卒業祝

主治医が替わることになった
出会いと別れの季節とはいえ
突然飛び込んできたお知らせ
不安が無いと言えば嘘になる
今後のことをいろいろ考える

彼が主治医で良かったのだろうと思う
気づいたことやオススメされたことも
思い返せばいろんなことが湧いてくる
少なくとも私の体験の話に真正面から
それはとてつもない恐怖体験だったね
とたぶん彼の専門分野を踏まえた上で
共感だけではない客観的な言葉があり
どれほど救われたか分からないと思う

でもいつかここを卒業するときが来るんだよ
容態が安定してきて薬継続するだけになって
カウンセリングも終えられるくらいになれば
投薬をメインの目的としてクリニックとかに
ここを卒業して通院を切り替えることになる
と話したのはちょうど一年前の診察でだった

それを彼に言われたとき私はとてつもなく
彼に見捨てられる日が来るかのように感じ
ひどく恐ろしく心細く不安になったけれど
きっとそれらが大丈夫になるから卒業する
卒業するのは大丈夫になったときと考えた

彼のほうが先に卒業するとはまさかの展開
でも件の話をしたときにはもう彼の中には
卒業のプランは出来上がっていたはずだし
そして考えてみれば私がここを卒業したら
あわよくば彼がその受入先になってくれる
可能性が出てきたということにもなるのだ

記念に一冊本を贈ろうと思っている
御祝と御礼と熨斗紙を付けたりして
彼のことを以前からニックネームで
自分の中で勝手に呼ぶことになった
由来のタイトルの本を贈ろうと思う

私もいつかは卒業するかもしれない
そのとき彼に再会するかもしれない
担当を外れたら連絡を取りはしない
通常そうなるはずと言っていたから
一旦ここでお別れにはなるのだけど

□□□□くん
卒業おめでとう
色々ありがとう
楽しかったです
生き長らえていつか
再び出会うとしたら
そんな日がいつか来るとしたら

生き長らえていつか
そうなったらいいね
ちょっと楽しみだね
ね、卒業おめでとう