙を発見しました。 いつもいただく匿名のお手紙は、疲れをさらに増幅させるものばかりだったのですが (これまでのお手紙の最高傑作(?)は、「お前の成れの果てだ」とのコメントとともに、妖怪大百科のページが大量にコピーされたものでした)、 今回のお手紙は私のことをとてもいたわって下さるもので、さらに嬉しいことに、とても美しい手描きのイラストが添えられていました。 「このイラス

        • 映画『オッペンハイマー』

          を観てきました。 画面に釘付けになっているうちに気づけば3時間経過してしまいましたが、とてもこの映画を自分が消化できたとは思えず、おそらく上映期間中にまた何度か映画館に足を運ぶことになるだろうと思います。 そのような未消化の状態でなにかを語らないほうがいいのかもしれない、という気持ちもありつつ、それでも今日の印象をなにかしら書き残しておきたい、と思ってnoteを開いてしまいました。 これからご覧になる方は、ネタバレになってしまうといけませんので、以下はお読みにならない方がい

        強制労働関連製品の流通・輸入制限に関する欧州議会決議(2024.4.23)

          ロシアによるウクライナ侵略に関する中国のロシア専門家の見解           (英エコノミスト誌)

          すでに1週間近く前になるのですが、北京大学の教授が、英エコノミスト誌に論考を掲載し、大きな話題となっています。 そのタイトルは 「中国のロシア専門家は考える:『ロシアはウクライナで確実に負ける』」(2024年4月11日付)。 執筆者は北京大学(その前は復旦大学)の馮玉軍(Feng Yujun)教授。1970年生まれ(私よりも1歳上です…) あとで述べますが、同教授は以前からこうした主張をなさっていたとのことです。 非常に論理明快なので、ぜひオリジナルの記事を読んでいただき

          ロシアによるウクライナ侵略に関する中国のロシア専門家の見解           (英エコノミスト誌)

          出演告知:2024.4.16 BS日テレ「深層NEWS」

          日本に本帰国して初めて、「深層NEWS」にお邪魔します。 今回のテーマは「中国」。番組では最近の重要な動きとして ・ロシアのラブロフ外相の訪中(習近平国家主席および王毅外相との会談) ・ドイツのショルツ首相の訪中(習近平国家主席との会談) ・中国によるロシアへの兵器供与の可能性 を軸としつつ、 ・昨年12月のEU・中国首脳会談 ・今年1月のベルギーのデクロー首相と習近平国家主席との会談 ・今年3月のオランダのルッテ首相と習近平国家主席との会談 を駆け足で振り返りつつ、

          出演告知:2024.4.16 BS日テレ「深層NEWS」

          今年度、なにを読みましょうか

          毎年この時期は本当に忙しいですし、今年度はもはや訳が分からないレベルの忙しさなのですが、同時にこの時期はとても楽しく、心躍ります。 それは、修士向けと学部生向けの文献購読ゼミでの購読候補図書を私のほうであれこれと選び、学生さんに提案する時期だからです。大体いつも前年度末から次年度の本の選定をはじめていますが、授業開始直前のこの時期になると、気づくといつも「今年度はみんなでなにを読もうか…」と考え込んでいます。 今年は私が3月にオーストラリアから引き揚げてきたのもあり、日本

          今年度、なにを読みましょうか

          新宿で…!

          今日、4年ぶりぐらいに新宿に行ってきました。 普段は自宅と職場の往復ですので、新宿のような大都会に来るのはおっかなびっくりです。 (昨年1年間は、首都なのにのどかさ100%のキャンベラに住んでいたので、たまにシドニーやメルボルンなどの大都会に行くとすっかり気後れしてしまっていたのでした…) 今日は子供の用事があって、重い腰を上げてやってきたのですが、ならばついでに新宿ならではの美味しいランチを食べて帰りたい…!! 散々悩んだ挙句、新宿中村屋Mannaと(美味しいカリーが

          新宿で…!

          新年度のご報告です。

          新年度になったタイミングでもありますので、きちんとご報告させて下さい。 昨年12月に、私が、「オーストラリアからの帰国後のことをとても心配している」という趣旨の投稿をX上で行ったことで、 「東野、一体どうしたのか!?」 と多くの方にご心配をいただいてしまいました。 (その投稿はあまりに周囲に心配をかけてしまったので、現在では削除しています) 新年度になったので、ようやくご報告できます。 4月1日付で、 筑波大学 人文社会ビジネス科学学術院 人文社会科学研究群    

          新年度のご報告です。

          ヨーロッパ国際政治を研究している東野篤子(ひがしのあつこ)と申します。noteをはじめました。

          皆様こんにちは。 東野篤子と申します。 ヨーロッパの国際政治を研究しております。 私は過去2年間ほど、X(旧Twitter)で、@AtsukoHigashino というアカウントでヨーロッパ国際政治関連のポストを行ってきたのですが、ここしばらく新規の投稿を停止していました。 私は2023年3月から2024年3月まで、オーストラリア国立大学ヨーロッパ研究所でサバティカル生活を送っていたのですが、その生活がまもなく終わるという2024年2月以降は業務による一時帰国、エストニア

          ヨーロッパ国際政治を研究している東野篤子(ひがしのあつこ)と申します。noteをはじめました。