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ザ・ビートルズ・出会ったのは運命の女神 〜 【加筆修正】60年代の音楽シーンを辿る旅 Vol.3

60年代これまでの記事は↑です。

「I Saw Her Standing There」 出会ったのは運命の女神

I Saw Her Standing There

まずはこの歴史的ライブを。エルトン・ジョン&ジョン・レノン。
曲は「I Saw her Standing There」

この曲は、ビートルズのデビューアルバムのオープニングを飾ったナンバーです。アルバムの前奏はポールによるカウントから。

「one , two , three, four!!」

このカウントが世界への羽ばたきを予感させ、このカウントから全てが始まりました。

冒頭に紹介したライブは、1974年、ジョンが長かった失われた週末を終えて舞台に復帰するきっかけとなったライブです。この会場にはオノ・ヨーコさんもいたのだとか。

エルトンのライブにジョンが飛び入りすることで実現。彼らの共作ナンバー「Whatever Get You Through the Night」と、ビートルズナンバーを2曲。合計3曲歌われています。

ビートルズナンバーは「Lucy in the Sky With Diamonds」、そしてラストが、この「I Saw Her Standing There」でした。

彼自身の復活のタイミングに、ビートルズのデビュー作からの、それも1曲目だった曲を演奏したことも驚きですし、この曲がポールの曲であることも、また驚きでした。

しかも、ジョンはこの曲の始まる冒頭こんな言葉を発しています。

An old estranged fiance of mine called Paul
もう疎遠になってしまったけど、僕のフィアンセだったポール

リアルタイムで経験していなくても、彼らの関係性を知った上で聞くと、言葉がでません。

親友という関係性は、お互いを認め合っているが故に、ストレートな言動や対応ができるんですが、それが誤解を生んでしまうこともある。ジョンがポールの曲をここで取り上げたという事実から、親友はどこまでいっても親友なんだということが伝わってきます。

事実、この頃ジョンは、ポールとリンダ夫妻、スティーヴィー・ワンダーとセッションをしていたらしいですので、周りが思っているほどのことはなかったのかもしれません。

このライブのことをヨーコさんに伝えたのはポールらしいですし。

この曲をこの場面で演奏していたという歴史的事実には感動という言葉しかなく。

I Saw Her Standing There

この曲から始まるアルバムでビートルズは世界への一歩を歩んでいくわけです。

そこに立っていたHer は、幸運の女神だったのかも、知れません。

リンゴ・スター

リンゴは、ビートルズの4名の中では最後に加入することになります。デビューアルバムでは彼が全てドラムを叩いているわけではありません。

デビューアルバムのレコーディング時に、プロデューサーのジョージ・マーティンが、セッションドラマーを待機させていたようです。加入して日が浅いので念のためという意味合いと思いますが。

ビートルズ加入前、リンゴは別のバンドですでにそれなりに知名度があったらしく、人気者だったようです。

よく話題になる彼のドラミングの腕前ですが、「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」は右チャンネルと左チャンネルで音が違うんですが、どちらかの方を聞くと、彼のドラムの音色がかなりはっきりきこえます。その音を聞くのが良いでしょう。

この動画がわかりやすいと思います。


よく聞くと「カム・トゥギャザー」のドラムも印象的。

派手さはないが、実に曲にハマっているといいますか。きちんと底を支えているような。日本だとレベッカ 、ボウイ、スピッツあたりのドラマーに近いかもしれません。

彼のバンドへの影響は、このドラムだけではなく、その性格から潤滑油的な役割もあったようですし、何よりも独特の言語センスがあったようで、「A Hard Days Night」「Tomorrow Never Knows」と言った楽曲のタイトルは文法的には間違ってますが言葉の響きが面白いうということでジョンが採用したのだとか。

なお、作曲面では、自作というよりは、他のアーチストの協力を受けて、かなりの傑作をソロで生み出しています。

ジョージの死去に伴い、彼に捧げたこの曲は、彼の気持ちが伝わってくるようです。


マッシュルーム・カット

まだリンゴが加入する前、ビートルズがハンブルグで武者修行をしていた時期。

初代ベーシストのスチュワート・サトクリフと現地で恋仲になる、アストリッド・キルヒャー(キルヒヘアとも)という女性がいます。彼女は写真家でもあり美容もできるということで、彼女があの有名なヘアカットを生み出します。

前髪をおろしたんですね。

そして、初期のビートルズの写真も数多く撮影。若き日の彼らの写真はほぼ彼女の手によるものです。

これがあの有名なハーフシャドウになり、セカンドアルバムのジャケットの原型となります。

有名なジョンのソロアルバムも彼女によるもの。

One, two, three, four!

ブライアン・エプスタインの尽力で、オーディションを受けてEMI傘下のParlophoneからデビューとなります。

世界的に有名なDeccaレコードのオーディションを先に受けていたんですが、なんと落とされてしまう。。

流行りの音とか、先の音と言ったマーケティング的な発想では、きちんと彼らの魅力を捉えられなかったんでしょう。感性を受け止められる感受性が、必要なのでしょうね。これは今も同じと思いますが。

ともかく、ビートルズはデビューし、圧倒的な人気でアメリカに乗り込んで行くことになります。

このあたりは次回にて。

さて、運命は動き出しました。世界に向け、世界的なグループへのカウントを告げることになった曲で、今回の記事を終えようと思います。

I Saw Her Standing There, The Beatles


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