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偏り過ぎずほどほどの道に落ち着く幸福論

半分、減らす。
川野 泰周著

こんな人におススメ

・禅宗の教えを取り入れた片づけに興味がある人
・捨てる片づけが苦手、または捨てすぎて後悔してしまう人
・やめたい行動がやめられない人

物も情報も食事も、半分に減らすことでより豊かに暮らせるという生活術です。

心に響いたところ3点

「中道の精神」でゆく

どなたも、仕事や食事、買い物、ゲーム・・・などで、「つい、やりすぎる」ことがあるのではないでしょうか。
人間はもともと達成欲求が強く、”やりすぎる生き物”なのでしょう。中略
なぜ仏教や禅の世界では「中道の精神」を尊ぶのでしょうか。それは「物事を二元的に考えることから離れるのが重要とされているからです。
たとえば、白と黒があれば「どちらもあって当たり前」ととらえる。そうであるならば「白と黒、両方をふまえて、できうる最善の道を見出しましょう」というわけです。

「中道の精神」は物事を二元的に考えることから離れることができる。
「正しい」「間違い」や「良い」「悪い」で物事を考えてしまうことが、自分を縛り付け、苦しめる。どっちも認める、ジャッジをやめる。
これらを少しずつでも取り入れることができるようになってきて、私は生きることが大分楽になりました。
「中道の精神をゆく」を取り入れることが、人生の大きな分岐点になったようにすら思います。

「散らかった部屋」がもたらす悪影響

あまりにも多くの物に囲まれていると、一つひとつの大切な物や人とのご縁が希薄なものになってしまいます。目の前に向き合うべき物事に対しても、心ここにあらずでは本当の自分自身で向き合うことができなくなってしまうのです。

忙しくなると、途端に部屋が荒れ始めます。
スケジュールが立てこみ、忙しい状態は心を亡くす、心ここにあらずで、自分の心の声が聞こえにくくになっていると自分自身で感じるのです。
散らかった部屋と、忙しい状態はリンクしているので、偏っていると感じたら軌道修正して、負荷をかけすぎないようにしたいものです。


実は危険な「捨てる快感」

「断捨離」がブームになっています。
この本も、いわゆる断捨離術を紹介する本なので、矛盾するようですが、あえて警鐘を鳴らしたいことがあります。それは、
「断捨離には、いきすぎてしまう危険性がある」
ということです。
物を買うときって、ちょっと気持ちが高ぶりますよね。欲しいものが手に入れば、誰だってうれしいもの。
でも実は、物を捨てるときも気持ちが高ぶることを、知っておられるでしょうか?

何年か前の断捨離ブームで、家にあった物をどんどん捨てて、捨てることばかりにこだわってしまい、後悔したという話を聞いたことがあります。
捨てている時は気持ちが高揚するのは本当で、快感になってしまうのでしょう。
これは捨てる快感だけでなく、頑張りすぎな自分、お酒を飲み過ぎてしまう自分、食べ過ぎてしまう自分、考え過ぎてしまう自分なども当てはまるのではないかと思うのです。
何事もいきすぎ、やりすぎには注意したいものです。
まさに、中道の精神。

生活に役立ったところ

物が増え続ける三つの原因
・買いすぎ
・ためこみすぎ
・散らかしすぎ
中略
一番の問題は、
「あふれるほど物があって部屋が散らかっていると、そちらに注意資源がたくさん使われてしまう」ということです。

考えることや本を読むことが好きな私は、できるだけスッキリとした部屋をめざしています。それは目につく物が気になって、意識が逸れてしまうのを防ぐため。
頭の中の容量にも、限りがあるのですね。
部屋を整えることが生活の土台となって、ノイズを減らし、よりよい循環を起こすことは明白です。

この本の目的・目指すところ


感想

頭にすぐ血が上る、何か言われたことに反射的に応えてしまうという癖を持っていた私。
「怒り」の付き合い方に手こずっていた私のメンタルが急激に落ち着いたのは、「中道の精神」を学んだから。
この本にも出てくる「マインドフルネス」な状態を心がけることが、自分の心の声に気づき、感情を俯瞰して見られるようななった術です。
片づけも、瞑想もマインドフルネス。
物が散らかる、思考が散らかる。感情が高ぶる、落ち込む。
散らかったらそれに気づいて中道に戻す。その繰り返しが、私の心の安定と幸福感に繋がっています。

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