見出し画像

景観忘備録 ─内削ぎ外削ぎ併用の千木─

ごく私的な景観メモです。逐次更新。
一つの社殿に内削ぎと外削ぎの両方の形式を具えたものを纏めていきます。
未訪ですが和多都美神社や武蔵野坐令和神社でもこの形式となっています。一般的に削ぎの方向で男女神を判別するという考え方が広く知られているようですが、そうではないとする場合もあるのでここでは明言しません。
ただ、両削ぎ(と便宜上言わせていただきます。正式名称あればご教示頂ければ幸いです。)を用いる神社の多くが男女神や伊勢内宮外宮など対になる二柱の神を主祭神とするケースが多いので少なくともこれらの神社ではそういった意図の下で特殊な千木形式を採ったのではないかと思われます。


能見神明宮

住所:愛知県岡崎市元能見町42−1
主祭神:天照皇大神 須佐之男命
本殿改築:明治42年(1902)
(神明宮ガイドブック令和2年度版より引用)

備考:例大祭に併せて刊行される『神明宮ガイドブック』(令和2年度版)には天照皇大神と須佐之男命が主祭神である為に千木をこのような形式にした旨が記載されています。


伏見稲荷大社 両宮社

住所:京都市伏見区深草薮ノ内町68(伏見稲荷大社境内)
主祭神:天照皇大神 豊受皇大神
社殿再興:元禄七年(1694)
(社殿横の説明より引用)

備考:天照皇大神、豊受皇大神はそれぞれ伊勢神宮の内宮外宮の祭神であり削ぎが内削ぎ外削ぎとなっているためその様式を纏めたものと思われます。他の両削ぎが同じ妻側の前後(神明造の場合)で削ぎを作り分けているのに対し、この社殿は妻の左右で削ぎが異なります。

スマホな上に夜撮ったので見づらいです…今度撮り直してきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?