見出し画像

デザイナーさんからの経営アドバイスが鋭かった話


今回のnoteは、何かを形にして表現するという経験って良いんじゃないの?という話を書こうと思います。

きっかけは弊社のチームミーティングでの話です。
デザイナーの山西さんに、アートディレクターとして顧問業務をお願いしています。(↓山西さんのポートフォリオ)

チームミーティングに入っていただき、「Baridi Baridiは5年後どういう会社として見られたいのか?」というテーマで話をしました。

そこでの山西さんの言葉の中で、一番想いに残ったのが、「”何”に形を与えるのか?」という言葉です。

5年後を目指して、私たちは”何”に形を与えて、世の中に伝えていくのか?という根本的な問いです。

この言葉には、大きく2つの意味があります。
1つは”何”にという根源的な問いを自分たちの中で、考えることができているのか? もう1つは、その問いへの自分なりの答えをどう表現していこうとしているのか?ということです。

弊社を例に出すと、”アフリカ×エアコンのサブスク”というビジネスモデル自体は、世の中に向けて表現されたもので、”何”にという部分には当たらないわけです。

私が、この”何”を思考すると、「人(チームメンバーもお客さんも)がワクワクしない会社は面白くない」、「”今”だけを大切にした会社にはしたくない。」「空調業界の常識が昔のままでは面白くない。」「こうした状況に対し、文句を言うのではなく、明るく変えていきたい」といったVisionや創業時の想いに立ち返ることになります。

サラリーマンは"何"を考える経験が不足していないか?

このミーティングを振り返ってみて、感じた課題意識があります。
私たちみたいな普通のサラリーマンにとって、この”何”を考える経験、そして考えた”何”を表現する経験が圧倒的に不足しているのではないかという課題意識です。

例えば、大企業でいうと、多くの人が関わって仕事を進めます。人数が多ければ多いほど、承認者が多ければ多いほど、”何”という部分を真剣に考える機会は少ないのではないでしょうか?もしくは、他の人に委ねるのが普通になってしまっているのではないでしょうか?

一方、山西さんのようなデザイナーの方にとっては、それが仕事です。お客さんと対話し、その本質を抽出し、”何”を徹底的に考え、そして、そこに形を与えて表現する。このように、山西さんにとってはこの過程が習慣づいているのではないでしょうか?

例えば、Baridi Baridiのロゴ制作の際、山西さんは事業内容と事業に込められた想いを徹底的に知ること、そして、その本質は何かを考えることから制作をスタートされています。その上で、本質的に表現すべきものをロゴという形で結晶化しています。
(参考:Baridi Baridiのロゴ作成についてのnote)

課題意識としてあげた"経験不足"について少し詳しく書いてみます。
・"何"を考える上で、十分なインプット、向き合っている事象への多面的な理解、自身の内面との対話に意識的にチャレンジできていますか?
・ 目の前のこと(仕事など)に追われて、ただただ何かしらのアウトプット(表現すること)を出すだけになっていませんか?

このように言葉にすると簡単ですが、実際やってみると、簡単にはできず、しんどい作業です。また、少しサボっても、基本的には誰にも何も言われないので、スキップしがちです。(こうしたことが経験不足になる原因です。)

ただただ、しんどい作業では、取り組みたいとは思わないので、取り組んで見るメリットを説明していきます。

“何”を考えて、表現する経験はどのように生きるのか?


多くのメリットはあるのですが、私が伝えたいメリットは以下の2つです。
1. モノの本質をとらえる力が高くなる。
2. ワクワクしながら、人生を過ごせる。

1. モノの本質をとらえる力が高くなる

1つ目のポイントは山西さんと仕事をしながら感じたことです。

山西さんとロゴ作成だけではなく、ブランディングや事業のあり方なども議論します。その際に、いつも驚かされるのが、山西さんのコメントが、普通のビジネスマンより優れているかつ本質的だということです。

例えば、Baridiの事業に対して、「俺はエアコンがタンザニアで普及すること自体が良いとは思わない」とコメントをくれたことがあります。

その言葉で、われわれが、事業者目線で、単面的にこの世界を見ようとしていないかどうかを問うてくれています。また、ビジネスが元々もつ悪い部分を理解した上で、自分たちがより謙虚に商売すべきだと気付かせてくれました。

