Hiroshi Uchikoga

Zero-to-One producer ; Case discussion Lead…

Hiroshi Uchikoga

Zero-to-One producer ; Case discussion Leader ; ME/Keio University ; MBA/Harvard Business School

マガジン

  • なめらかなデジタル社会基盤

    • 579本

    本マガジンでは、現在のWEBの構造的な課題にスポットライトを当てながら、未来のウェブのあり方、プライバシー意識の変化と高まり、分散型IDのコンセプトや技術解説・導入事例などの幅広いトピックをゆるやかに発信し、みなさまとデジタル社会の未来について考える場所にしたいと思います。

最近の記事

How To Discuss A Case (その3)

準備にタイム・リミットを設定する入念な準備はクラス・パーティシペーションには欠かせない。ただ、準備に過剰な時間とエネルギーを費やすべきではない。矛盾しているように思うかもしれない。学問の世界で勉強のし過ぎ、などということはあるのか? ケース・スタディに限って言えばその答えは疑いもなくイエス、である。 時間をかければかけるほど準備が万全になるという思考の罠にはまらないことだ。習得知識は勉強時間に比例すると言い聞かせ、時間のかけ過ぎを正当化しがちである。ハーバード・ビジネスス

    • What is a Case? (abridged)

      多くのビジネス・スクールでは、教材として「Case(ケース)」と呼ばれているものが使用されている(10〜20ページ程度の、実在する企業が直面した課題・問題を記した教材)。Caseとは一体どんなものなのか?以下は、Harvard Business School Pressから出ている「The Case Study Handbook: How to Read, Discuss, and Write Persuasively About Cases」(William Ellet 2

      • How to Discuss a Case (その2)

        ディスカッション中のリスク(前回翻訳のつづき)ケース・ディスカッションが行われる教室に座っている生徒たちは、その誰もが何らかのリスクに晒されている。個々人の状況によってそのリスクレベルに違いはある。 ・教室で使われれている言語が母国語ではなかった場合、ネイティブスピーカーに比べ、議論の流れにうまく乗れないと感じてしまう。間違った言葉を使い、発音も正しくできないまま発言をして、クラスメートにその内容が理解されないのでは、と怖れ、自分は笑われ者になってしまうので無いかとすら思っ

        • How to Discuss a Case (その1)

          ビジネス・スクールでは、「ケース」(Case)と呼ばれているものが教材として使われている(実在する企業が直面する課題・問題をまとめた教材)。今回はこのケース教材を用いて議論を行う「ケース・ディスカッション」について、Harvard Business School Pressから出版されている"How to Discuss a Case"(どのようにしてケース・ディスカッションを行うか?)を要約しながら紹介していく。 ケース・ディスカッションはコラボレーションである 通常の

        How To Discuss A Case (その3)

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        • なめらかなデジタル社会基盤
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        記事

          How to Analyze a Case

          多くのビジネス・スクールで教材として使用されているものに、「ケース(Case)」と呼ばれているものがある(10-20ページの、実在する企業が直面した課題・問題を記した教材)。Harvard Business School Press から出版されている"How to Analyze a Case"(どのようにケースを分析していくか)と、"How to Discuss a Case"(ケースを使ってどのように議論していくか) の二つの著作よりエッセンスを要約した。学校、企業など

          How to Analyze a Case

          スマート・コントラクトを作るのは、「確かに」難しかった

          ~Blockchain Knowledge Foundation投稿 Making smart contracts WAS hard.翻訳記事~ ブロックチェーンはwrite only(書き換えのみ可能)でありかつ分散化されているが、エラーにはどのように対処していくのか?外部環境の変化にどうやって適応していくのか? 手書きコーディングでは対応不可能 手書きでエラーをなくすというのは難しい。コーディングしたあとでテストをする、というのは10個程度のエラーを無くす手法としては

          スマート・コントラクトを作るのは、「確かに」難しかった

          国際機関によるブロックチェーンの取組み(世銀・国連)

          ブロックチェーン技術は民間企業の枠を越えて、国際機関でも実験的に採用されつつあります。以下にいくつか事例を紹介したいと思います。 世銀は2018年8月、ブロックチェーンを使った新たな債券「bond-i」(Blockchain Operated New Debt Instrument)を発行し、予定金額を上回る投資を受けました。 世銀債は発展途上国の教育発展や医療向上、災害対策、環境配慮、貧困削減などを支援するための資金調達を目的に発行されており、投資家は本債券を購入するこ

          国際機関によるブロックチェーンの取組み(世銀・国連)

          デジタルIDの新たな流れ

          ~Laura Spinaci 氏投稿 ”Digital Indentity's models" 翻訳記事~ ”サービスを提供したり、リソースへのアクセスを許可する際、デジタルID認証が求められる。多くの場合、組織に蓄積されたデジタルID情報(身元情報・個人情報)の履歴を取り損ねたり、個人プロファイル自体を管理する能力を持ち合わせないことがある。ID認証をベースとしたデジタル・サービスが拡がる一方で、組織や人々は戸惑うことも多く、このモデルは簡単にスケールできたり持続できるも

          デジタルIDの新たな流れ

          ナイジェリアが寄せるブロックチェーンへの想い

          ~Calvin Amu氏投稿記事、Nigeria’s Growing Love for Blockchain翻訳~ 誕生日おめでとう 2018年の今年は、トランプ大統領が引き続きメディアを騒がしているのを横目で見ながら、Wiz KidやDavidoに始まるアフリカ音楽界のスターたちが人気を博した。本題に入ろう。2018年はSatoshi Nakamotoという謎の人物によって始まったBitcoinが誕生してから10年、である。仮想通貨の象徴であるBitcoinの誕生を、世界

          ナイジェリアが寄せるブロックチェーンへの想い

          ブロックチェーンとAIについて

          ~Maurizio Raffone氏投稿 Aritificial Intelligence on Blockchain 翻訳記事~ 産業革命4.0の最も魅力的な一面は、シナジーがある二つの新技術を組み合わせることにより、イノベーションの規模が増大していく可能性があることだ。理屈の上では素晴らしいことである。一方、エマージング技術の融合は決して簡単でなく、エンジニア、開発者そして経営者は絶えず刷新されていくプロトコルやツールに対応していかなくてはならない。 シンギュラリティ

          ブロックチェーンとAIについて

          ブロックチェーンと環境問題

          ~Calvin Amu氏 "Blockchain and Environment"記事より翻訳~ 余剰エネルギーの取引 近年、東京大学、IT企業、ユニシス・ジャパン、関西電力、そして日本最大の銀行である三菱UFJ銀行がパートナーシップを結んだというニュースが表に出た。このパートナーシップにおける研究者たちは、ブロックチェーンでエネルギー取引を直接行うプラットフォームの可能性を一層深く追求していくことになる。 この研究は何をさておき、益々利用が盛んになっている再生エネルギ

          ブロックチェーンと環境問題