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ルールを知らないオーナメント #毎週ショートショートnote

僕は星になりたかった。
クリスマスツリーのてっぺんにある星だ。
だから毎日少しずつモミの木を登ってたんだけど、他のオーナメントたちが笑うんだ。

「お前じゃダメに決まってるだろ」

「そうだそうだ、あそこは特別な場所だ」


どうしてダメなの?

いいよ。じゃあいっそクリスマスツリーから飛び出してみよう。僕はツリーから降りて、玄関にある別の飾りに聞いた。

「ねぇ仲間にいれて!」

「何言ってるの?私達はお正月飾りなの。違うチームよ」

「そうよ世界が違うわ」

世界が違う?そんなルール、どこにあるの?

僕がとぼとぼ歩いていると仲良しの天使のオーナメントが迎えに来た。

「もう帰ろう?」

「わからないよ...どうしている場所が決まってたり、違う世界には住めないの?」

「そういうものなのよ」

「そういうものって何?...あっそうだ、わかった。じゃあ人間になるのはどう?人間になったらもっと自由に動けるし、どこにでも行けるよね」

「それはどうかしら」

天使は寂しげに微笑んだ。


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