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資料(Esoteric & punk)

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主に(ポスト)パンク、ヨーロッパ的秘教音楽。忍冬資料室 https://atochietebura.com/DATA/esotericindex.html の転載。
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#ネオフォーク

『Live and Let Live』増補改訂版のおしらせ

『Live and Let Live』増補改訂版のおしらせ

2016年に自費出版した『Live and Let Live』という本に加筆・修正したものをnoteとBASEで販売します。記事単位でも購入できますが、マガジンごと買った方が多少お得です。オリジナルとの差異は
・誤字脱字の修正(随時更新します)
・2017年以降の情報を基にした加筆(全章合わせて1万字以上)
・図版の大部分とディスコグラフィーの省略(図版に関しては後日、アルバムジャケットなどを追加

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『The Ballad of Shirley Collins』ブルースからアポカリプティック・フォークまで

『The Ballad of Shirley Collins』ブルースからアポカリプティック・フォークまで

米国民俗学史全体の功労者とも呼べるアラン・ローマックスのフィールドワーク-レコーダーによって対象となる歌い手たちとその空間を記録すること-は、父・ジョン・ローマックスの補佐をしていた30年代からはじまり、やがて50年代から60年代にかけてのフォーク・リバイバル運動にも多大な影響を与えた。彼は「民俗音楽学」を明確に定義することで、フォーク・ソング(またはトラッド・ソング)を一種の研究的行為にした。い

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ネオフォークはパンクから生まれた②CRASS

ネオフォークはパンクから生まれた②CRASS

ネオフォークの原型を作り上げたDeath In JuneやSol Invictusの母体が社会主義的主張を訴えたパンク・バンドCrisisであること、その一見すると180度逆である方向転換が、70年代末英国の左派組織(SWP)やRock Against Racismのような運動への失望に起因することは前の記事で書いた。長く続けたSol Invictusをいったん凍結させ、現在にCrisisとして復

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ネオフォークはパンクから生まれた①Tony Wakeford (Crisis,Death In June,Sol Invictus)

ネオフォークはパンクから生まれた①Tony Wakeford (Crisis,Death In June,Sol Invictus)

※本記事は過去に公開したものが手違いで消えてしまったため(血涙)、加筆部分込で書き直したものです。

77年のロンドンに登場し、80年5月公演(MagazineとBauhausのサポート)を最後に解散したパンク・バンド、Crisisが2017年にラインナップをほぼ一新して復活した。
レジェンドと称されるバンドの再結成は大抵が金策目的だが、Crisisの背景にはオリジナル・ベーシストであるトニー・ウ

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SF替え歌 FilkとNeofolk

SF替え歌 FilkとNeofolk

Filkという音楽、あるいは文化と呼ぶべきだろうか。とにかくそれを知ったのは1ヵ月ほど前で、WIREDが2005年にアップしていた記事を見てのことである。Filkのルーツと実例を淡々と書いた内容で、詳細がわからないこともあり興味を持った。以下同記事から引用。

"アコースティック・ギターやクラリネット、ブーブーと鳴るカズー[管の底に羊皮紙や薄膜を張った笛で吹くとこっけいな音がする]の音色に乗せた彼

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