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焙煎機の技術的メモ7:チャフは毎回捨てましょう。

ご存じの通り、焙煎中、生豆表面のシルバースキンが剥がれます。
剥がれたものはチャフ(chaff=もみ殻、くず)と呼ばれ、焙煎ドラム直下に設置されたダストトレイ(チャフトレイ)とサイクロン直下に設置されたダストボックスに溜まります。
その量はウォッシュドに比べ、ナチュラルやパルプドナチュラル(ハニー)ではぐっと多くなります。

皆さんはどのくらいのサイクルでチャフを取り除いているでしょうか?

当店ではその日の焙煎の終了時に必ず取り除いています。同じく、という方が大半だと思いますが・・。

まめにチャフを取り除く理由は、チャフに火を着けてみれば分かります。

チャフに火を着けたところ

ライターの炎を近づけると瞬く間に燃え広がり、白煙とキツい燻り臭が立ちこめます。スモークチップのような薫香ではなく、蚊取り線香のにおいに近い類いのものです。

これと同じことが焙煎中の焙煎ドラム直下のダストトレイの中でも起こっています。チャフが溜まれば溜まるほど、中深煎りや深煎りが多いほどです。
下の写真は合計5キロ(すべてウォッシュド、中深煎りと深煎り)焙煎後のダストトレイの中の写真です。
このときは中深煎りと深煎りとは言えウォッシュドばかり5キロ程度でしたので燻った形跡はありませんが、ダストトレイには過去にチャフが燻された形跡が残されています。

ダストトレイの位置
ダストトレイの中

ついでなのでダストボックスの中も見てみましょう。
ダストボックスの中でチャフが燻されることはありませんが、ダストトレイよりも多くのチャフが集まります。

ダストボックスの位置
ダストボックスに溜まったチャフ

マイスターの場合、排気性能が高いので、チャフが燻されたとしても豆に燻り臭がついてしまうことはありません。
とはいえチャフが燻されてしまうような環境はできる限り排除した方が良いと思います。

私見ですが、排気性能の低い焙煎機ではこれが原因で豆が燻り臭くなってしまうのではないでしょうか?

追記:豆自体が焦げている場合もあります。以前、お土産で頂いた東南アジア某国の珈琲豆は豆全体に斑点のような焦げ跡がついており、それはもうスモーキーというより焦げ臭い逸品でした。

排気性能は高ければ良いという単純なものでは無いと思いますが、良いに越したことはないと思います。

たまに「スモーキーさが魅力!」なんていう、あえてそうしたかのようなキャッチを見かけますが「スモーキー」はNGですから・・・。

追記:ダストトレイやダストボックスはゆっくりと引き出して下さい。
チャフはとても軽いので、早く引き出すと舞い上がって散らかったり、ダストボックスの後ろ側に行ってしまい、ダストボックスが閉じきれなくなってしまいます。


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