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正面から困難を解決する勇気

今日のおすすめの一冊は、『中国古典100話』(山口謠司/知的生き方文庫)です。その中から「先ず隗(かい)より始めよ」という題でブログを書きました。

本書の中に「正面から困難を解決する勇気」という興味深い一節がありました。

【利を好むは、営(まど)わすべし。難を悪(にく)むは、懼(おそ)れしむべし。】
空腹な犬の前にエサを置けば、鎖を引きちぎってでもエサを食べようとするであろう。 それは、お金に困っているときに、目の前に札束を並べられるのと同じである。 借金を払わなければならない期日が迫っている。しかし、そのお金が工面できない。 そんなときに甘い話があったら、人は易々とそれに乗ってしまうだろう。 「利を好むは、営わすべし」とは、こういうことをいう。
「難」とは、戦争のことである。日常で起きる喧嘩と置き換えてもいい。「難を悪(にく)む」とは、なにか困難なことにぶつかったときに、それを正面から解決する勇気のないことをいう。
人間は弱い生き物である。 戦国時代の人々も同じであった。 「『利』に目が眩んだ人は、目の前に財宝をちらつかせれば、いとも簡単に動かすことができる。『困難』を極端に怖がる人は、脅かせば操ることができる」 人を観察して動きを見る。 戦国の世を生き抜くためには、こうした力が必要だった。 《お金や脅しに容易に屈するのも、人間の一面》

利にさとい心を「利心」といいます。目先の利益に敏感だということです。目先の利益につられて判断を誤ることが多いということです。また「難を悪(にく)む」とは、困難に対して正面から向き合わず逃げてしまうことです。この二つの状況によって「人はいともたやすく操られてしまう」というのです。

そして、「利心」も「難を悪む」も両方ともやっかいなことですが、とりわけ問題に対して逃げてしまう、正面から向き合わないということは人としての根本に関わることです。つまり困難に立ち向かう「勇気」がないということです。

田中真澄氏はそれをこういいます。 「勇気は機関車 自信は客車 勇気は自信に先行する」。行動は勇気と直結します。そして自信とは自己肯定感です。一歩踏み出す勇気が自己肯定感を作るのです。正面から困難を解決する勇気をもちたいものです。

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