見出し画像

メンバーの才能を開花させるリーダーシップとは⑥(「投資家」としての技法)

前回までは、メンバーの能力を最大限引き出すリーダーの特徴と、人材を惹きつけその才能を最大限に発揮させるためには、アイデアを引き出すには、挑戦するチームを作るには、議論を推進し全員が納得感を持って進むためには、ということを書きました。

リーダーシップに関してはこの本がすごく分かりやすかったので、こちらを参考にしております。

ちなみに、私にとっての理想のリーダーの1人がワクセル主宰の嶋村吉洋さんです。

増幅型リーダーの5つの習慣
①才能のマグネット:人材を惹きつけ、その才能を最大限に発揮させる
②解放者:最高のアイデアを求める
③挑戦者:難しい課題に挑戦させる
④議論の推進者:議論を通して決定する
⑤投資家:責任を明確にする

今回はその中でも、「投資家:責任を明確にする」について書いていきます。

●「投資家」としての技法

船を作りたいなら、男を呼び集め、木を持ち寄り、仕事を分担しなければならない。
命令は御法度だ。
代わりに、男たちに壮大で終わりのない海の魅力を教えるのだ。

サン=テグジュペリ

増幅型リーダーは他社の成功に投資します。
チームが上手くいっていないときに入りはしますが、自分で解決できる場合もあくまで援助に回り、メンバーが自分で解決するように努めます。
短期的には自分でその問題を解決した方が楽ですが、リーダーがいなくても機能するチームを作る方が長期的に見たら価値を生み出します。

●あなたは「マイクロマネージャー」か「投資家」か

増幅型リーダーは、メンバーの自主性を最大限尊重します。
逆に消耗型リーダーは、メンバーを支配しようとして、自主性の芽を摘んでしまいます。

女性自営業協会(SEWA)を設立したインド人女性はエラベンは下記の様に述べています。
「リーダーとは、他者がリーダーとなることを助ける人です」

●投資家の3つの実践

増幅型リーダーは投資家として、①責任の所在を明らかにし、②人的資源に投資し、③最後まで責任を預ける、ということをします。

①責任の所在を明らかにする

増幅型リーダーは、メンバーにそれぞれの数字に責任を持たせるとともに、自分の管轄だけでなく、全体の達成に対しても責任を持たせます。
また、そのメンバーが持つ力以上の仕事を任せて、成長をサポートします。

②人的資源に投資する

増幅型リーダーは答えを差し出すのではなく、質問を投げかけ自ら考える機会を与えます。
答えを差し出す方が短期的には楽ですが、長期で見たときにメンバーは自ら答えを導き出す力を得ることができます。

③最後まで責任を預ける

増幅型リーダーがメンバーにするのは、命令ではなくアドバイスです。
あくまでメンバーに責任を預け、自ら考えるようサポートします。
そして、各々にそれを解決できるだけの有能さがあると伝え、力づけします。
問題を指摘する人には、答えもセットでもってくるよう伝えます。
また、メンバーの行動の結果を黙って見守り、本人がその結果を享受するようにします。
そして結果が目に見えるように、きちんとデータにしてメンバーが見えるようにするのです。

リーダーの重要な仕事は、次世代のリーダーをしっかり育成することです。
それをすることで、多くのリターンが得られることを、増幅型リーダーは知っているのです。


『メンバーの才能を開花させる技法』

●投資家になるために

投資家になるための最初のポイントは次の4つです。

①誰がボスかをはっきりさせる

メンバーに責任を与え、自分以上の権限があることをメンバーに伝えることが大事です。
あくまでその仕事のトップはメンバーであることを伝えることで、メンバーは主体性をもって取り組むようになります。

②流れを見守る

メンバーが失敗から学ぶ機会を奪ってはいけません。
答えを教えるのではなく、現場で失敗をするから得られる学びがあります。
その時は次の三段階を踏むとうまくいきます。
a.流れに任せる
失敗を恐れるあまり、先走って介入しないことが大事です。メンバーにはある程度の失敗が必要です。
b.失敗について話し合う
失敗から学ぶのを手助けするためにも、リーダーはいつもそばにいなければいけません。
上手くいかなかったときは、メンバーを立ち上がらせ、起きたことを話し合いましょう。
その際、「だから言っただろ」と説教するのは御法度です。
c.次に目を向ける
次回からはうまくいくように手助けしましょう。
前進への道を示すことでメンバーは力を付けていきます。
そしてメンバーが成果を出したら、みんなの前で褒め、勝利の果実を味わわせてあげましょう。

③解決はメンバーの力で

リーダーは元々問題解決能力に長けています。
しかしリーダーが解決をしてしまうとメンバーの力が付きません。
解決策はできるだけメンバーにださせることが大事です。
そのために下記のような質問をメンバーに投げかけてみましょう。
・君はこの問題をどう解決したらいいと思う?
・君ならどんな解決策を提案できるだろう?
・君はこれをどう解決したいと思っている?

④ペンを返す

リーダーが最後まで解決するのは簡単ですが、ちゃんとメンバーにペンを返すのが大事です。
参考までに「ペンを返す」ことを伝える言葉をいくつか挙げておきます。
・より深く考えるのを助けされるのはうれしいけど、ここからは君にリードしてほしい
・これに関しては、今も君がリーダーだ
・喜んでサポートするよ。君がリードするためには何が必要かな?

●まとめ

「マイクロマネージャー」から「投資家」へ

マイクロマネージャーは重箱の隅をつつくようにメンバーを管理し、リーダーへの依存を生み出し、リーダーなしでは成果の出ない組織を作る。
投資家は人に投資をして責任を与え、リーダーがいなくても自分自身の力で結果が出せるようにする。

投資家の三つの実践

①責任の所在を明らかにする
 ・リーダーを任命する
 ・最終目標への責任を与える
 ・役割を広げる
②人的資源に投資する
 ・教え導く
 ・サポート役を指名する
③最後まで責任を預ける
 ・責任を返す
 ・終わりまでやり遂げる
 ・ありのままの結果を尊重する
 ・目に見えるスコアボードを作る

投資家になるために

①誰がボスかをはっきり知らせる
②流れを見守る
③解決はメンバーの力で
④ペンを返す

意外な発見

①増幅型リーダーは日々の細かい仕事に関わりながらも、責任はメンバーに預ける。
②増幅型リーダーは、一流の結果を出すことにかけて、消耗型リーダーよりも42パーセント高い評価を受けている。

参考文献:『メンバーの才能を開花させる技法』

吉村先外

この記事が参加している募集

最近の学び

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?