他の例でいうと、「タンザニアのお客さんは高い電気代とメンテナンス代に苦しんでいる。Baridi Baridiはこの2つを解決していく。」と、説明した際には、「そんな2つの問題なら、簡単に解決できそうじゃないか?お前たちが取り組んでいることは、そんな簡単のことなのか。ワクワクしない。」と伝えてくれました。

目の前の現実的な問いではなく、大きな問いに向き合うために、"大きなVisionをBaridi Baridiが掲げて事業をしているのではないか?"ということに改めて気付かされました。また、大きな問いというものは、常に本質的な問いであります。

このように、“何”を徹底的に考えて、表現してきた人は、モノの本質をとらえる力が高いです。また、専門外のことに関しても、モノの本質をとらえることができる人は活躍します。
(山西さんの場合も、デザイナーであり、ビジネス経験は全くありません。)

2. ワクワクしながら、人生を過ごせる

2つ目のポイントは自分自身の体験からです。

”何”を考えて、表現するということは、自分自身と向き合う作業です。その過程で、自分自身が大切にしたいもの、好きなもの、嫌なものなどが次第に見えてきます。

そうした内面と向き合うと、自ずとそれをどうかしたいという想いが湧いてくるはずです。(例えば、面白いドラマを見て、その話を友達にしたい!とかもそうした想いの一種です。)
そうした内面から湧き出てくるエネルギーを元に、形として表現するものには、他の人にはないオリジナリティが生まれます。

また、内面から生み出されたものは、他の人に押し付けられたものではありません。それを形として表現できた場合、ワクワクや達成感を感じることができるのではないでしょうか?

私自身も、経営者として、”何”を考えて、事業という形で表現していくということはもちろんワクワクしながらやっていますが、noteを1本書き終えるだけでも、ワクワクや達成感は大きいです。このように、表現するものの大小は関係ありません。身近なところでスタートしやすいことからでも、想いを表現することは、人生をワクワクして過ごす1つの方法ではないでしょうか?

参考:内面からのエネルギーについて詳しく説明されているnote (面白いので、興味があれば)

何かを表現する自信がない人へ


“何”を考えて、それを表現する経験は生きるという話をしましたが、自分はやってみたことがないし、やり始める自信がないという人の方が多いのではないでしょうか?

そういった人たちに伝えておきたいことが3つあります。

1. 表現の上手い下手は関係ない

図1

創業のときに想いを書いた絵ですが、センスゼロのひどい絵です。

ですが、絵を書いても誰かに上手い下手って言ってもらうために書いているわけではありません。スキルは残念ながら急激に上達はしないですが、”何”を考えること自体が重要で、その結果をなんとか表現さえできたら人には伝わります。

2. しんどくてものりきったら楽しいよ

毎月1本書くnoteに毎月苦戦しています。”何”を考えるだけでひたすらしんどいし、文章も構成も下手だから、読み手の人に伝わるように、必死に表現のレベルも上げる必要があります。しかも、元々文章嫌いでポンコツレベルの文章力です。顧問編集者として制作に携わってくれている佐藤さんの素敵で読みやすい文章を何度も読みこんでは、そのレベルを目指して推敲しています。

こんな感じで苦しんではいますが、良いものができたと自分でも思えるときは非常に達成感があります。また、作成の過程で、今まで自分が見えていなかった世界が見えてきているなと実感しています。

3. 表現するというものを芸術的なものに絞らなくてもいいよ

「”何”に形を与えるのか?」という最初の話に戻りますが、例に出したロゴやnoteだけではなく、いろんな形の与え方があると思います。”何”ということを意識して、考えることが大事なので、仕事の企画書を作る、恋人や家族へのプレゼント案を考える、将来ありたい姿やキャリアを描いてみるとかでも良いとも思います。

“何”を意識して、考えて、そこに形を与える作業を意識してやってみる。そして、それを習慣づけていくだけで、大きく、自分の世界は変わるのではないでしょうか?その苦しさを乗り越えた先には楽しさがあり、他の人に押し付けられたものではないワクワクを感じることができるのではないでしょうか?

このnoteがそんなチャレンジをしたいと思う人の後押しに少しでもなればうれしいです。


<このnoteの作成にあたって>
山西さんに言われた言葉でもう1つ心に残った言葉があります。「アートやデザインっていう言葉を使って説明しても、アートやデザインに興味がない人には伝わらん。」という言葉です。最近は、アート思考やデザイン思考などが流行り言葉ではありますが、今回のnoteはそうした言葉を極力使わずに、書いてみました。より多くの人に伝わる内容になればうれしいです!

この記事が参加している募集

オープン社内報

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?