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彼女が「非婚出産」した理由

先日行ったイベントで、櫨畑(はじはた)敦子さんという方の名前が挙がっていた。

今Twitterで話題の、、、みたいな感じだったけれど、Twitterをやめていたので、よく話が分からなかった。

そして今日偶然記事を見かけて、ああ、このことだったのかあ!と遅ればせながら理解をしました。

この記事の内容をざっくり紹介すると以下の通りです。

・櫨畑(はじはた)敦子さんは去年の9月に第一子を出産
・大阪の長屋で暮らし、いろいろな人に子育てを協力してもらっている
・今までのパートナーは、一緒に子育てするのは難しい人ばかりだった
・結婚せずに子どもを産みたいと考えていた
・子どもは社会の中で育てたいという思いがあった
・生物学上の父親とも、自分の考えを共有している
・その人とは結婚していないし、一緒に住んでもいない
・元々パートナーではなく、非婚出産をするために協力してもらった人

この記事を読んだときに、こんな考え方の人が出てくるのは、時代の流れとして自然なのかもしれないなあと思いました。

両親が揃っていても不幸な子どももいるでしょうし、シングルマザー・シングルファーザーで大変な思いをしている人もいる。

そういう親が生きやすくなる手段のひとつとして、他人と助け合うということが当たり前の文化になったら、もっと社会が豊かになるんじゃないかと思いました。

また、櫨畑敦子さんが新しいのは、結果としてシングルマザーになったから誰かに助けを求めたのではなく、子どもといる人生のスタイルを自分なりに考えてカスタマイズしていった結果、婚姻関係にならない人との子どもをつくるに至ったということ。その呼び方として、選択的シングルマザーと言われたりもする、ということのよう。

恋愛関係や婚姻関係が破綻したから、その先の生き方を考えたわけではなく、そもそも、今一般的とされている、結婚をして子どもを生んで夫婦で育てるというスタイルに対して、自分はイメージが湧かなかったということを、言っているんだと思いました。


私は、どうしても子どもが欲しいという思いが無いのであまりピンとこないけれど、子どもを生んでからパートナーに対する思いが変わったという話はよく聞いていたので、もっと手前の段階でこう考えられることは合理的なのかもなあと思いました。


私は「家族」とはいろいろな形があっていいはずで、これからそういう考え方はどんどん広まっていくと思っているので、新しい考え方でおもしろいと思いました。

少なくとも、「そんな不自然な形態、子どもが不幸になる」とは全然思いませんね。

この記事のトップの写真を見れば、ああ、この子はのびのびと幸せに育っていくんだろうなあという思いがひしひしと湧いてきますね。


上記の記事がアップされた次の日にテレビで放映された、櫨畑さんが出演したドキュメンタリーが、Twitter上ですごく炎上したのだそうです。

炎上の内容のイメージは、不自然な形態を受け入れられない人の批判なんじゃないかなあと勝手に予想していました。

ただ、いろいろな記事を読んでいくと、炎上の根本は、ちょっと自分が予想していなかったところでした。(予想通りの批判もたくさんあったけれど。)

(番組を見たかったのだけれど、今見るすべがないので、いろいろな人の記事を見ながら、真実からそんなに離れていないだろうと思われる部分を読んで判断しています。)

炎上した一番の原因はこれだったんじゃないかと何人かの人が書いていた部分。

櫨畑さんが、生物学上の父親である方に別の女性の存在がいるんじゃないかと気づいて嫉妬をしているところ。でも結婚はしないというところ。

私は番組を見ていないし、今見るすべが無いので分かりませんが、この部分が真実でもそうでなくても、一番最初に読んだ記事から感じたことは変わらないなあと思います。

この部分が真実だとすると、ポジティブな意味で、少し安心する気持ちもあります。

というのは、(先日読んだ『1122』という漫画からも感じたのだけれど)、やっぱり人の気持ちって本当に複雑で難しいんだなあということは、多くの人に共通する永遠のテーマだと思ったからです。

恋人や家族、自分で関係を築くことを選んだ人に対してさえ「どうしてこの人はこうなんだろう」と思う気持ちは、やっぱり永久になくならない。

でも、そこから新しい考え方が生まれたりもする。この櫨畑さんのように。それでも悩みはつきないというのは、少しホッとすることでもあるんです。


人生において、人と関わっていく中で、思い通りにならないことがたくさんあったとしても、自分が誰かを幸せにする一助には絶対になれるんだと思う。

自分ひとりで解決できないことも、誰かの協力を得ながら、たとえば目の前の子どもを幸せにしていくことはできるんだと思う。


窮屈な時代に生きて、少しずつ「これはおかしいぞ」と言い始める人が増えてきて、「こっちは我慢してんだからそんなこと言うな」という人の対立は、これからもたくさん見かけていくんだと思う。

でもそうやって今少しずつ、生きやすい社会は現在進行形でつくられている気がしているんです。永久に悩みながらも。

自分も生きやすい社会のために、できることを考えているところです。

#結婚 #子ども #子育て #シングルマザー

いろいろな方にインタビューをして、それをフリーマガジンにまとめて自費で発行しています。サポートをいただけたら、次回の取材とマガジン作成の費用に使わせていただきます。