見出し画像

福田村事件:愚民が人を殺すのは必然

なんていい映画だったんだろうか。さすが是枝監督。
福田村事件というのは、関東大震災の時に、朝鮮人が火事場泥棒をしているということを聞きつけ、日本人が自衛団を組んでそれに対抗していったのだが、集団的沸騰というか、バカな愚民が集まるととんでもないことが起きるということの証明のように、疑心暗鬼の中で、日本人による日本人への虐殺も含まれていたのだという事件であって、それが福田村というところで起きたってわけです。

1920年代のこと。戦争が終わったあたりの描写で、例えば嫁が、旦那のおとうさんの子供を産んでいたり、戦争に向かった男の嫁を寝とる描写があったりなど、その時代背景も面白かった。

ちなみに殺されたのは香川県から薬を売りにきている行脚であり、確か15人中9人が惨殺されたのだ。

そのなかには、赤ん坊や子供も含まれている。
愚民とはつくづく愚民である。

コロナの時も、慌てふためき、騒ぎ、俯瞰的な視座と抽象度を失って、あたふたする国民を見ると、本当に人間て変わってないんだなと思う。ガザ・イスラエルにおける惨状を取り上げるべくもなく、人間はある条件がそろえば、すぐに惨殺する生態を持っているのである。

映画の中では、複数人、正気を保った人物が出てくる、劇中の名前は忘れてしまったが、田中れいなや東出演じる登場人物、それとインテリの先生みたいなのが、「この人は日本人かもしれないから、惨殺をやめよ」と言うのであるが、水道橋博士を筆頭に愚民どもは竹槍と刀と鉄砲で殺す殺す殺す。恐ろしいんである。

「どうしたらそんな可哀想なことができるのか?」
という疑問は湧いてこない。

自分だって、その場にいたらそうする可能性を十分にみせつけてくれるいい映画だった。まぁ多分俺は殺さないサイドだと思うがな。

戦争にいけと言われても俺は行かない。
そういえば、戦争のない人生で良かったとはおもう。ここから徴兵されることはないだろう。しかし、俺たちの子供世代は違うな。まもらなければならないと思うわ。

よろしければサポートお願いします