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選挙が終わって

今回の参院選を見ていて改めて思ったことは、政治ってやっぱりバランスが大事だなあということです。これは政治に限らず、自分に対しても、いろいろな意見を、すくなくとも「聞ける」人間でありたいと改めて思いました。

私は投票先を最初の段階で決めていたのですが、ネットでの話題や動画を見て、5日前くらいに気持ちが変わり、最終的に比例は山本太郎氏に投票しました。

結果として、れいわ新選組の躍進は世間の知るところとなりましたが、もちろん否定的な意見も聞かれます。

主に「山本太郎を信じてる奴は頭が悪い」みたいなバカにする感じと、「調子いいことばかり言って人を煽ってそこについてく人が多いの怖い」みたいな、いわゆるポピュリズムに対する不安を抱く感じがあるかなあと思うんですよね。

前者は見ていて気持ちがいいものではないけれど、こういった否定的な意見も必要だし、こういった意見が自然に発生していることは、まだまだ健全な社会だなあと私は思いました。

ちなみに、山本太郎氏が掲げている「消費税をゼロに」等の政策はアメリカ発のMMT(Modern Monetary Theory)に由来するもので、すごくざっくり言うと、貨幣の発行とインフレをコントロールするということなのだと思うけれど(あってるかな)、演説を聴いていて、あ、これ何年か前に森永卓郎氏が言ってたやつだと思いました。選挙特番で、森永氏と山本氏が対話したとき、あまり突っ込んだ話はしていなくてあれっ?と思ったのですが、選挙後のラジオでは、森永氏は山本氏をすごく評価してましたね。山本氏は累進課税などについても大きく論じていましたが、これらの政策って専門家でも評価が分かれていて、少なくともそこまで経済に明るくない一般人が論破するとか無理だなと思いました。

私が、ネットでの話題から山本氏が気になったところで、ちょうど翌々日、甲府で街頭演説があったので行ってみました。山梨でもここまで人が集まるのかと驚きましたね。バンドのライブを観るような感覚で行ってみたのですが、実際そういった楽しさがありました。山本氏自身も真面目な主張をしながら、政治に興味のない人にいかに興味を持ってもらうか考えていると言っていたのも、今とても必要なことだと思いました。

もしもこの先「れいわ」が政権をとることがあったら、専門家でも評価が分かれるこの政策は、実現可能なのか、それはもうやってみなくては分からないと思います。しかし、政治には最初から全く期待を持たず、どうやってこの先を生きていこうかと考えるのが常だった自分(選挙は行っていましたが)が、久しぶりに希望や興味が持てた選挙でした。

こういうことを書く事も、普段から政治の話をするのも憚られる今の社会も、全ては批判されたりバカにされたりレッテルを貼られるのが怖いし面倒だからなんですよね。でも、自分のようなレベルの人間が(政治にかぎらず)、すこしの勇気をもっていろいろな発信をしていくことにも、小さな意味があるんじゃないかと思いました。

私が好きな東浩紀さんとかは、れいわの政策を結構否定されていたので、そうかあ意外だなあとも思ったり、でも東さんの思うところも知ることができて面白かったです。冒頭でも書きましたが、賛同する人批判する人単に馬鹿にする人不安を感じる人、みんないて然りで、それらをなるべくフラットな心で読むと、たくさんの気づきがあって、ここ一週間くらいで、ほんとうに学ぶところがありました。

こと政治や社会問題に対して「この主張に共感する」とか「この人が好き」といった発言をすることは、自分の知識のなさをさをわざわざ露呈したり、直接不愉快なことを言われたりしてあまりメリットがなく、なるべくそういうカラーを出さないことが自分のためだと長らく思ってきたのですが、そんなことよりも、単純に興味や面白さを共有したいという気持ちが久しぶりに湧いた期間でした。

これからはもっと広くいろいろな気持ちを書きたいなと思いました。

いろいろな方にインタビューをして、それをフリーマガジンにまとめて自費で発行しています。サポートをいただけたら、次回の取材とマガジン作成の費用に使わせていただきます。