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平林映画

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平林勇の映画つくり日記
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#エッセイ

世の中と握手するって難しい

世の中と握手するって難しい

作曲家の渡邊崇さんが、私と一緒に作った映画のサントラだけを集めた「A collection of film music for Isamu Hirabayashi」というアルバムをリリースしました。かなり、グググッと来る音楽ばかりなので聞いてみて下さい。BGM的に聞くと、作業に集中出来ないかも知れませんので、映画の企画を立てたり、世界観がコンセプトを考えたりする時に聞くといいと思います。Apple

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全部自分でやる事は良いことなのか?

全部自分でやる事は良いことなのか?

私はフリーランスで映像のディレクターをしています。仕事の範囲を最小限にすると、演出という仕事だけしていれば成立する仕事です。究極的に言えば、道具は何も要らない仕事です。手ぶらで出来る仕事とも言えるかも知れません。

とはいえ演出の仕事は、自分の思い描いていることを、各パートのスタッフの方々に、出来るだけ具体的にはっきり伝える必要があるので、メールはもちろんのこと、図解したり、映像にして見せたり、コ

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20歳から見たら40歳は完成して見える

20歳から見たら40歳は完成して見える

私は今年47歳になります。40歳を超えてから、自分の年齢が分からなくなるぐらい、自分の年齢に興味が無くなりました。

来年48歳で、歳男などと言われてますが、私が20歳の時に見た40歳を超えた大人は、完璧に完成された大人で、確固とした地位を気づき、人生哲学を持ち、若者たちを導いていける威厳すら感じていました。

ちょっと悪く言うと、「完成しきったオジサン」「これ以上伸びないオジサン」というイメージ

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基準をクリアしても良くならない時

基準をクリアしても良くならない時

私は、作品を作るときも仕事をするときも、自分の中で基準を決めて、このすべてのチェックリストをクリアすれば良いものが出来る、という風に考えることが多いです。

例えば、海外の映画祭をターゲットにした作品を作るときには、こんなチェックリストをチェックしています。

セリフ無しにしても話が分かるか?

ワンカットを抜き出した時に力があるか?

未知の国で同じ作品が作られたとして共感できるか?

などなど

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